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泣きそうになりながらも、平常心を保って冷静に帰宅した。


「チャトランは?」

「あなたの部屋」


母はチャトランを自室に連れて行ってくれていた。


ベッドの上で、好きだったフカフカクッションの上に横たわっているチャトランは、お気に入りのブランケットの中でただ寝てるだけのように見えた。


母はポツポツ状況を話してくれた。


「しばらく酸素室に入れててね」

「お母さんも体調悪いから寝てたの。トイレに行きたくて覗いたら、外に出たいって言って来たから出したら、ヨタヨタしながらトイレに行ってね」

「ヨタヨタしながら歩く後ろ姿が健気で忘れられない」

「トイレ行ったら倒れてね、でも倒れながらも、ちゃんと砂かけようとしてて」

「起こしてあげたら、お母さんのベッドの下に入って行った。出そうかと思ったけど、チャトランの好きなようにさせてあげようと思って」

「その後トイレ行ったり、下で用事をしていたら」

「そしたらね.ギャーって2回聞こえてね」

「2階に行って、ベッド動かしてチャトラン見たら、もうね…」


2人で泣いた。

チャトラン、頑張ったね。

健気でお利口さんのチャトラン。

最後痛かったね、ごめんね。

辛くさせたり、痛くしちゃって、ごめんね。


1人で逝かせてしまったけれど、自らベッドの下の奥に入って行ったと言うから、きっと誰にも見せたくなかったのかな、と思う。