先日は8年間も在籍した日本福祉大学の学位授与式でした
福祉の世界に興味を持ち始めたのは、まだアナウンサー駆け出しの頃、
担当していた地域情報番組の特集の中で、知的障害者を支援する取り組みや、
それをサポートしている地域の方々を見て、今までは街で見かけても、
怖いとか関わりたくないと思っていたことが、自分の無知から来ていること、
何か具体的に支援は出来なくても、きちんと学ぶことによって、
相手を理解し温かく見守ることが出来れば、世の中は変わるのではないかと感じ、
通信制の福祉系大学を探し入学しました
同じ時期に、末期がんで父を亡くし、最善の病院で最期を迎えられましたが、
病院の選択によって理不尽な結果を迎えたかもしれない出来事もあり、
より『知らない』ということの恐ろしさを実感していたのかもしれません。
勉強は短期集中型の私には、4年制大学のカリキュラムは膨大で、
単位を取ることだけに集中して必死になってしまったり、
あまり理解しないまま試験をパスするだけで終わった科目もありました
でも重複して出てくる、児童虐待や介護問題、障害者の社会参加を含め、
社会みんなで支えなきゃいけない人が、世の中にはとても多くいること。
国には色んな支援制度があるのに知らずに助けを求められない人と多いこと。
罪を犯した人の更生の大切さや、男女や親子間のDVや色んな依存症など、
日頃ニュースで他人事のように見ていた人たちの実状や苦しい思いを、
時には生々しい内容や体験を聞きながら学びました
普段忙しく生活をしていると、自分のことで精一杯で、
自分に関係ないことには目を抜けず関わらないということが多いですが、
支援を必要としている少数派に、自分の家族や大切な人がなった時に、
社会に対し初めて怒りを抱いて遅いのでないかと感じたりもしました。
学位授与式で、卒業生代表の少年が、大学に入ったきっかけを、
自分の弟が知的障害者で、これからの福祉はどうなっているのか
これからの社会はどうなるのか知りたかったと言っていましたが、
日本福祉大学には、普通の学校と比べ、家族に障害がある人がいたり、
自分自身に障害があり、日本の福祉に対して疑問を抱いている人も多くいました。
でも福祉を学ぶ人たち同士、みんなの輪の中に普通に障害者がいる、
わざとらしくもなく、少しずつ手を差し伸べたら同じことを楽しめる、
そんな空気感がとっても心地よかったのも覚えています
障害に目を向けず、その人のパーソナリティを見ることの大切さも感じました。
私自身、色々あった8年間お金を払っているのに一度も試験を受けなかったり、
履修すらせず終わってしまった年もあり、ここまでかかってしまい、
周りの人からは、『卒業して何になるの?意味あるの?まだやってるの?』
と言われて挫けそうになり、投げ出そうとしたことも何度もありました。
ただこの日、卒業生代表の子のスピーチを聞き、素直に涙が溢れたこと、
人の痛みや苦悩に対して、自分のことのように感情が揺れ動くこと、
理不尽な世の中や、理想と現実のギャップに怒りを感じること、
こういう思いを感じる人間になれたことが、とても大きな経験でした
福祉の仕事につく予定はありませんが、自分の生活に余裕が出来た時、
また勉強し直しながら、学んだことを活かせるボランティアなど
何かしらの形で関わりを持っていけたらと思います