今日、映画『星守る犬』を見た。原作のコミックは主人公の犬との最期までの旅を描いているが、映画はひとりの市役所職員が主人公の最期までの足跡を辿る旅を描いている。
この映画を見て、身につまされる思いをさせられるこたが、ふたつある。
ひとつは、ハッピーという犬を飼っている主人公(西田敏行さん演)が、持病の糖尿病が悪化し、望湖台のキャンプ場で死を感じて、「ハッピー、怖いよう」と呟くシーン、もうひとつは、主人公が亡くなり、ひとりになったハッピーが、キャンプ場で若い家族、両親と小学生の娘の3人を見て、昔の記憶が蘇り、駆け寄って行くが、野犬が襲ってきたと思われ、薪を投げつけられ怪我を負うシーンだ。
私もいざ孤独死を迎えたら、やはり怖くて泣いてしまうだろうが、隣りには誰も居ないのである。
人には人の人生があるように、犬には犬の犬生がある。飼われた家族との楽しい思い出は消えはしない。むしろ、死期を迎えるとその記憶が蘇るのだろう。
主人公の足跡を辿る旅をしていた市役所職員が子どもの頃から飼っていたクロという犬が最期を迎えるときに、クロが最後の力を振り絞ってボールをくわえてくるのも、昔の楽しかったボール遊びの記憶が蘇り、昔のようにボール遊びをしたかったのだ。
今日は頭痛がひどくなるほど泣いてしまった。私の娘同然のワンコも若い頃はボール遊びが大好きで、本当に嬉しそうにボール遊びをしていた。それだけにこの映画は私を泣かせる。
どうして私はその暮らしを捨ててしまったのか、いや捨てざるを得なかったのか、そうなったことが悲しい。
