レディー・ガガの音楽は別に全然好きではないけれど、彼女は世間で言われているほどの変わり者ではまったくなくて、極めて常識的な感覚を兼ね備えたプロフェッショナルなエンターテイナーだとは思う。
メディアに対しての振る舞いなどを見ていても、沢尻エ●カや田代ま●しののトンデモ記者会見の方がよっぽどイカれてるし、写真のように見た目が玉ねぎみたいなクレイジーな格好をしていても、マリリン・マンソンのように自分の頭を普段よりおかしく見せる危なげな印象は受けない。
勝手な想像だけれど、むしろ素の彼女は、きっとものすごく「普通」の人なんじゃないかとも思う。
ただ、人よりも知らない誰かをびっくりさせたり笑わせたりするのが好きで、そのためならちょっとくらい自分の姿を変な眼で見られても平気で楽しめるだけの度胸があるのだろう。
そういうことも全部ひっくるめて彼女のパフォーマンスを高く評価する人たちは、そのあたりのパブリックイメージと個性の魅せ方のコントロールが極めて上手な人という意味で「ガガはすごい」と言っているような気がする。
彼女の人気の高さは、「個性的であることと非常識的であることはちがうんだよ」という、極めてモラリスティックなメッセージを彼女が発信していることを、きっとたくさんの人が気づいているということだ。
その意味でガガにどっぷりハマっている娘さんを持つお母さん方、自分の子どもの行く末をとても心配しているかもしれませんが、たぶん大丈夫です。
かつても原宿カルチャーにあこがれて全身ヴィヴィアン・ウエストウッドでコーデして金髪とピアスだらけの耳で登校する女子高生が田舎にはたくさんいました。
そんな彼女たちも大人になって、今では立派にＯＬになってコピーをとったりお客にお茶をふるまったりしています。
もっともぼくは、そんなふうに周りに合わせて自分を変えられる人よりも、自分を変えられずに昔と同じものを着て、同じ音楽を聴き、変わらないスタイルをつらぬいている人が好きなのですが。