タンポポの花 を見ると、想い出す人がいます。
それは 私が幼稚園に通っていた頃、近所に住んでいた同い年の小百合ちゃんという
女の子です。
彼女とはたまに遊んでいたのですが、彼女の両親は離婚していて、お母さんは
新しいお父さんと結婚していて 異父兄弟の弟が1人 いました。
でも、実のお母さんと義理のお父さん、弟の3人は 別の所に住んでいて、小百合ちゃんは
おばあさんに育てられていました。
幼稚園には通っておらず、ボロボロの服を着ている、口数の少ない女の子でした。
一度 小百合ちゃんの両親と弟が 小百合ちゃんがおばあさんと住んでいる家に来た時に
会ったことがありました。
実のお母さんも 義理のお父さんも 小さな小百合ちゃんに対して愛情があるとは思え
ませんでした。
「 小百合ちゃん、寂しい思いをしているんだろうなぁ 」 と 私は子供ながらに感じたのです。
ある日、自宅の庭から 私の三輪車が無くなってしまいました。
探していると、翌日 小百合ちゃんが乗っているところを発見されました。
咎めることもせず、返してもらったのですが、その時の小百合ちゃんの気持ちを考えると
切なくなります。
小百合ちゃんはおばあさんと2人暮らしで、おばあさんが懸命に働きながら生計をたてて
いました。 勝手に乗ってはいけないと思いつつ、よっぽど三輪車に乗ってみたかったのでしょう ・・・
その後も たまに遊んでいましたが、小学校にあがると間もなく 小百合ちゃんは 引越して
行きました。
それから 7年が経過し、中学3年生になった頃、
ある日曜日、突然 小百合ちゃんのおばあさんが私の自宅を訪ねて来ました。
おばあさんの口から出た言葉は
「 小百合が白血病で入院しているんです。 いつまで生きていられるかわかりま
せん。
小百合は恵美ちゃんに会いたがっています。 どうか会いに来てやって下さい 」
でした。 泣きながら頭を下げる おばあさんの突然の話に驚き、心が痛みました。
翌週、入院先の病院にお見舞いに行ったところ、小百合ちゃんは 薬の副作用で
髪の毛が薄くなっていました。
話しかけても、相変わらず口数は少なかったのですが、私が会いに行ったことを
喜んでくれているようでした。
私は生まれて初めて、同い年の女の子が死と直面している様子を見て、裏で泣きました。
これから楽しい青春時代がやってくるというのに。 今まで寂しい思いをしてきた分、
絶対元気になって幸せになってほしい! と心の底から思いました。
それから何度もお見舞いに行きましたが ・・・・・・・・・
( お見舞いに行っても 実のお母さんに会うことは一度もありませんでした )
小百合ちゃんと遊んだ時に、タンポポの種を吹いて 飛ばしたことがあります
もっともっと優しくしてあげればよかった。生きていたらどんな人生を歩んだのかな ・・・
タンポポの花を見ると、悲しい想い出が甦ります。