【音楽朗読劇「黑世界 -日和の章-」】

場所:クールジャパンパーク大阪、WWホール

 

 

 

道順が分かっている分、2日目は、

1日目よりかなりゆっくりと家を出ました。

 

到着したのは、開場して10分ちょっとというタイミング。

開演から開演までは、1時間あるので、

この時点でも、充分余裕はあります。

 

 

コロナ禍の影響で、会場内でガイドブック等の販売などはなく、

前日に続いて1人ヲタだったのもあって、

座席では、結構暇を持て余していました(^_^;

 

 

グッズに関しては、運営?のサイトから購入出来るようですが、

個人的には、こういったものは時間潰しも兼ねた、

「その日の思い出」としての衝動買いという面が強いです。

 

なかなか、後からわざわざサイトを開いてまで、

買おうとは思わないのが、正直なところでしょうか(汗

 

 

この日観た「日和の章」も、前日の「雨下の章」同様、

全6章の短編を組み合わせた形式で、予定では2時間10分。

実際には、前日も当日も、時間は10~15分程長くなっていましたが、

舞台としては、そう珍しいことではない筈。

 

 

 

前日のところにも書いてますが、僕は「リリウムの後日談」、

鞘師里保さんが当時と同じ役で主演」、

「2つの章がある」という点以外は、

事前には情報を入れずに、2日とも観劇しました。

 

これは今回に限らずで、例えばライブに行く場合も、

そのツアーのセットリストなどは、極力目に触れないようにして、

「予習」なしで行くようにしています。

極力、「何も知らない」状態で、参加したい身なのです。

 

 

ちょっと脱線しましたが、上記の状態で見たので、

2日間とも、基本的に色々な内容は、

観劇している途中で、初めて知るという感じでした。

 

2つの章の時事系列を見ると、「日下の章」のほうが、

明確に「雨下の章」の後だったようですね。

 

 

今回の「黑世界」は、鞘師さん演じるリリーと、

そのリリーが脳内に生み出した「幻覚」である、

チェリーという名のキャラクターを中心に、物語が進んでいきます。

 

幻覚の名前が、何故「チェリー」なのかというと、

「リリウム」で石田亜佑美さんが演じたチェリーと、

口癖が同じという理由で、命名されたから。

あのチェリーの幻覚、というわけではありません。

 

命名の場面は、「雨下の章」の序盤にあったのですが、

「日和の章」では、リリーは最初から「チェリー」と呼び掛けており、

特に経緯の説明はありませんでした。

 

 

他には、時事系列が分かる要素はなく、

先に見たのが「日和の章」だったとしても、

殆ど影響がないとは思う。

 

ただ「リリウム」を見た人間が、いきなりチェリーと言われたら、

やっぱり、あのチェリーそのものの幻覚だと、

勘違いしてしまっていただろうなあと思います。

 

 

また「雨下の章」では、リリー以外の「リリウム」のキャラクターは、

名前は出ても、実際に登場することはなかったのですが、

「日和の章」では、幻覚というかたちではあるものの、

他にも2人が登場していました。

 

それが、「リリウム」だと福田花音さんと譜久村聖さんが演じていた、

監督生の紫蘭と竜胆。

勿論今回は別キャストですが、こちらはチェリーと違い、

設定上では「リリウム」と同一人物。

 

 

 

これも、先に「日和の章」を見ていたら、

チェリーもそうなのかと、勘違いしていたと思われる要素。

たまたまでしたが、時事系列通りに見れて、

尚良かったなあと思ったのでした。

 

 

それはそれとして、キャストが別でも、

「リリウム」のキャラクターが登場したのは、

ファンとして、単純に嬉しかったです。

登場する場面は1回だけでなく、4回くらいありました。

 

このうち紫蘭に関しては、今回のキャストの方が、

口調や声を、何となく福田さんに寄せているような気がしましたが、

竜胆のほうも、同じような口調だったので、

ただの勘違いかもしれません(^_^;

 


