■あらすじ
ホープが目覚めると、そこは深夜の森。車の中、隣の席には見知らぬ女の死体。車を取り囲んでいるのは、ゾンビの群れ。一体、何がどうなっているのか?ホープは記憶を失くしていた。携帯電話に出たのは、姉のサラだった。サラによると、謎のウィルスにより世界は滅びかけている。ホープとサラは科学者で、ワクチンの研究をしていた。完成した解毒剤を狙う何者かに、ホープは誘拐されたらしい。救助を待つホープだったが、ゾンビ化した死体の女に噛まれてしまう。感染に怯え、車のどこかにあるという解毒剤を必死で探すが。(メーカーサイトより)
■ネタバレ
*夜の森の中、車の助手席で目覚める女。口はテープで塞がれ手首を縛られている。どうにか拘束を解くが、事故に遭ったらしく記憶がない。
*運転席には見知らぬ女の死体、車の傍には千切れた男の死体。しかし、死んでいると思った女は生きていた。こちらを見据えて「あんたのせいでみんなが…」と呟き、今度こそこと切れる。
*携帯電話があり警察に電話してみるが、回線が込み合っている旨の案内が流れるだけ。電話が鳴り「ホープ・ウォルシュ博士ですか?」と問い掛けられるが、受話器越しに喧騒が伝わり会話が途切れる。どうやら自分は『ホープ』博士らしい。
*携帯の電話帳の中から『サム』に電話をしてみると、同じ森の中に居ると分かり対面。しかし、サムの背後には無数のゾンビが居た。慌てて車へと戻るが、サムは足を痛めており遅れてしまう。自分だけ車に乗り込みサムを締め出すホープ。サムはゾンビに取り囲まれ食い千切られる。
*姉だと言う『サラ』から着信があり、自分が疾病管理予防センターに所属するホープ・ウォルシュである事・サムはサラの夫で自分にはアナと言う娘が居る事が分かる。サラにはサムの死を伝える事が出来ず、行方は分からないと嘘を吐く。
*半年前にコロンビアで発生したゾンビ化ウイルスはやがてアメリカ全土に拡大、ヨーロッパやアジアにも伝わった。3日前に解毒剤が完成したが、暴徒化した市民に研究施設が襲われたと言う。ホープは姉やその夫と研究に携わっていたらしい。
*サラは『ジョエル軍曹』を迎えに行かせるから、周囲を見て場所の手掛かりを探せと言う。その時、車内で物音がして、後部座席に縛られた男が居る事が分かる。この車を奪われた持ち主らしい。
*彼の制止を振り切って外で標識等を探そうとするが、ゾンビに取り囲まれる。男に締め出されてしまい車の上に登るホープ。間一髪、遠くで轟音が響いてゾンビはそちらへ引き寄せられる。どうにか車内に戻ったホープは男を罵り泣き叫ぶ。
*運転席の女がゾンビ化、男が噛まれて死ぬ。次いでホープが噛まれる。解毒剤を持っていたせいで誘拐されたのだから、アンプルを捜せとサラが言う。誘拐犯の『クレア・スティーブンソン』が持っていなければ、ホープかサムが持っている筈だと。「変な色…オシッコ色の液体よ」と笑うサラ。
*サラが誘拐犯であるクレアの名前を知っている事を訝るが、クレアの仲間が白状したのだと言う。クレアの息子も感染しており、息子のために暴挙に出たらしい。
*噛まれて1時間もすればゾンビ化する。30分以内に薬を飲まなければ手遅れになる。車内の何処にも薬は見当たらない。
*まだゾンビ化はしていないが感染者となったホープにゾンビは興味を示さず、難なくサムだった肉塊の服を探る事が出来る。アンプルとサムの携帯を入手、透明な液体を煽り安堵するホープ。しかし、歯が抜け爪は剥がれ身体は怠く、ゾンビは自分に興味を示さない。それは、市民に広く配られた効果のない液体だったのだ。
*有効なワクチンを量産するには時間が掛かり、政治家や治療費を払える富裕層等、限られた人しか入手出来なかった。透明な液体をホープは持っておらず、サムだけが持っていたと言うサラ。「サムと一緒なの?」と問われて携帯を切る。
*ジョエル軍曹がまた電話を掛けてくる。襲われてジープが壊れ遅くなったが、今からホープを探しに来ると言う。しかし、わざわざ感染のリスクを負う必要はないと伝える。もう自分は殆ど死人なのだから。ジョエルの子供の話を聞き、クレアの子供の事を訊こうとしたところで携帯の電源が切れた。
*サムの携帯に残された動画には、見知らぬ家族の姿が残っていた。記憶にない娘。そこにサラが電話を掛けてくる。サムが死んだ事を伝え「私が殺したの。私のせいで残らず死んだ」と言うホープ。疲れ果て車のボンネットに横たわる。
*胸元に何かがある事に気付いて引っ張り出してみると、ペンダントトップの部分にアンプルが下げられていた。もう自分には何の役にも立たないものだ。自嘲気味に笑うと煙草を咥える。
*やがて夜が明け、他のゾンビと共に歩くホープ。もう完全にゾンビ化した姿だ。その首には、あのアンプルが下げられていた。
■雑感・メモ等
*映画『ラスト/ナイト』
*レンタルにて鑑賞
*イタリア製ゾンビホラー
*シンプルな話で「助けに行くから目印教えて」「何もない」をグダグダ繰り返したりするからサックリまとめられるかな?と思ったけど、存外長くなってしまった。
*主人公に記憶がなくて電話相手のサラが若干怪しく思えたりもするけど、何も裏はありません。
*世界が終わる夜、たった一人の夜/深夜の森、記憶を失い、車に閉じ込められた一人の女 取り囲むゾンビの群れ、頼みの綱は一台の携帯電話だけ それは逃げ場もない、希望もない、この世界の“最後の夜”なのか(メーカーサイトより)てな訳で邦題が『ラスト/ナイト』。原題の『Almost Dead』も内容に合っていて良いと思う。
*記憶がなくて周囲はゾンビだらけ、と言う設定は楽しそうなのに如何せん手札が少ない。1つのパートが長過ぎたり同じ事の繰り返しで退屈。加えて主人公が、自分を励まし助けようとしてくれた相手を序盤で無情にも見捨てるので(それなのに後で自分が同じ事をされたらキレまくる)どうにも肩入れ出来ない。記憶をなくした事で、噛まれる前に既に人間性が死んでいたのかもしれない。