先日、購入予定もないのにマンションの説明会に出かけたら、はじめのプレゼンテーションで Stacey Kent の歌声が流れていた。曲は "If I were a bell" で、至極ポピュラーな曲だったのに、わたしは彼女がその曲を歌う作品をもっていなかった。帰ってから曲名で作品をさがして直ちに購入にいたった。
今回はBob JamesのRestlessを記事にしようと思う。
Bob Jamesは、”Bob James - URBAN FLAMINGO
”の記事でも触れたように、スムースジャズ系のアーティストの中でわたしの最も好きなアーティストの一人だ。そもそも拙ブログを始めたときは、この作品を是非とも取り上げたいと考えていたのに、もう随分記事にすることができずにいた。
7曲目 Back to Baliは不思議な曲だが嫌いではない。8曲目のInto the Lightは、ビッグバンドを思わせるシンセサイザーの効果音で始まる。おそらくこのへんのシンセはBreckerがウインドシンセを吹いているのかもしれない。Harvey Masonのドラムス、Ron Carterのアコースティックベースの音色が素晴しい。
最後の10曲目 Awaken us to the blueではNathan Eastのベースが登場する。ドラムスはSteve Ferroneがクレジットされている。
ドラムスとしてアーティスト名がクレジットされているのは、実は7曲目のHarvey Masonと、ここでのSteve Ferroneだけである。つまり他はプログラミングによる打込みなのだろう。しかし打込みを打込みと感じさせるのは1曲目だけで、それ以外の曲では自然に曲の中にリズムとして溶け込んでいる。
この作品は Ramsey Lewis ひきいる Urban Knights の第1作で、作品全体を通して Grover Washington Jr がフィーチャーされている。リリースされたのは1995年で、わたしは CD ショップで試聴して買ったのではなかったかと思うが、よく覚えていない。
その4曲目Hearts of Longing はスローなテンポで Grover Washington Jr の美しいソプラノサックスが堪能できる。5曲目Friendship はそれとは対照的にカラッと明るいリズミックな曲で、ここまで脳天気だと普通わたしは引いてしまうのだけれど、不思議とこの曲造りでは聴入ってしまう。7曲目のThe Rose や 9曲目のForever More も美しい曲だ。
この作品ではDrumsにOmar Hakim, Bass に Victor Bailey が参加している。ご存じ晩年の Weather Report を支えたリズムセクションだ。Omar Hakimは4曲目のHearts of Longing を提供している。彼らの貢献度も十分高いのだが、やはりこの作品の質の高さは Grover Washington Jr に負うところが大きい。
最近よく聴いているのは David Sanborn の Pearls。リリースされた1995年に購入した。その当時から好きで、毎年この頃になると必ず聴いている。オヤジになって、ここ数年カゲキな曲を聴かなくなったが、この作品はストリングバックのバラード演奏だから全く影響なく聴くことができる。逆にそのために、この作品を聴かないという輩も多いことも容易に想像できる。
この作品の聴き所は、2、3、5、6曲目だ。2曲目のTry A Little Tenderness と、3曲目の Smoke Gets In Your Eyes では、Kenny Barron
のピアノを聴くことができるし、その他の曲でも Don Grolnick
が演奏している。
わたしにとってこの作品のハイライトは、5曲目の For All We Know だ。この曲では Jimmy Scott
がボーカルを披露している。思えば、この作品の印象的な歌声によって、わたしは Jimmy Scott という人を知ることができたのだ。
さらに 6曲目の Come Rain Or Come Shine では、ストリングを従えたビッグバンドのアレンジを聴くことができる。ここでのビッグバンドは、サンボーンのソロの後ろでモノ凄い"もたり"を見せる。