暗号通貨(=仮想通貨)のブームの中で、取引だけではなく、マイニング(採掘)にも注目集まっています。GMOやDMMなどの大企業も、マイニング事業に参入しています。
このマイニングを悪だくみに利用するハッカーがいます。大手企業のクラウドをハッキングして、そのクラウドでマイニングをさせるのです。
暗号通貨のマイニングには非常に難しい計算処理が要求されます。そして昨今の暗号通貨ブームによって、マイニング業者による計算能力の高いGPU買い占めが始まりました。海外ではGPUが入手しにくくなる事態に陥っています。
だからこそ、ハッカーは、大企業のクラウドを攻撃します。大企業のクラウドであれば、高い計算能力は確実にあります。気が付かれなければ、永遠とマイニングが可能となります。
マイニングハッカーに狙われた大企業
アメリカ電気自動車メーカー「テスラ」やスターバックスコーヒーのクラウドで、勝手にマイニングがされていました。この問題は対処されましたが、セキュリティの脆弱性が指摘されました。
テスラでは、クラウド上にマイニングプールをインストールし、テスラ社車が車のプラットフォームの一部にはマイニングツールを仕掛けて暗号通貨の採掘を行っていました。この際、マイニングプールは発見されにくいように外部に接続し、マイニングツールはCPU負荷を最低限に抑えて機能していたとされます。
大企業だけではなく、個人も狙われている
Webサイトを閲覧したPCを無断でマイニングに利用する悪質なサイトがあります。調査によると、5億台ものPCがマイニングに利用されたというデータがあります。
マイニングには高度な計算が必要となり、CPUに高負荷がかかるだけではなく、多少なりとも余分な電力を消費します。無断で他人のPCを利用しているので、法的にも問題が起こりそうです。
Webサイトの閲覧者のPCにマイニングを行っていた会社は、その事実を認めました。基本的にWebサイトは広告で利益を上げることが多いです。ユーザーにとって広告は邪魔な存在です。この広告の代わりに、閲覧中はマイニングをさせてもらえれば、広告を表示する必要がありません。
このような試みを行っていたようです。
個人にハッキングからのマイニングもある
個人のPCであってもハッキングされ、マイニングツールを勝手にインストールされていた事例もあります。インターネットに繋がっている状態だけ、マイニングされ、ハッカーだけが儲かる仕組みです。
もしいつもよりPCの充電がなくなるのが早い、いつもより動作が遅いことがあったら、マイニングツールが勝手にインストールされているかもしれません。