井口絵海のhibinomama

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子育て支援活動 NPO法人mamanohibiでの出来事、
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「若い子の音楽は、聴けるものがない」

 

今から20年前、

そうぼやく40代後半のディレクターさんがいた。

ものすごく音楽好きの人。

 

でもふと、

「このアーティストはどういう人?

なんや、かっこいいな〜!」

と、ほんの時々引っかかる"若い"音楽になびく。

 

そのポイントって、なんなんだろう?

 

20歳過ぎたばかりの私は不思議だった。

 

当時の私はというと、

自分の好きな音楽はもちろんだけど

その音楽のルーツになる

リアルタイムでは知らない洋楽の60年代、70年代、80年代の音楽を

聴き漁っていた。

 

何十年も前の音楽なのに、かっこいい。

なんかわかんないけど、かっこいい。

なんだ、このグルーブは。

くせになる感じは。

 

今思うと、

聴く音楽全てが初めてで

今とは全く違う聴き方、

そりゃぁもう、楽しかった。

 

気づけば私も40歳を過ぎて、

いつのまにかそのディレクターさんと

似たような気持ちになることもしばしば。

 

そんな中、

ベテランアーティストではない枠で

ひっさしぶりにワクワクしたアーティストの一人、

Vaundy。

 

1stアルバムを聴いた時に

なかなかの衝撃で

Vaundyさんに聴いてみたいことが2つ、頭に浮かんだ。

 

お会いしてみたいなぁ〜

 

と本気で思いながら彼の楽曲を聴いていた。

ほどなくしてお仕事でインタビューさせていただく機会があり、

それこそ20歳前後の私が、

遡って音楽を聴き漁っていた頃みたいに

ワクワク楽しい時間だった。

 

 

そんなVaundyが年末に新曲を出した。

遅ればせながら、まずは流し聴きを。

 

うわ。

 

実は去年の秋から、

近年稀にみる忙しさになっていて

そこに来て子供達2人のW受験、

一応、受験生のママっぽく

できることは少ないけど

なんとか合間をぬって毎日の塾の送り迎えやら

気遣いやら(笑)「っぽく」過ごしていたけど、

お休みがほぼない毎日に

圧倒的に音楽を聴きたい気持ちが激減していた。

 

第一子出産後の私と、同じ。

だから私の音楽史には

2006年から数年、

すっぽりと音楽が更新されていない。

 

番組を持っているときは

気持ちが乗る乗らない関係なく

聴かないと仕事にならない。

でもそんなルーティンが終わり、

生活と仕事を組み直した途端

音楽を欲する暇なく頭も心も忙しくなっていた。

 

でも。

ひっさびさに、「ワクッ」とした。

オタク魂に火がつく新曲。

 

「世界の秘密」

 

まず、音の波に漂う浮遊感と脱力感からの

サビからの音の広がり。

 

うわぁ・・・来た、

Vaundyだ

 

「ステップだけ」というサビのフレーズの

メロディと言葉の乗せ方。

うますぎる…計算がすごすぎる…

 

Vaundyさんは、

緩急、感動の出し方の焦らしがすごくうまいと思う。

ゆえに、心がぐるっと持っていかれる。

何を歌ってるか、歌詞を聴いていなくても。

 

あまりに「ワクっ」と久々にしたもんで

いつもの何百回リピート聴法(子供の頃から、深く知りたい曲は延々聴く派)で

色々考えながら洗い物のお供に聴いていたら

難しそうな顔で娘が

 

「これ、どういうこと?」

 

と、二番の歌詞について聞いて来た。

 

その時の私は、

まだ音の方に気を取られていて

歌詞の世界に入り込めていなかった。

 

ん?

 

 

 

今日どっかで悪者が死んだらしい

でもたくさんの命が救われたらしい

正義と倫理と命を天秤にかけて量った声明で

 

実は僕らが悪者だったかもしれないなんて考えると

彼の気持ちがわかるかもしれない

(世界の秘密/Vaundyより)

 

どうやらこのフレーズに

娘は説明を求めて来た。

 

そこから、なかなか真面目な

社会、いや「生活」のお勉強タイム。

 

「解釈は人それぞれだから、正解はないんだけどね」

 

そう話しながら、

さて、どんな例えを出そうか。

 

考えながら、ますます私の脳内もぐるぐる。

 

「虐待事件が起きました

お母さんが誰にも助けを求められなくて

苦しくて衝動で子供を痛めつけてしまいました。

あるいは、子供のことを全然可愛いと思えなかったかもしれません。

 

世の中はそのお母さんを、

ひっどい母親だとか、母親の資格がないとか言います。

悪い人、だと。

そして誰もそのお母さんの本当の気持ちを見ようとはしなかったとします。

 

