突然ですが、私には、小五郎という、高校1年生の時からの大親友がいる。

 

彼女は、数学の大天才で、大学時代には数学理論を専攻するほどの、まさに“数学オタク”だった。私にとっては、今でも、「なんのこっちゃ!?」な分野でしかない。

年齢を重ねるごとに、彼女自身、衰えを感じてもいるらしいが、彼女の発言や助言は、いつでも数学の理論上にあり、適格そのもの。そして、私は、高校時代から、宿題やテストだけでなく、色々な場面で彼女のその数学的な適格アドバイス、というか、もはや、ミラクル発言(!)に大いに救われてきた。

 

さて、そんな数学の大天才である、小五郎伝説の幕開けとなる彼女の話は、私が一眼レフのカノンちゃんと出会う前に遡る。

 

私は、本当に、ふら~、と、目の前にあったカメラ専門店に入り、そして、徐に、「そうだ、京都へ行こう」並みの気軽さで、「そうだ、カメラをはじめよう」とカメラ屋に入った瞬間に決意した。

 

※ 全く関係ないが、私の長所は「思い切りの良さ」である。

 

「一眼レフを持つ勇気や度胸(のようなもの?)はないけど、コンパクトデジタルカメラよりも一歩先を行くようなカメラが欲しい」と、明らかに初心者そのものの私に対し、カメラ専門店の店員さんは、一眼レフとコンデジと、ミラーレスの説明を懇切丁寧に教えてくれた。「いやぁ~、最後は一眼レフですよ!」と決め台詞のように一眼レフを推してきたが、その頃の私には、どれも同じ“カメラ”であることには変わらない。要するに、あまり違いが分からなかったのだ。

 

「とりあえず、最新のお勧めはなんですか?」

 

と、結局は聞くことになり、私が選んだ初めてのカメラは、Canon製のミラーレスカメラ。

なぜ、ここまでCanon製にこだわるかといえば、父のコレクションをコソコソと拝借することを、その頃から企んでいたためである(笑)

 

そんなわけで、私のカメラ一代目である“フーガくん”と出会うことになりました。

 

その頃は、とりあえず、「そうだ、カメラをはじめよう」な気軽さで始めてしまったものだから、特に、撮りたいもの(被写体)があるわけもない。

 

撮りたい瞬間に、撮りたいものだけを撮っていました。

 

なんでもかんでも、その時に「ビビビビビビッ!」とくるものすべてがシャッターチャンス。

 

田園風景の中にある手作り風車、くもの巣、滝、山、空、自分・・・

 

今、あの頃の莫大な数の写真を見るたびに、腕前はともかく、とても純粋な写真が多い気がします。

 

なぜなら、フーガくんは相当な優れもの!

難しいことなんて、全く考えず、とりあえずシャッターを押せば、目にした瞬間そのものを切り取れてしまえるんです。

 

もちろん、何かを被写体としてファインダーレンズを覗くときには、カメラマン気取り(笑)

 

(フーガくんを手に入れるとき、「カメラはレンズが命」という父の受け売りを思い出し、ファインダーレンズを別途注文していました。これは、間違いなく言えることですが、どんなカメラであっても、ファインダーがあるとないとでは大違い!)

 

恐れ多くも、憧れの“ロバートキャパ”になったつもりでファインダーを覗き、中井精也先生気分で風景写真をたしなみ、猫の写真を撮るときは、岩合光昭さんの気持ちでもありました。

 

※岩合光昭先生ほか、関係者及びファンの方々に謝罪申し上げます。

 野良ちゃん(だけでなく、)あんなにも懐いてくれる猫ちゃんは、岩合先生ほか、関係者の皆様の甚大な努力の賜物です。

 

さて、そんな風に、カメラの沼に浸りきっていた私が、何気なく小五郎と話をしていた時のことです。

 

「カメラって面白いんだよ!前ばっかり見ていちゃだめで、ふっと後ろを振り返ると、後ろの風景の方がよかったりするんだよね。」

 

何気なくそう発言した私に小五郎から返ってきたのは、まさに“天地がひっくり返る”ミラクルな発言でした。

 

「かえるちゃん、前や後ろだけじゃないんだよ。上も下もない。360度回転だよ!カメラには重力なんて関係ないんだから!なんなら、時間軸も存在しない。」

 

私、かえるは、偉大なる数学の大天才・小五郎のこの言葉に総毛立ち、そして、一度脱皮しました。

 

今後も、私の大親友で、生涯の友である彼女が、私にどんなミラクル発言をしてくれるのか、楽しみで仕方ありません。

 

#写真 #無重力カメラ #小五郎伝説

Title「無重力カメラ」