SLの世界でひそかに思っているのは、実は日本はゴスロリレベルが高いんじゃないかと。
というの各国の色々なお店と比べても比較的良いお店がいくつかあって、
売り上げ的にも結構成功している感じがします。


その中で、最近物凄く話題になっていて知名度が高いのがこの方です。
と言っても、かなり前からドールや衣装ではかなり有名なので
私が取材するのが遅かったかもしれませんが・・・。


本日はShop LicoLicoを運営するLico Nyandaさんにお話をお伺いしました!
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emo8889 Xeno: SLを始めたきっかけを教えてください。


Lico Nyanda: 去年10月の新聞記事で、自由に物が作れるという紹介に惹かれました。
しかし英語というネックが・・・。

実はその記事には「今月末(2006年10月)に日本語版リリース予定」
となっていて、日本語版を待つつもりで、
それまでにいくらかでも情報収集をしておこうとネットで調べたのですが、
当時は殆ど情報がありませんでした。


emo8889 Xeno: ユーザーが少なかった時期ですよね。


Lico Nyanda: でもなんとか wiki に辿り着いて「日本語版≠日本鯖らしい」
「10月末までにプレアカにすると週給 L$400(以降は L$300)」
というような情報を得て、思い切ってプレアカで始めることにしました。
もうすぐ1年経ちますが、あの時始めていて本当に良かった思っていますw


emo8889 Xeno: 思い切って初めてみた感想は?


Lico Nyanda: 「すごい」の一言。良くも悪くもいろいろな意味で。
記事には「リンデンが用意するのは空と大地とツールのみで、全てはユーザによって作られる世界」
というようなことが書かれていたのですが、すぐにそれを実感することができました。

世界に統一感がまったくないんですよね。


例えば普通の (MMO)RPG 等だったら、キャラにも服装にも町並みにも、
必ずその世界を通しての統一感がありますが、SLにはそれが全くなかったw


emo8889 Xeno: まさにユーザーだけで作られた世界ですもんね。


Lico Nyanda: 全然異なる雰囲気の建物がフツーに隣同士に並んでたり、
デザイン的な物だけではなくクオリティ的な違いも。
例えばデフォルトのアバターと、手をかけたアバターの差は歴然ですよね。
「ああ、本当に個々のユーザが自分のセンスとスキルで作っているんだな~」と実感しました。


そしてこれはゲームではない、SL に必要なのはリアルスキルだという説明にも納得できました。
あとは普通にエロとカジノの多さに(予想はしてたものの)驚きましたw


「仮想空間で本当に自分の作った物を売ることができるんだなぁと」

emo8889 Xeno: それからお店が今の規模になるまではどのような過程を?


Lico Nyanda: 2006/10からは、桃源郷のニュービーランドに土地を借りて、
プリムいじりの日々の中、SLで出来ること出来ない事を少しずつ理解していきました。
ハロウィンが近かったため、とりあえず自分用に服とか作ってみたりとか。


試しにと思い桃源郷のコミュニティショップに置かせてもらったら、2着売れて小躍りw
金額は少ないけど、仮想空間で本当に自分の作った物を売ることができるんだなぁと実感しました。


emo8889 Xeno: それがShopを始めるきっかけになったんですね。


Lico Nyanda: 翌月にはメインランドにお店用の土地を取得して、
本格的にドール作り開始しました。黙々とドール作りに打ち込み、
SLの世界にどのくらいドール好きがいるか、どのくらい売れるか分からず不安な日々w

あと当初の目標を一つ達成した事で、一時的に物作りに気持ちが向かなくなった時期もありました。


You: どうやって克服されたんでしょうか?


