ワインディングロードのブログ

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《悲しみに暮れたる今日よさらば 今 目を閉じて遠く町の音を聞いていた 時の流れに身を委ねて♪》...


ビートニク詩人のようなボブ•ディランを彷彿ともさせるフォーキーに紡がれるポエトリーリーディング、

その声は一言一句吐き捨てるように力強くも、波の音(ね)のように穏やかに、そして静かに微笑みかけてもくるようだ。


それは一貫して月の蒼さほどに甘美で混じり気もなく、そしてとてもやわらかだ。


TBS系『news23』の新エンディングテーマとして書き下ろされた、自身のオリジナルソロ楽曲としては、実に3年ぶりともなる新曲『close. your eyes』は、文字通り一日の終わりに目を閉じて、ふと思い巡らせる大切な気づきや真実を聴き手の心に問いかけた、伝えたい、届けたい、言葉とメロディが静かに込められた、これは宮本浩次の全人類へと捧ぐ、生命讃歌そのものとでも云ってよい。


広く世界に目を向ければ、世の中は今だ混沌として不安定で不明瞭。こんにち、日々押し寄せる社会を取り巻く様々な問題提起に、自ら宥め賺したり、時には取り繕ったり、と.自己を保ちながら、

いっそ.じくじたる思いを抱くか、それとも溜飲を下げるか、


《張り巡らされた網の目の中  誰もが牽制するため動いているこの世界♪》へと、エンドロールにて流れるこの歌が、明日への希望の光を照らす道しるべともなって、聴き手の心にそっと手をかざし、優しく語りかけるかのようである、


オーガニックなアコースティックの前のめりなメロディに呼応して《立ち去り難いほど「愛」に溢れた瞬間ざわめくこの世界♪》と、一方では まるで生き急ぐように畳み掛けてゆく、、されど、ただ《一切は、一切は過ぎ去ってゆき♪》.という万物の流転に従った究極の真理をついたロジックに、今日の輝きさえ. うたかたの如く、全てのものが諸行無常なる時を過ごしている。

誰しもがこの悠久の流れの中で、結んでは消えゆく儚い存在であるからこそ、ささやかな命に手をかざし、立ち去り難いほどの「愛」に溢れるその瞬間こそを抱きしめ、噛み締めて、今日を、日々を、歩み、そうやって生きてゆくべくその壮大なる事実を、むしろ全て引き受けて、衒いなくとてもやさしく歌い上げている。


この《立ち去り難いほど》の「愛」とは、暗に詞の文脈からして恋愛のソレとは違い、これはアリストテレスの「フィリア(友愛論)」に基づかれた「善、快楽、有用性」の生ずる最も広い対象との「愛」であると受け取ることができるだろう。それは アレテー (徳) を認め合う対等にある他者、つまりは共に生きる同胞を指している、


愛するものの善を願い、かつ相手も同じ願いを向ける時、その相互作用によって最も望ましい相関関係が築かれる。


だとすれば、あの『ファイティングマン』の強烈なキラーサウンドに乗ったキラーフレーズに象徴される《お前の力必要さ♪》の「善」とした《俺を俺を力づけろよ♪》の「有用性」こそは、アリストテレスの「フィリア」と呼ぶべき、これらは極めて双方向的である「きみ」「あなた」との最もインタラクティブな「愛」の等価交換とも云えるだろう。


一方で孤独の「生」そのものとも対話を重ねてきたような彼に取ってはそれは、より良い未来を切り拓き掴み取ってゆく為の「生きる力」や「人間力」ともなる、とても健全なる作業、


「愛」とは、正に全ての人間のもつ生きる上での寄る辺であり、それを《立ち去り難いほど》として、「生」を希求する中で不可欠に登場する「愛」というキーワードに、底知れぬ「生命力と、湧き上がるエネルギィすらそこに感じさせる。


情感を込め、ままそのまま ...《愛してる♪》とやさしい調べに乗せ繰り返される僅か五文字の言葉さえ、人肌の温かみと触れることの出来る距離の心地良さを伴って、こんなにも豊かな感性と物語を込めながら、惜しげもなく真っ直ぐに歌い届けられるシンガーは、他にそうはいまい ! とさえ切に実感する。


