今から二年半ほど前の作品。ツバメという単語を一切出さずにツバメだとわかるように書いた。少し不思議な感じにしてみた。
僕の家の軒下で
小さな命が育まれる
長い孤独な冬が過ぎ
海山越えて
やって来た藍黒色の影
なにも知らない
夜空に輝く星々から
刹那の光が降り注ぎ
斑模様の卵の中に
真紅の血が流れゆく
藍黒色の大きな影が
小さな影を優しく包む
まだ見ぬ世界に夢を馳せ
小さな影はそのときを
まだかまだかと待ちわびる
あたたかな陽光がきらめいて
小さな影が囁きだし
縁側では子猫が喉を鳴らす
ぽかぽかと心が躍る
とても陽気な春の頃