Lico Nyanda: やはり、目標なりなんなり、新しい何かを見つける事でしょうか。
逆に気持ちが向かない時にムリして何かを作ろうとしても、楽しくないですし、
そういう時に作っても、あまり納得できるものにならなかったりするし。


自然とそういう気持ちになるまで、逆に一切作らないとか、
色々出歩いて、他の人の作品を見るとか、もう、SL自体インしないとかw


emo8889 Xeno: Licoさんがその時辞めてなくて本当に良かったw


Lico Nyanda: それから2007/01には、ぽつぽつと売れてくれて、
ドールアイテムが少し揃ってきたので、アバター服作りも再開しました。
2007/02にはあまり深く考えずにスキンを発売。しかし一躍(当時の)主力商品にw



それからアバター服も結構売れ始めました。
あとお誘いを受けたり募集を見つけたりして、モールに出店し始めたんです。

それからは物凄い勢いで売上が伸びてて、ちょっと怖いくらいで。
ドール発売してから、売上がずっと倍々に伸びてるのも正直怖かったです。
順調すぎると怖い小市民w


emo8889 Xeno: 良い話じゃないですかw


Lico Nyanda: そろそろ何かあるかなと思ってたら、

案の定、中旬~下旬にかけて徐々に売上が落ちだしました。
どうやら NAGAYA や桃源郷の状況が変わった影響のようで、
それをキッカケにSL世界の変動の速さを実感し、

自分のお店自体の集客力を高める事を考え始めました。


emo8889 Xeno: それでSIM購入されたんですね


Lico Nyanda: それまで「売上が貯まる→土地を買う」を繰り返してましたが、
売上が SIM の維持費を支払える額になってきたので SIM を購入する事を考え始めました。


初期投資(プレアカ代+最初の土地代の不足分=約US$100)以外に

リアルマネーを投入しないという、自分ルールがあったので

SIM 購入のためにせっせと貯金の日々w


そして8月にSIM 購入。何か恩返しをと思い、

無料で商品を置いてもらえるスペースを提供することにしました。
お買い物SIM を目指し、ショッピングモールも作ってみたり。


http://slurl.com/secondlife/LicoLico/192/88/21


emo8889 Xeno: では改めてそのLicoLicoのご紹介を改めてお願いします。


Lico Nyanda: 着せ替えが出来るオリジナルドールとアバター服を作ってます。
ゴスロリ・ロリータ系が多めです。



emo8889 Xeno: 何故ゴスロリ系を選んだのですか?


Lico Nyanda: 正確に言うと「選んで」はいません。
単にその時思いついた、自分が作りたい物を作ってきた結果というだけです。
中の人がリアルでも趣味でそういう系のドール服を作っているものですから、
その影響で現時点でゴスロリ系が多くなっているのは事実ですが。


たまたま海外の有名なブログに最初に取り上げてもらった服が、
ゴスロリ風(当時はゴスロリと言い切れなかったw)だったことや、
他でもゴスロリ・ロリータ系のアイテムを取り上げて頂くことが多いので。


そういうイメージがついてるようですが、
自分ではゴスロリ専門店にするつもりはありませんでしたし、これからもないです。
ある日突然思い立って全然違う系統の服を作るかもしれません。


emo8889 Xeno: 方向を変える可能性もあると。


Lico Nyanda: それとSL 内(というか世間一般)の「ゴスロリ」という表現の範囲も曖昧で、
ゴス、ゴスロリ、ゴスパン、ロリータ、メイドなんかが混同、混在してますよね。


相互に重なる部分は確かにあるのですが、例えばゴスロリのつもりで作っていない服も、
「 LicoLico のゴスロリ服」のように紹介されることもあるので
「 LicoLico = ゴスロリ」は、周りが作ってくれたイメージという感じですね。


でもいちいち説明するのが面倒なので自分でも「ゴスロリメイン」とかって使ってますけどw


「イラストからおこしたような、2~2.5次元的な物の方が好き」
emo8889 Xeno: では商品作りにおいてコダワリなどはありますか?


Lico Nyanda: 極力リアルにしないことです。
SL は全体的にリアル志向が強いようですが、

技術的には「すごいなぁ」と思うものの趣向には合いませんでした。
イラストからおこしたような、2~2.5次元的な物の方が好きなので自分でもそういう物を作っています。
結果的にこれが LicoLico の特徴になっていて、また受け入れられている要素でもあるようです。


emo8889 Xeno: なるほど。それとLicoさんはドールも凄いですよね。


Lico Nyanda: 洋服やウィッグといったパーツ(というかスクリプト)が別にあって
着せ替えができるようになってます。
着せ替え用のボックスにドールと服やウィッグのパーツを入れることで、着せ替えができます。

本当は1分じっと待つのですが、中をみることもできます。
そうするとパーツが変形していくのがわかるかと。




emo8889 Xeno: これ動いてるの見ると凄いですね!