ヒタヒタと「愛」で溢れるような、ベルベットヴォイスの温もりで大きく包み込むような「やさしみ」と、織りなす肌理細やかな繊細な機微からそこはかとなく漂う「哀愁」とが同居した不思議な肌感覚であるのに、むしろ.その声を素材に、過ぎ去った日々を、今日を、明日を、未来を、華やぐように、色めくように、その歌がいっそう優しく彩ってゆく、


そこには、聴き手を《もっと自由な♪》《もっと素敵な♪》ところへと運んで行って、どこかで颯爽とした気分にさせてくれるような効果さえある。

それは彼のロングトーンと豊かなハーモニスクによる、とりわけ独自の持ち味である “より” 倍音を生みやすいとされるミックスボイス特有の、その肉声から溢れ出るような強いアタックで発声された母音/a/または/ai/によって発音される高音パート、並びに母音/u/或いは/o/によって発声されたやや低音のパートによる、(A4)ラであれば440Hzの周波数をあくまでユレやズレによって生じる平均律でない純正律に整数次の基音から1オクターブ上(A5)の第二次倍音、更には基音から1オクターブ上の完全5度(E6)の第三次倍音、加えて基音から2オクターブ上(A6)の第四次倍音、或いは基音から2オクターブ上(の長3度(C7)の第五次倍音......といったこれを耳で直接感知するのは困難であるにせよ、ライヴ音源に至ってはこのように何層にも重なり合い発声されるような、この豊かな倍音の響きによって それは感受することができる。


母音を邪魔しない明瞭に発声された彼の声は、ともすればバンド演奏にも決して埋もれない、一般的な構成のバンド内で最も高い周波数帯域を鳴らすギターの胴鳴りやコードの周波数をも超えた、3000Hz付近ものシンガーズフォルマントに、 ”より” ブーストして発声されているとも推測できる。


実に近年に見る彼の声は、声道の中の狭窄部を更に生むことで、より高い倍音を生み出し、軟口蓋(なんこうがい)を上げたり咽頭を拡げたりと、いわゆる狭さに起因する高い倍音と、拡さに起因する低い倍音とを自在に使い分け、最も理想的かつ、より豊かな倍音を生み出すことで、身体的、音楽的スキルをまるでパンプアップさせ、より卓越された表現性をも拡げ、「本作品」を単なるフォークロックとしてさえ留めず、いわば前身の番組時代からの ”いち視聴者” としても、より「愛」あるリスペクトをもって番組のテーマにこそ深く寄り添い完成を遂げた、正にこれはフォークロックであって、アンビエントであり、それは物質社会へのアンチテーゼとも云え、或いはそれは共に生きる全ての人々への人間讃歌であり生命讃歌そのものであって尚、そうした現代背景の中で、正しく.これぞ「愛」こそをもって.およそ相互理解を深めてきた小林武史氏という名伯楽との最も双璧をなす ”名タッグ” によって見事に昇華された普遍的ポップミュージックとさえも云えるだろう。


《涙に暮れた今日よさらば ..... ♪  〜 新たな旅のはじまり〜.....♪》


ダウンストロークからダウンアップのオルタネイトと紡がれ爪弾かれてゆく、Keyは全編にわたって変ホ長調による「E♭メジャー」であり、このA〜Bメロパートのコード展開がこれである。

🅰️      lV     /     lVm     /     lsas4     /     l       

          lV    /      lVm    /      lsas4    /      l       

🅱️     llm    /      lV      /         l        /     Vlm    

       llm    /      lV      /      lsas4    /      l     ♪


フォークロックの骨格や質感はディラン色を旺盛に踏襲しつつ、あのアーシーな泥臭さからは..まるでモダナイズされた「ソロ」としてのあらゆる部分での定石を踏み外してゆくその実験精神は、むしろフォークロックそのものを、よりポップに肉薄されたものへと、


冒頭での繊細でクラシカルな『lV→ lVm』へのコード展開は《涙に暮れた今日よ..♪》を 和音3rd半音下降の傷みへと、残響豊かな美しい協和音に陰りや変化をもたらす事で、その心根に沈んだ心模様を見事に描写し紡ぎ出している。


