2018年10月
最後の晩餐で何が食べたいか?というのは、よく話題にのぼることだけど、私は断然、上海蟹!
だけど、これって時期を選ぶんだよね…。
秋・冬じゃないと食べられないから、春・夏には死ねない(笑)。
それを考えると、西行ってすごいよね。自分が願った時期にピンポイントできちんと死ねたんだから。
食べ物の恨みは怖いというけれど、我が家では、食べたかった人だけじゃなくて、食べさせたかった人の恨みもあって、それが長く尾をひく根深い面倒な問題なの。
祖父は私が2−3歳のころ、胃がんで亡くなった。最後はほどんどなにも食べられない状態だったのだけど、亡くなる何日か前に鱧が食べたいと言い出した。季節は晩秋、しかも東京。ママは叔父(ママの弟)に鱧を買いに市場に行かせた。40年以上前の東京で季節外れの鱧なんて入手できなかったと思う。もし、入手できたとしても、誰が骨切りするんだ? 我が家には鱧の骨切りができる人間はいない。だから、祖父が希望した最後の晩餐は難易度がめちゃくちゃ高い(というか不可能な)注文だった。健康なうちに夏の京都(か大阪)に行って食べておかなければならない課題であって、死ぬ直前、11月の東京の病室で「鱧」が食べたいというのは、かなり間違ったチョイスだ。なのに、鱧を入手できなかったことで、ママは未だに叔父を責める。で、命日のたびに蒸し返されて険悪になる。もちろん私はまったく記憶はないけど、毎年蒸し返される話題なので、私もまるで見てたように知ってるの。
私は大人になってから初めて鱧を食べた(東京で)。一生兄弟ゲンカが繰り返されなければならないほど鱧がおいしいとは思えなかった。本場じゃないからかもしれないし、ただ単に私がそんなに魚好きじゃないからかもしれないけど。
というような経緯があり、私は死ぬ時期を間違えずに食べたいものをきちんと食べてから死ぬことはとても大事だと肝に銘じている。残された家族がいがみ合わないために。
で、上海蟹。
私が死ぬ前に食べたいもの。
そして、お誕生日に必ず食べるもの。
だから、私は秋・冬にしか死ねないのだ(冷凍したかにみそ入り小籠包とかはナシね)。
前置きが長くなった。
年に1度(か2度)のお楽しみ、上海蟹!
私、上海蟹は剥いて身だけを出してくれるお店じゃないとイヤなんだけど、世の中、剥いてくれないお店も多い(というのを大人になって知った)。
上海蟹は、子供のころからずっと中国飯店だったのだけど、大人になってマサズキッチンを知ってから、生姜湯は出なくても、オープンキッチンで活気があって、食材の組み合わせや使い方調理法が今までの中華と違う(いわゆるヌーベルシノワ)が好きになったので、なるべく、お誕生日とクリスマスにはマサズキッチンで上海蟹を食べることにしてるの。お誕生日にはメス、クリスマスにはオス。あと、私は好き嫌いが多いのだけど、こちらで克服した食材も多い。マサズキッチンで上海蟹を食べるために、1年間一生懸命働いてるといっても過言ではない(笑)。
というわけで、10月だから上海蟹を食べないと!
お友達が上海蟹の紹興酒漬が苦手とのことで、今年は「上海蟹の姿蒸し付コース」。
紹興酒漬がない代わりに単品で追加して、姿蒸しをオス・メス両方食べ比べした♡
○前菜盛り合わせ
下から時計回りに
・かぼちゃのスープ
・牛スジの煮こごり
・鶏ささみのコーンフレーク揚げ
・カブの四川風
・さんまの南蛮漬け
・自家製チャーシュー
・ピータン豆腐(中央)
私、ピータンが苦手なので、子供のころからピータン豆腐を食べてこなかったのだけど、マサズキッチンで克服したの。
ここのは、ママが作るのや他のお店のピータン豆腐とは違い、ピータンの黄身が裏ごしされてソースになってるので、全然、平気! というか、むしろ、うまい!!
○鶏肉と大根のスープ
味のしみた大根ってかなり苦手。冬瓜だったらいいのになぁと思ったけど、スープがすっごくおいしいからそのスープをたっぷり吸った大根もおいしかった!
○松茸の春巻
私にとっての秋の味覚は、松茸じゃなくて上海蟹。なので、秋だから松茸を食べなきゃ!っていう欲求は全然ないので、毎年、こちらで春巻を食べるのがたぶん松茸を食べる唯一の機会かも。
熱々の春巻をかぶりつくと、ふっはぁと松茸の香りが口いっぱいに広がって鼻から抜けるので、ああ、松茸食べてるんだなって感じる。
○フカヒレの姿煮
恵比寿には筑紫楼もあるけれど、私はこちらのスープの味の方が好き。
スッポンは苦手で食べないので(人生で3回くらいしか食べたことない)、フカヒレを食べると、コラーゲン補充完了!!!って思う。
○上海蟹姿蒸し(1匹はコース外)
上段:オス
下段:メス
上海蟹は、お誕生日とクリスマスに食べに行くことが多いのだけど、お誕生日はなにがなんでも上海蟹! でも、クリスマスには食べない年もあるから、個人的にはメスを食べることの方が多い。
今回は、紹興酒漬けがないので、お友達が追加しようって提案してくれて、姿蒸し、オス・メスを食べ比べ。
一般的にはオスが好きだっていう人の方が多いような気もするけど、私は時期的にメスを食べることが多く、子供のころは蟹みそが苦手だったこともあり、メスが好きなの。大人になって蟹みそを克服したので、今はオスもメスも両方好き♡ 食べ比べできてうれしい!
