月。
月光。
真ん丸い、
頬っぺたみたいに。
柔らかく、
薄く繊細な絹の灯り。
だけど
すらりと鋭い、
剣の勇みのように。
今晩も、
あすの夜も
また、数年後も。
きっと、
そうやって
留まらぬ美しさ。
あの夜、
なにも聞かずに
光を届けてくれた。
心細さに、
一歩も動かない
足元を照らし。
人恋しさに、
気づかぬ傲慢を
そっと解いた。
またねと、
微かに聞こえた
煌めく夜。
帰り道、
そして静かな夜
いつも、
変わらぬ佇まい。
この道の先で
ずっと辿り着くのを
待っていて。
そして、
いつか出逢えたら
其の時は必ず。
真ん丸い
頬っぺたに。
繊細で
柔らかな絹。
そっと潜ます
勇ましい剣。
そんな
貴方の様に
輝いているから。
月。