せつない広告屋


昨日ははダチの命日だったのさ。


もう昔の話、高校生の頃。
中ボウから地元も一緒で。
もう何をするにも一緒だったんだよ。


面白おかしく、毎日が輝いてた。
恐いものなんか何にもなくて、バカやってたのさ。



一緒に柔道場通ったり、
ギター始めたりもして。



バイクの免許も一緒に教習所いって、
春には2人で気持ちよく走ってた。



先輩からボロボロの単車譲ってもらって。


アイツはKAWASAKIで僕はHONDA。


ちっとも走らなかったけど、
楽しかったよ。



もう全てを手に入れたみたいに。


そんなカンジでセイシュンしてたんだけど、




17歳になったある日の真夜中、
アイツは闇のハイウェイに消えちまった。
突然だったよ。

何も言わないでさ。



単独で電柱と正面衝突。



ルート20、調布のある交差点で。
まるで永ちゃんの歌みたいだった。
I say goodbye,so goodbye.



僕はもう泣きまくった。


なんでだよぉ、ばかやろーっ!て。
ヤツの彼女とさ。


アイツのお母さんに
めちゃ罵倒されて、お葬式で。



今でも忘れられないよ。
夢に出てくる。
ホントに辛い想い出。



で昨日は半休とって、
お花をたくさん買って、
アイツの事故った場所に行ったんだよ。



毎年大切にしてることさ。



今日みたいな
泣き出しそうな空だったな、
あの日も。



そんなことを想いながら
車でルート20を、
年に一度
この日だけのBGMを流して。


アイツが好きだった松田聖子さ。


もう当時のカセットなんて聞けないから、
5年前にベストCDを買いなおしたよ。



その交差点の
ファミレスにクルマを突っ込んで、


あの事故現場に腰掛けてみる。


いつものことだけど、
誰か先に来てるみたいで、
もうお花が3束くらい置いてあるよ。


アイツの彼女か家族の方か知らないけど、
たぶんもう、会うこともないはず。


ヤツが好きだった
セブンスターに火をつけて、
眼を閉じて語りかけたよ。



ゴメンなぁ、

オマエだけ独りにしちまって。

あの世で寂しくないかな?


僕は、ずっとオマエのこと忘れてないからさ、

何にも変わってないから、

あっちでも楽しくいてくれよ。



その時
閉じた眼の奥に、
あの時の
くわえタバコの笑顔が甦ってきたのさ。


そうさ、
僕も笑顔でいないとね。



帰り道、
カーステから突然
「渚のバルコニー」が流れてきてさ、


ちょっとグッときちゃった。


音楽ってなんで一瞬にして、
あの頃に戻れちゃうんだろう。


やめていたタバコを、一本だけ。


もう少しあの日に戻りたくて。


フロントウィンドウが
にじんでいるのは、
きっとタバコの煙のせいだよ。


きっとね....。