が、鈍感な私の舌、味噌と卵がなければ、身だけではどっちがどっちだかわからない(泣)。
もっとグルメにならないと!
ちなみに蟹みそといえば、小説の『かにみそ 』(倉狩聡)はめちゃ面白かった、大好き。オススメです。
○黒酢の酢豚
実は、酢豚、苦手。
(↑エビチリとか酢豚とか麻婆豆腐とか、中華の王道みたいなお料理は子供のころから大嫌いなの。子供のころの好きな中華料理は中国飯店の里芋の葱油炒め(笑))
でもね、こちらの酢豚はお肉がカリカリに揚がってて、おいしかったです(いつもは姿蒸し+紹興酒漬けのコースを頼んでいたんだけど、本日のお料理、酢豚じゃなかった気が…。前もって酢豚だと知ってたら、別のお料理に替えてもらってたと思う。)
○アワビとキャビアの冷製麺(コース外)
どのコースでも締めの麺は担々麺なんだけど、担々麺は苦手なので、これは、前もってお友達に話して、予約時にアワビとキャビアの冷製麺に替えてもらった。
ちなみにキャビアも苦手だったのだけど、この麵で克服。
細めの中華麺にアワビの煮汁の柔らかな旨味にキャビアのしょっぱさがたまらなくうまいのだ!
コースには入ってないけれど、これ、絶対頼むべき。
私は上海蟹の時期にしかマサズキッチンに行かないので、秋・冬しか食べないのだけど、これ、真夏に食べたい!
○お酒
・グラスシャンパン(ブルーノ・パイヤール)
・白(サンジャコモ・ヴィンヤード)
・赤(リバーサイド・GMS)
私、お酒、弱いので、普段はあまり飲まないのだけど、今日はあまり酔わなかったし、頼んだのがどれもこれもおいしくてちょっと多めに。
お酒で一番好きなのはシャンパン。でね、このシャンパンがすごーくおいしかったの♡
グラスシャンパンとしか書いてなかったので、お友達が2杯目を頼むとき、名前を聞いていろいろ説明してもらったら、実はとってもお手頃だったの。お好みだったらボトルでいかがですかと勧められたし、結局2人で5杯飲んだので、ボトルで頼めばよかったかも。でも、お酒が大好きで酒豪なお友達は、ボトルで頼んじゃうとそれしか飲まくなっちゃうから嫌だということで、飲みたいときに飲みたいお酒を1杯ずつ頼もうってことになった。お友達が最後のキャビア麵に合わせて頼んだときにちょうど新しい瓶開けたての1杯で、それは本当に本当にすごくおいしかった!
上海蟹に合わせた白は、サンジャコモ・ヴィンヤード。日本人が作ってて、日本酒を意識した味なんだって。という説明を受けたけど、私、ワインはまったくわからないので、ただただおいしかったということで。
酢豚に合わせた赤は、リバーサイド・GMS。これもとってもおいしかった。
私、お酒は全然わからないので、お友達がお店の人と相談しながら決めたんだけど、今回は、全部、当たり。どれもこれもおいしくてお料理とぴったり合って、こういうささやかなうれしいこともお誕生日プレゼントの一種?
○デザート3種盛り合わせ
上から時計回りで
・杏仁豆腐
・アセロラのシャーベット
・コーヒーのブランマンジェ
私、杏仁豆腐が苦手なんだけど、マサズキッチンで克服。っていうか、ほかのお店の薬くさい杏仁豆腐は食べれないのだけど、こちらの杏仁は大丈夫。っていうかとってもおいしいの♡ 今年は説明されなかったけど、毎年、天然の杏仁ですって説明される。だからなのか、すごくやさしい味で薬くさくなくて、とってもおいしいの。
いくらおいしい中華でも、それなりに油っぽいというかずっしりくるので、アセロラでさっぱり!
コーヒーのブランマンジェなのに、真っ白。ちょっと前に流行った「色はないけど、味はする」例のやつね。あれ、混乱しちゃうから苦手で飲まないのだけど、これはとってもおいしかった。でも、真っ白ならアーモンド(またはミルク)の味だし、コーヒー味なら薄い茶色でいてほしい。ただ単に私が融通のきかない保守的な古い人間だから楽しめないだけなんだけど。でも、コーヒー味じゃないと杏仁豆腐と味がちょっとカブる可能性もあるから、やっぱりコーヒー味がいいけど。
○自家製XO醤(と食後のお茶)
自家製のXO醤は安定のおいしさ!これ、瓶でほしい!!!
おまけ
おいしいシャンパンでご機嫌な私とバースデープレート(あっ、お皿の位置が変だった)。
というわけで、最後の晩餐的上海蟹、おいしゅうございました♡


























