真理の研究 -3ページ目

お知らせ

この度、電子書籍を2冊出版しました。

 

これで、計7冊出版したというわけです。

 

そこで、今週の金曜日から日曜日にかけて、無料購読キャンペーンを実施することになりました。

 

無料購読の正確な日時は、下記となります。

 

★無料購読期間

7月29日(金)16:00~8月1日(月)15:59

 

購読されましたら、評価及びレビューを頂けると幸いです。

 

以下に、リンクを貼っておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖書の解説「神の義」(動画)

本日、YouTubeに動画を投稿しました。

 

ローマ書1-17についてです。

 

パウロが述べているように、信仰には発展段階があります。

(そして、この発展段階を説明したのが、1章~8章の内容です)

 

この発展段階のパウロ的体験を、簡潔にまとめました。

 

よろしければ、どうぞ。

 

 

 

「すべては、この時のために」三大哲学者の転生

(「新しい倫理」を説いたディートリヒ・ボンヘッファー)

 

 

 

「いつの日か,疑いなく広い公道へと広がるであろう小道」(カント)

 

 

 

①  古代ギリシャの3賢人

 

 学問発祥の地・古代ギリシャ(アテナイ)には,ソクラテス・プラトン・アリストテレスを代表とする多くの素晴らしい哲学者たちがいた。

 

その中で,彼ら3名は特筆すべき哲学を説いたと思う。

 

ソクラテス以前の大哲学者として有名なパルメニデスとエンペドクレス,ソクラテスの忠実な弟子だったディオゲネスである。

 

パルメニデスは,伝統的な神々を超えた「存在そのもの」を探求した。

 

プラトンに絶大な影響を与えた一元論的哲学である。

 

一方で,エンペドクレスは,パルメニデスの一元論を批判しつつ,「すべての現象は地・水・火・風の離合集散である」とする多元論を説いた。

 

また,「アテナイの良心」であるソクラテスが死んで,弟子と自称するプラトンが抽象的観念論に堕する中,師匠ソクラテスの倫理的態度を受け継いだのは,アテナイの預言者ディオゲネスだった。

 

 

 

②  転生と学び

 

 古代ギリシャに生まれた哲人たちは,より深く学び,より人類に貢献するため,それぞれ異なる文化世界に転生した。

 

パルメニデスは,中世ヨーロッパにアンセルムスとして生まれ,キリスト教を深く深く学び,スコラ哲学の先駆者となった。

 

エンペドクレスは,中央アジアにイブン・スィーナーとして生まれ,イスラム教を究め尽くし,イスラム哲学の黄金時代を築いた。

 

ディオゲネスは,中国は唐の時代に臨済として生まれ,仏教の道を突き進み,禅の体得者となった。

 

 アテナイの三大哲学者は,それぞれ世界宗教を魂の根底に刻み込み,自己の思想を飛躍的に深めたといえる。

 

 

 

③  今世の使命

 

 アテナイの三大哲学者は,再びこの世に受肉した。

 

今度は,カント・ヘーゲル以来の観念論哲学を突破し,「人格」に基づいた哲学,すなわち実存主義を構築すべく,近現代に生まれ変わったのである。

 

 ディオゲネスは,19世紀デンマークにキルケゴールとして生まれ,神と共に(●●●●)生きること,「キリストとの同時性」を説いた。

 

エンペドクレスは,ヤスパースとして世界大戦の悲劇を生き抜き,神の前で(●●●●)生きること,あらゆる宗教を超越した「包括者としての神」を説いた。

 

パルメニデスは,ヤスパースの好敵手ハイデガーとして生まれ,神という作業仮説なしの哲学,神なしで(●●●●)生きる方法論的無神論を説いた。

 

彼ら三賢人は,これからの時代の生き方,新しい倫理のあり方の一面を説いた。

 

一面であって,全てではなかった。

 

新しい倫理のあり方をはっきりと呈示したのは,ナチスに処刑された「炎の牧師」ディートリヒ・ボンヘッファーである。

 

 

「神の前で,神と共に,神なしで生きる」(ボンヘッファー)

 

 

 新しい倫理は,すべての宗教を超越する神の前で生き(ヤスパース),神として受肉したキリストと共に生き(キルケゴール),あたかも世界に神がいないかのように責任をもって生きねばならない(ハイデガー)。

 

これは,神と世界の狭間(はざま)で生きることを意味する。

 

来るべき人々は,世界を忘れて神のために生きない。

 

それは,この世から逃避する宗教信者の道である。

 

来るべき人々は,神を忘れて世界のために生きない。

 

それは,この世に没入する俗人の道である。

 

 来るべき人々は,神の代わりに世界を救う者として,世界の代わりに神に祈る者として,「神という縦木」と「世界という横木」の十字架を生きる。

 

来るべき人々は,神なき世界にあって,「God is.(神がいる!)」ことの証人である。

 

来るべき人々は,大なり小なり神の代弁者として,「鉄の柱(●●●)青銅の城壁(●●●●●)」である。

 

 

「侵されず,惑わされず,揺るがない人間の存在には,何かしら人を魅するものがある」(ハンナ・アーレント)