日常において滾るような想いを抱く瞬間はそう多くありません。自らの性格を省みても引火点は低く保ちつつあるもののそれを継続的に燃やし続けるための、或いは大きく爆発的に燃焼せしめる何かが足りないのかもしれません。徒只管に薪をくべるようなことはなく、手を止めて温度を確認し、残りの薪を数え、隣の釜の様子に気を散らす。そのくらいが丁度いいと思っているのかもしれません。但し一方ではその自分すら俯瞰し、足りない何かを路傍の人に見出し、嫉妬にも似た思いを胸の内で焦がしている自分もいるのです。
好きなだけ。楽しいだけ。嬉しいだけ。一片の曇りもなくそれだけで続けられるすべてはとても幸せです。何れ差し込む光で、陰る日差しを寛容できるならそれもまた然り代え難い喜びです。熱情は瞬間的に燃え上がる炎のようであり、永続的な僅かな灯のよう。
32歳になりました。良くも悪くも変わらぬままに。