選べる自由があるはずなのに
どうしてだろう 足が動かなくて
信号待ちの群れの中
ひとりだけ 違う時間を歩いてるみたいだった

君の笑った顔を思い出すと
もう少しちゃんと 変われる気がした
けど、変われる気がしただけだった
ほんとは 僕、そんなに強くないんだよ

 

言い訳がうまくなってく
「でもさ」「けどね」って
語尾に隠れた不安すら
君はそっと撫でてくれたのに

わかってたんだろ?って顔で
「伝えてごらんよ」って
何も言えない僕を
君は置いていった

 

伝えなきゃ 伝えなきゃって
繰り返すたび 喉の奥が苦しくなる
好きなら好きって それだけなのに
言葉になると 全部嘘みたいになるんだ

ふたりだけの言語があればいいのに
ただ君と同じ温度で呼吸したかった
伝えなきゃ 伝えたい って
帰り道 君の背中を想像してる

 

コンビニの袋 ふたつぶら下げて
夜風に吹かれた帰り道
ふとした匂いで思い出すのは
君の部屋にあったシャンプーの香り

ひとりになると 空っぽになる
手持ち無沙汰な手がポケットを探して
何度も開いて閉じたスマホ
連絡できる理由なんてないのに

 

「今さらなんて、言わないからさ」
そんなふうに 君は笑ってくれそうで
そんな優しさに 甘えたくなる
でも、会いたい理由が 思いつかないんだ

伝えなきゃって思うほど
言葉たちは遠くへ行って
君の輪郭が 滲んでくみたいに
ぼくの声も 消えていった

 

伝えなきゃ 伝えなきゃって
心のノートに 何度も書いては破いた
「ごめんね」も「会いたい」も
どこか綺麗すぎて 使えなかった

言葉が全部 音楽になれば
どこかで 君の胸に届いたのかな
伝えたかったことは きっとひとつだけ
君がまだ 僕を 忘れていませんように

 

夜が明けていく空の下
言葉はまだ 風の中で揺れてる
あの日の僕に そっと言いたい
「早く、伝えればよかったね」って