手のしびれには、原因が様々ある。
私も第一子妊娠中、手に違和感が起きてペットボトルが開けられず、一時的にか弱い女(?)となった。
そこで、手のしびれを訴えて受診したKさんの事例とあわせてご紹介します。
しゅこんかん。
手首の掌側には、手の骨と靭帯(屈筋支帯)に囲まれた手根管というトンネルがあり、9つの腱と神経が走っている。そのトンネルで炎症が起きると、中に走行する手指を動かす「正中神経」が圧迫されて、手にしびれや知覚障害などを起こす。これを『手根管症候群』という。
原因は、主に使いすぎ、肥満、妊娠、更年期などがあり、中年女性や手関節をよく動かす職業従事者に多く見られる。特に裁縫・ピアノ・掃除・調理など、手の負担が重い作業を継続的に行う職業の方は発症しやすい。
症状は、「正中神経」が支配する領域(図↓)にしびれや痛み、感覚麻痺などが起き、朝手がこわばったり細かい動作がしづらい、握りづらい、ペットボトルのふたが開けられないなどが起きる。正中神経は手首や指を曲げたり、親指の付け根の筋肉を動かしたりする動作に関連する。そのため母指球筋(親指の付け根)が脱力・萎縮するのも症状の一つとしてある。
お仕事で長時間包丁を使うKさんのように、物理的に負荷がかかりすぎるケースと、私などのように妊娠中に起きるケースは原因が異なる。主に妊婦の場合は、全身の血液量が増えてむくみがちになり、神経や血管を圧迫しやすくなっているため起きやすい。さらに妊娠に伴う姿勢の変化によって、筋肉への負担が増えて腕の痛みや手のしびれも起こりやすくなっている。
私のイメージで表現すると…
朝起きると「手がドラえもん」(♪)
更年期の女性の場合は、女性ホルモンが影響している。女性ホルモンの一つエストロゲンが減少すると、指の血流、骨の強度が低下したり、最新の研究結果では関節や腱が動かしにくくなる(エストロゲン受容体が満たされなくなるため)と言われている。
また、手指の神経は首にはじまるので、頸椎で神経が圧迫されることで血流が悪くなるために手指の症状が悪化するケースもある。
その他にも原因疾患として、糖尿病、アミロイドーシス、ガングリオン、甲状腺機能低下症、先端巨大症、痛風、慢性関節リウマチ、長期血液透析などもあるので、お一人お一人の生活背景や既往歴などもじっくり問診することが大切になってくる。
次回は、『手根管症候群』の疑いがある場合に行う検査法について、ご紹介します!
関係ないけれど
娘(1歳)がちっちゃなクマさんを握ったまま夜寝落ちた時。
母は大コーフン😍























































