でも、実はそのお母さんも

幼い頃からお父さんやお母さんから

人として扱われていないような中、育っていました。

知識もなくて、

小さな子供だったそのお母さんは

誰に助けてって言っていいかもわからなく

ただただ耐えて、

なんで私だけこんな目に…って

クラスの幸せそうなお友達を見て

心の底から憎い、と思っていたりもしたかもしれません。

 

そして愛されたという実感もなく

大人になって、いつしかお母さんになっていたとします。

どこまでいっても、

自分は不幸だ、みんなみたいに愛されて育っていない、

そんな思いがすっぽり心のどこかに穴として残っていたとします。

自分は何をやってもうなくいかない、

どうせ、どうせ、と。

 

子供もいうことを聞かない、

子供まで私を邪魔するのか!

 

もう何も見えなくなっていたかもしれません、

気づいたら手をあげていました

 

 

どんな事情があれ、

手をあげたり、命を止めるようなことは

許されることではありません。

そこの擁護はしないけど、

どんなことも必ず見えていない反対側はある、

”もしも自分が悪者だったら、

彼の気持ちもわかるかもしれない”っていう言葉は

ママもすごくわかるなぁ」

 

しばらく娘は黙って考え込んでいました。

「生活」の授業というより

「倫理」の授業か。

 

一曲を通して、

私たちの活動で大事にしている

「1ミリのゆとりと1ミリのやさしさを」という

そんな話にまで。

 

こんな話を娘とするようになったのか。

 

 

その間も、

Vaundyの新曲「世界の秘密」が

部屋中何回もぐるぐる流れていました。

 

サビからの感動的な、

救いにも聞こえる展開。

 

1stアルバムの曲の並びも

最後はまるで、紙吹雪が降りてきそうな

ひらけた世界観。

 

そうしたかった、と

ご本人が話されていたのを覚えています。

 

 

デビューした時、20歳とかだったかな?

去年だったかな?デビュー

(記憶のずれ込みが著しい)

インタビューさせてもらったのは去年の今頃。

 

 

私の耳には

 

「僕は今日、7時に起きました。

起きて歯を磨いて、ご飯を食べました、

美味しかったです。

学校に行くと楽しいことがたくさんありました。

先生の顔がキラキラしていました。

給食は今日も美味しく、掃除の時間は一生懸命頑張りました。

帰りの途中に、すれ違った車はかっこよかったです。

好きなテレビ番組があるので、早く宿題を終わらせたいと思います。

明日も頑張ります」

 

みたいな、小学生の作文のように

イメージの余白がなかなか少ない

直接的な表現の音楽が圧倒的に増えているような

新しい世代の新しい音楽。

まぁ、それが大人になったということの一つでもあり、

経験値が増えると共感できない想いも20代の頃より、

そりゃ、増える。

好みの関係もあるかもしれないけど、

そんな時代に突入したにも関わらず、

こんなに若いVaundyからの発信に

音からも言葉の投げかけからも

頭も心も動かされたことは

本当に嬉しい。

 

あの時のディレクターさんの気持ちが

今となればわかる。

 

右脳だけでなく

きっちりと計算されている左脳も働く

彼の音楽は、

何十年分もの頭の中の音楽ライブラリが

自動的に引き出されて、

自動的にミックスされている感じで

大人もこんなに楽しめる。

 

Vaundyさんに聞きたかった2つのこと

 

・どんな音楽を聴いてきたのか

・どんなお子さんだったのか

 

牛乳パックやラップの芯や空き箱や

とにかく捨てないでって、

それを集めた部屋で

ひたすらものを作っていたという右脳の少年。

 

ヒット曲には必ず法則がある、と

研究して研究して試して試して

音作りから何から全部自分でして

歌もいっぱい練習した左脳の少年。

 

聞いた時、

やっぱりな〜と思ったのと、

私の子育てについても改めて考えることもあった。

 

 

ハイブリッドなVaundyさん。

だからか。

親子ほど離れていても

懐かしい要素で楽しませてもらって

昔からみんなが好きな”感じ”も裏切らずに入れ込む。

その上の、言葉の重み。投げかけ。

 

感動しました。

 

去年のライブ見たかったなぁ〜本当に。

 

音楽に気持ちがいかないくらいに

ありがたいことに忙しくしていた数ヶ月に

終止符を打ってくれたVaundyの新曲。

 

間奏の入り方が、ヤヴァイネ。

Vaundyの世界の秘密、もっとシリタイネ。

私も踊ろ。

 

 

 

 

LOVE∞絵海

 

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