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なのはな 萩尾望都

漫画界の巨匠、萩尾望都さんが福島原発の事故を題材にした作品集が出版されたと知って、早速購入して読んでみた。
収録作品は五つ。
「なのはな」月刊flowers2011年8月号掲載
「プルート夫人」月刊flowers2011年10月号掲載
「雨の夜~ウラノス伯爵~」月刊flowers2012年2月号掲載
「サロメ20××」月刊flowers2012年3月号掲載
「なのはな~幻想『銀河鉄道の夜』」2012年1月描き下ろし
この作品集が2012年3月12日発行だということを考えると、結構ハードなスケジュールで出来上がった本なのだとわかる。読み終わったあとに改めてカバーイラストを眺め、カバーを外すと表紙は一面の菜の花を思わせる色彩で、自然と涙が出てくる。しかもハードカバー。長い時間、この作品が何処かの本棚に残っていて誰かが手に取ってくれますようにと願いのこもった作品集。もちろんそれは漫画家として何かを残したいとか自分の為ではない。萩尾望都さんという人はこういう人なのだ。
東北の震災と福島の原発事故で日本人の表現者は否応なく何かを背負わされてしまった。若いミュージシャンなどには「音楽の力を信じて」とか「音楽でエールを送る」とか言っていたのがいたけど、うちの妹は「倖田來○のヘソでナニができる」と言っていたし、事実としてその通りだったと思う。知る限りでは小沢征爾さんと山下達郎さんが「こんな時には音楽は役にたたない」という趣旨の発言をなさっていて、「すげー、やっぱある意味一流」と思った。特に発言をしていない人たちも311後の世界にどうやって対峙していくか、それは絶対に避けては通れないはずで、村上春樹の額の脂汗が目に観えるようだ。このノーベル賞候補作家の今までのパターンとして、数年かけてだんだんと作品として形になっていくのだろうと思っていたのだけど、萩尾望都さんは恐らく最初から作品集にすることを想定して311直後からひたすら描いていたという事実に戦慄を覚える。

さて、表題作から内容を紹介すると
福島に住む小学六年生の少女ナホは大好きなおばあちゃんの死を受け入れられずにいる。おばあちゃんはあの日、浜の近くに出かけていて行ったまま。今は両親と兄、おじいちゃんの五人で避難区域から少し離れた町で生活している。他の家族はおばあちゃんのことは口に出さないけれど、おじいちゃんはおばあちゃんが戻ってくると信じている。ある日の夢の中でナホはチェルノブイリの森の中にいた。そこでひとりの少女が現れておばあちゃんに会わせてくれる。一方で現実のナホの生活は確実に放射能の影響を受けていた。マスクをつけての登下校、校庭の土替え。またひとり、クラスメイトが遠くに転校していった。とうとうナホはおじいちゃんに向かって「ばーちゃんはかえってこないよ」と言って泣き出してしまう。翌日、おばあちゃんの友人の看護士をしている老婦人が訪ねてきて彼女を通じておばあちゃんの手作りの人形がチェルノブイリの子供たちに送られていたことをナホは知る。夢の中の少女が持っていた人形だ。土壌の除染のために菜の花を植えているのよと言って老婦人が帰ったあと、おかあさんがはじめて泣いた。夜には東京に出ていった近所にいた若者がテレビで反原発ソングを歌うのを観ていたおじいちゃんが突然両手で顔を覆って声も無く泣きだした。またチェルノブイリの森の夢を見る。あの少女がおばあちゃんの種まき器を持っていて種を蒔くとみるみる一面の菜の花畑になり、少女はナホに種まき器を手渡す。

2,3,4番目については放射性物質を擬人化した作品。
プルート夫人も伯爵もサロメも絶世の美男美女。その抗い難い魅力ともたらしてくれる豊かさに人間たちは飲み込まれていくのだが、それなら人類全体が愚かなのかと言うと登場人物は支配階級や資本家とその家族、大企業の社長だったりして話は簡単ではない。第一、婦人も伯爵もサロメも人類を滅ぼそうとか世界を終わらせようなんて意思は微塵も持っていない。彼らは人間を愛しているとはっきり口にする。

そして最後の書き下ろしはまたナホが主人公で、ここで彼女のおばあちゃんへの弔いが完了する。あとがきによると萩尾望都さんは福島の友人に方言を教えてもらってナホのふたつの物語を描いたそうで、時々注釈がつくほどのコアな方言が使われている。福島の人が読んだらよりリアルに感じられることを意図しているのだと思った。家族を亡くした被災者の方の心に寄り添う物語。現実に菜の花を植えることが土壌の除染にベストな方法とは言えないはずだが、小学校六年生の女の子が希望を持つためのきっかけとしては有りなんだと思う。きっとこの作品を読むことで心が立ちなおっていく被災者の方がいるとえこうさぎは確信する。萩尾望都さんがそのためにこの五つの作品を全速力で描いて世に送り出したのだとしたら、また別な意味で希有な作家ということになる。

おすすめ動画

ひさびさの更新でつ。まあ、元気でした。
てか最近頭がクラクラする感覚がよくあるのですが被爆のせいだったらどうしよう。
不安でつ。
更新しない間も時間があればネットで色々と調べものをしていたのですが
まー、あれですわ。発端が原発問題のはずが
広がる広がる果てしなく~。くらくらっ♥
調べれば調べるほど世の中にはなかなかディープな内容をブログに書いている方がたくさんいらっしゃるものです。
えこうさぎが今までこのブログに書いてきたことなどシロートもシロート、おっはずかしーでつ。
そんな中でのこれまた更新、それは拡散しておきたい動画をはっけーんしたからでございまつ。
それはTHRIVEとゆー映画でして、最近この映画のことを知ったえこうさぎは早速TUTAYAに行って検索してみたのですが取り扱いが無いようでガッカリしておったのでごじゃりましゅ。
と・こ・ろ・が完全版がwebで観られるっ。しかも各国言語吹き替え付き♥もちろん日本語もございましゅ。
↓是非、ここで。
http://player.thrivemovement.com/simple_player/2?user_token=57520222lz21hs&lang=ja&lang=ja&lang=ja

↓youtubeに予告編も有り。
http://www.youtube.com/watch?v=OibqdwHyZxk

どぞよろすくっ♥

豚が新橋から逃走

 http://tanakaryusaku.jp/2011/12/0003356
北朝鮮の金正日総書記の死去を受け、野田佳彦首相は19日正午過ぎから予定して新橋駅頭での街頭演説を急きょ取りやめた。

国家安全保障会議招集のため総理の演説は中止、だそうだ。
金正日死去が発表されたのは本日のことだが、現実にはすこし前だかだーいぶん前だかに亡くなっているのが大方の見解というもの。
豚は今日まで本当に何も知らなかったんか?マヌケ過ぎるわ。
そのくせこいつはふくいち冷温停止宣言とか、やることは独裁政権並みにやる。あれだけ菅直人を攻撃したマスコミが黙っているのも気味が悪い。この豚なら明日にでも預金封鎖とかデノミとかいきなり実行しかねない。
あまりにも民主党政権がひどいので、えこさぎはとうとう食料備蓄を始めてしまった。
みんな~、イタリアやギリシャのパスタが500gで100円切ってるぞ~。ユーロの不幸につけ込むようだけど、悪いこと言わないから買っておきなさい。カップ麺や袋麺は消費期限が短いから備蓄には向かないからね。あと缶詰、水。ホットケーキミックスもおすすめ。いっぺんに大量に買わずに消費期限をずらすのがポイントらしい。