ちなみに、今回「幻覚」のチェリーを演じていた、

新良エツ子さんという方が、

ハロプロの歌唱指導もしているというのは、

僕は、観劇の時点では全く知りませんでした(汗

 

 

基本的に、新良さんについては、

「ハロプロファンなら知っている筈」という範囲なのでしょうか。

メンバーなどは、ある程度以降なら分かるようになった今でも、

周辺のことになると、知らないことが多数あると再認識しましたね。

 

 

内容そのものに関しては、この日も凄く良くて、

高いチケット代でも、充分元が取れたという感想。

ただ、どちらかというとですけど、

僕は前日の「雨下の章」のほうが、より好きかなあと思いました。

 

2つとも計6章でしたが、細かく見ると、

それぞれで一番好きだったのは、

「雨下の章」だと第5章、「日和の章」だと第2章だった。

 

 

前者は、ある雨の日、リリーは馬車に拾ってもらう。

その馬車は、ある婦人のもので、車内には使用人の他、

当日クランに入所するという息子が乗っていて、

何気ないやり取りをした後、馬車を降りた。

 

しかし数年後の雨の日、やはりリリーが拾ってもらった馬車には、

同じ婦人や使用人、そして既にクランにいる筈の息子。

婦人からは数年前と全く同じように、

「これから息子が入所する」と説明され…という感じ。

 

 

後者は、旅をしていたリリーは、ある人間の街の教会で、

一時的に、神父の世話になることになる。

そこには、1人の少年も一緒に住んでいた。

 

その少年は、どうやらリリーと同じくヴァンプ(吸血鬼)らしいが、

互いに詮索はしなかった。

実は少年には、ある暗い過去があり…という感じです。

 

もう全公演が終わっているので、結末を含めて、

細かい内容を書いても、問題はなさそうですけど、

上手く伝えられる自信が無いので、この場では控えておきます。

 

 

この「黑世界」全体をみると、単純な感想とは別に、

「リリウム」以後のリリーに、葛藤や新たな悲劇はありつつも、

心の温まる出会いをしたり、強く生きる面が描かれたのが、

良かったなあと思ったりもしました。

 

今更も今更でしょうが、「リリウム」のラストシーンは、

あまりにも救いようがないものだったので、

明るいとまではいかないけど、そのままではないと分かって、

ちょっと気が晴れた感覚でした。

 

 

 

また、「リリウム」は2014年の作品ですが、

鞘師さんの容姿が、6年前とあまり変わっていないのが、

今回の作品に、違和感なく入れた要因だなあとも。

 

 

勿論、ちゃんと見比べれば、それなりの変化はあるのだけど、

例えば同じく「リリウム」の主要キャストだった、

工藤遥さんや和田彩花さんと比べると、

殆どギャップが無いと言って良い範囲の筈。

 

 

 

 

一応言っておくと、

鞘師さんの中身が成長していないという意味でもないし、

工藤さん達が、大人の容姿になったことが、

悪いという意味でも、当然ありません。

 

ただ、「不老不死の少女」を演じる意味では、

鞘師さんの見た目が、そんなに変わらないままなのは、

凄く良い面に作用したなあという感想ですね。

 

 

 

あとは、変なところになるかもしれないけど、

リリーが(一旦)殺されたり、そこから生き返ってくる際の、

鞘師さんの、倒れたり起き上がる動作が、

凄く上手いなあと感じたりもした。

 

特に後者に関しては、いかにも「不老不死」という、

異質な感じが、凄く出ていたと思います。

 

 

他に、この日観た「日和の章」の終盤には、

「リリウム」で最後に歌われた『少女純潔』を、

男性キャストが、リリーに捧げるという意味で、歌う場面が登場。

これも、ファン的には「おお!」となる要素だった。

 

更に欲を言えば、サビのちょっとだけでも、

鞘師さんも一緒に歌う場面があったら、なんて思いましたが、

これはきっと、ヲタヲタしい意見ですね(^_^;

 

 

こんな状況下での上演でしたが、

改めて、観に行けて本当に良かった作品。

再スタートを切った鞘師さんの、

これからの活動にも注目したいと思います。