これは(Key)E♭メジャーに対するダイアトニックのサブドミナントマイナー A♭→ A♭m による、一瞬の違和感と物憂いげでアンニュイとした響きを纏う、俗に最も「エモい」メロディを醸すコードとも云われ、あのビートルズが正にこれを多用し、今やポップスでは定番中の定番ともされる、その印象を色濃く決定付けるかの、続く『→lsas4』(サスフォー) コードからの構成はその対比としても非常に示唆的であるのだ。というのも、これは3度の音の代わりに4度の音を加えた 【パワーコードでは和音1度と4度の組合せとなる】この宙ブラリ感のある3度に進みたがる『lsas4→l 』への.この傾性音の解決に、前者の後の《さらば♪》からの《新たな旅のはじまり♪》と《新たな旅が始まる♪》から《まださよならは言わない》と退路を断り《すべてがはじまる♪》の後者へと繋がるリリックが、概ね用意周到なまでに当てられている。


それによって、Aメロ(Verse)〜Bメロの(Bridge)〜(Chorus)のサビ(A.B.A.B.サビ〜)へと、この判然としないメジャーでもマイナーでもない緊張感からの同ルートのメジャーコードへの解決へと、「緊張→弛緩」の流れを繰り返す事で、なるほどドラマチックに曲のバリエーションが増幅され、よりポップな要素が前面に押し出され、この《新たな旅のはじまり》を示す決別と決意の瞬間を実に願望充足的に前景化させ見事に活写させている。


更にキーを変えずに過去と現在と見つめる視線の先の未来をキッチリと紐付けながら、長調から『Fm』の短調の抑圧へと転調しつつ跳躍してゆく歌心を効かせた(Chorus)のサビへと 

/ llm / V  / l / Vl  / llm / V / l  / Vl / llm/ V  / lsas4 / l / ♪


この感情の奥深くへと鳴り響くアコースティックのやや支配的な短調の響きとは裏腹に、オクターブ上を《シャラ•ライ•ララライ•ラライ♪》と伸びやかに飛翔してゆくヴォーカリーズが美しい放物線を描き出し、すかさず鍵盤がそれを掬い取ってゆく、


やさしく包むようなストリングスの調べが楽曲全体をひときわ際立たせ、徐々に色を帯びて層をなしてゆくバンドアンサンブル、間奏部、シーンは暮れゆく夕べの茜色一色へと名越氏のボトルネック奏法によるスライドギターが曲そのもののクオリティを高次に押し上げる、更にクライマックス〜夜の帷が下りアウトロへと導けば、緊張→弛緩へと終結部のドミナントモーション《V→l 》によって導音となる安定のトニックへと強く促された完結の着地点《瞳を閉じて♪》で明日への希望が託されつつ、やさしくリタルダンドし幕が閉じられる。


その黄金律メロディと圧倒的歌力という事実に裏打ちされ、緩やかな衰退こそ避けて通れぬここへ来て、やすやすとキャリアハイと云っていい万人に開かれたポップネスな名作の境地へと、『冬の花』を筆頭に更に打ち立てられた金字塔である。


「ソロ」として大号令を上げ、これまで「バンド」では出来なかった事、やってこなかった事を至上命題に、若かりし衝動もその胸に抱えた哀愁も激情も愛もロマンも、その魅せ方、表現性、音楽性こそ著しく似て非なるもの、或いは全くの別物、という点に於いても見事なる完成度だ、


それはむしろ楽曲毎に相貌を変え、彼の情動そのものがそのまま歌にあらわれる。だからこそ一曲を通じてこんなにも自由自在に様々な声、表情で表現がなされるのだろう


しかし云っていることは結局のところ一貫してどれも同じことを云っている。

音楽誌『JAPAN12月』インタビューの中でも、むしろ今作『close your eyes』は『ファイティングマン』で云っていることと同じことを云っている! とさえ自身でもそう明かすように


『close your eyes』の《愛してる♪》は、正に《お前の力必要さ♪》であり、《俺を俺を力づけろよ♪》でもあると云えるだろう、、


そんな『close your eyes』という種が

「ソロ」〜「バンド」へと

やがていつかの花を咲かせる。

シンプルにそういうことだ!!


流れゆく時と移ろいゆく時の狭間で 

種を蒔き何もないような時であっても

ちゃんと明日に繋がっている。


そんな今日がいつかの花を咲かせるのだ!!

2025年 祝1月3日 (金)、4日(土)、

エレファントカシマシ「新春ライヴ2025」本日より開催!!


さぁ、厳しい冬籠りから転じて生命力溢れる春の陽気へと、2025年最先良いスタートとなるエレファントカシマシよ、武道館という晴れの舞台でドーーンと咲け !!.............................................. ...................................... ................................. ................................................................... 







close  your  eyes  新たな旅のはじまり............................................................................................................................................ ............................................................................音譜