私が3歳の時にはもう死んでしまったお姉さんは、死んでからずっと私と一緒に居たわけです。ずーっと私の肩に乗っていた。どうしてわかるの?と言われてもわかるからわかる。ただ、それが確信になったのは、アメリカ人の凄い人が、それを私に言葉で示してくれたから、確信としてこうして書いたりと出来るわけです。私が26歳の時に、お姉さんは、彼の愛によって、天国へ行くまではそうして私の肩の上に乗って、私にアドバイスをしてくれたり、私を励ましたりと生きている時の様に私に優しかった。まだ、そのアメリカ人と出会う前、私は何時も1人で山の中に入っていた。その日は梅を見に高尾の梅園に入った。その頃は、全く人がいなくて、お姉さんが私と話してくれるのを楽しみに、梅の中で1人、缶コーヒーを飲んでいた。見える?梅の花、見える?お姉さんと何時も話せる訳でもなかった。見える???何年ぶりかにやっとお姉さんからの声が私の心に届いた。見えない。何も見えない。見えないの???何も見えない。どうしたら見える様になる???そんなのわからない。お姉さんは、苦しそうだった。それより、喉が渇いた、お姉さんは力を振り絞った様に私に伝えた。苦しいの???苦しいし、話すのは大変、だって、体が無いんだから、目も無い、口も無い、喉は乾くの???そう、水が飲みたい。わかった、水も飲ませてあげるし、花も見せてあげる。どんな花?これは梅の花。桜の花しか見た事が無い、お姉さんはそう言った。わかった、必ず桜の花を見せてあげる。約束する???約束は守るから約束なのよ???お姉さんは悲しそうに私にそう言った。私は、3歳の時にお姉さんとの約束を破ってしまっていた。一緒に居たい、そう言わなければならない事を、一緒に居たくないと私は言ってしまった。わずか3歳でも、約束は約束。私が約束を破ったために、お姉さんは殺されてしまった。梅の花の中に2人が一緒に居た時は、私は24歳くらいになっていた。もう、大人になったから、約束を守る。お姉さんは心配そうに私に言った。でも、私にはもう目が無いの。どうやって、桜の花を見せてくれるの???神様に祈るの。神様に祈れば、桜の花を見せてくれる。だって、お姉さんは何も悪いことをしていない。神様は、必ず叶えてくれる。お姉さんは、言った。でも、私は、ずーっと助けてとお願いをしているけれど、何も変わらない。肩の上に乗っったままよ。風が吹いて、そこは梅の花の香りに包まれていた。柔らかい梅の香りが体中を包んでいた。2人で、頑張れば叶うかもしれない。私がもっと頑張れば叶うかもしれない。そうよ、お姉さんはそう言った。約束できる???今度約束を破ったら私は本当に怒るからね。お姉さんは、何時もそうやって私を育ててもくれていた。必ず、桜の花を見せると約束をしたのは、梅が咲き誇る梅園の中で。約束よ。桜の花を見せてくれるのね、約束よ。うん、約束する。必ず、桜を見せてあげる。今度は、約束を守ってね。私達は、大切な事を話しあっていた。やがて、桜を2人で見る事になるのですが、それはこの日から何年か過ぎてからでした。