初めての方は第1話からどうぞ♪


らいん2


「先生、竜を海に連れていきたいんです!」

「わたしからもお願いします!!」





先生は険しい表情で、

トラとあたしは頭を下げて願った。







竜を、海へ。

海を見せてあげたい。




「お願いします!!」





先生は顔を上げて言った。






「本当に危ないんだよ。」




その顔にウソはなくて…





「本当に。だから外へ出掛けること…海に行くなんてことは…



死への近道だ。





それだけだ。」





………死への近道…



「それでも連れて行きたいのなら…」





「いいんですか?!」


先生は頷いた。

「しかし何かあった時にはすぐに病院に連絡すること。」



「わかりました。」



「でも…少しでも迷っているなら、止めたほうがいい。


あとになって後悔するなら…止めるべきだ。」





あたしは、トラを見た。


トラは、迷っているんだ。

竜を死なせてしまうかも…

そんなことを、迷っているんだ。




トラのお母さんの願いは、トラと竜が幸せに暮らすこと。

竜を少しでも長く生かしてやるべきなのか。

それとも…





先生が出ていったあとも、重い空気はなくならなかった。







「トラ?大丈夫?」




「大丈夫じゃねーよ。」






トラが…

あのトラが…

いつもの強気なトラが、消えた。







その次の日から、トラは吹っ切れたように明るくなった。


あたしは…それにすぐに気づくべきだったんだ。









「おう!おはようコア!いい天気だな!」





「あ、おはよう。」





「なぁ、竜、海に行きたいか?」





「うん!行きたい!」




「そうか。実はここで発表。明日、海に行くことにしましたー!!」



「やったー!」



喜ぶ竜。

でも、何かが違う。








「ねぇ、トラ…もう迷ってないの?」





「何がだよ。竜は死なねぇよ?昨日俺んとこに母さんが来たんだ。んで、竜は死なないって。」



笑顔のトラ。

お母さんは死んだんだよ…






トラが壊れた。