Lico Nyanda: このSIMではわりとまともに動きますが、とても重いしくみなので
スクリプトが遅い場所では動かなかったりします><


emo8889 Xeno: これを発案されたきっかけは?


Lico Nyanda: さっきも少し触れましたが、私はリアルでもドール服を作ったりしています。
そういったこともあって、SLでドールを探してみたのですが、着せ替え人形的なものは見つからなくて
ないなら作るか~みたいな。

あと、リアルでドール本体を作るというのは、非常に大変なことなんですね。
材料にしても道具にしても。
それが簡単にできてしまうなら、やってみたいじゃないですかw


emo8889 Xeno: でもこのスプリクトそんな簡単に出来る物なんですか!?


Lico Nyanda: えーと、確かにLSLの仕様なんかを理解するには若干時間が必要でしたが(英語だし><)
実は私リアルでプログラマーとかSEとか呼ばれるお仕事してたもので、
プログラム自体はむしろ大好で、楽しかったですね。
LSLの縛りは結構厳しかったですけどw


emo8889 Xeno: 次は服を1作紹介していただけますか。


Lico Nyanda: 多分あちこちで見かけられてると思うのですが、ウチの代表作を。
この服は結構いろいろなブログなどで取り上げていただきましたね。




それまで、ゴスロリ風としていくつか出してたんですが、

いわゆるゴスロリの王道なカンジではなかったので
はっきりゴスロリ!って言えそうなものを目指して作りました。


スカートを重ねるようになったのは、この服からだったような気がします。
透過のはいったプリム同士を重ねると、描画の順序がおかしくなる仕様というか、
バグというかがSLにはあって、それを意識して、ちゃんと見えるように作りました。


「色々考える事が楽しいし、それを実現する過程も楽しい」

emo8889 Xeno: なるほど。では改めてSLに感じている魅力を教えてください。


Lico Nyanda: 私にとってのSL は、やはり物作りとお店やさんごっこですね。
SL のツールを非力だと嘆く人もいますが、逆に縛りのある中でどれだけ自分のやりたい事を実現できるか、
という楽しさを感じている人もいるのではないでしょうか。私は後者です。


これからも(スカルプテッドプリムのような)新しい機能が追加されていけば、さらに可能性が広がります。
そういう中で、次はあれを作ろう、これをやってみようと、
色々考える事が楽しいですし、それを実現する過程も楽しいです。


また、同じ事をリアルでするのとは比べものにならないくらい、ハードルが低いというのも大きい魅力ですね。

リアルではできないけれどSLでなら(擬似的に)出来る事って沢山あると思います。
おままごとというか、疑似体験というか、そういう遊び方が楽しいな~と。


emo8889 Xeno: では最後に読者の方にメッセージをお願いします。


Lico Nyanda: SL は(ルールの範囲で)何をしてもいいし、逆に何もしなくてもいい世界です。
その中で「自分なりの楽しさ、楽しみ方を見つけられるか」が、SL人生(?)を左右する鍵ではないかな、と。
恐らく多くの方が言われている事だと思いますが、やはり「楽しむこと」が一番だと思います。


emo8889 Xeno: ありがとうございました!
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リアルの趣味をSLに持ってきて素晴らしいセンスを発揮しつつ、
LSLを利用した着せ替えも、とてもオリジナリティーと技術を感じました。
とくにあの着せ替えのドールの仕組みは凄くアイデアで、ビックリしました。


またLicoLico Simに行くと沢山の商品と、他クリエイターのショップが立ち並び
可愛い商品を見ながら楽しく買い物ができます。
もちろんブログでも商品の最新情報は更新されています。



http://secondlife.drops.bz/


まだ行った事のない方はこの機会にLicoLicoに行ってみてください。
きっと可愛いドールが欲しくなっちゃいますよ!