十薬庵乱文集

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 保存食作りが趣味で、糠床も持っている。

 その糠床に足すための生糠もいくらか蓄えてある。本来は新鮮なものを使うべきなのだが、常に精米したてのものが手に入るとは限らないので、ジップロックに入れて冷凍していあるものが大体1キロくらい、冷凍庫に入っているのである。


 昨日の夜、小腹がすいたから何か夜食を作ろうと思い立った。そして冷凍庫を開けて、ふと、糠を食べる事は出来ないだろうか、と思い立ったのである。

 糠と言うのはつまり、玄米の表面の部分である。だから、栄養豊富なはずである。これを食べたらきっと健康にいいだろう。

 それで調べてみたところ、糠は小麦粉と混ぜてクッキーのようにするか、豆乳なんかに混ぜて飲むかが一般的な食べ方であるらしい。

 しかし生憎と、小麦粉も豆乳も備蓄がない。仕方ないから、糠だけでどうにかすることを考えてみた。


 考えてみたけれど、私の脳みそでは特に名案が思い浮かぶわけでもない。取り敢えず、糠に砂糖を混ぜて水で練り、フライパンで焼いてみた。煎餅みたいになるかと思ったのである。


 大失敗であった。

 香りは良い。焼いている間から香ばしく優しい香りが立ち上っており、何となく美味しいものが出来そうな感じがした。

 それで完成品を食べてみたが、全く美味しくない。

 失敗の原因は何かと考えてみるに、1、砂糖が足りない 2、加熱時間が足りない 3、そもそも糠を焼いたって美味しくない のいずれかであろう。


 今心を平らにして考えてみれば、糠でつくる菓子が美味ければ、世間に商品として出回っている筈である。そういうものをそんなに目にしないという事は、つまりそういう事なのである。


 糠を料理に使うなら、香ばしい香りを付けるための調味料的な使い方をするのがせいぜいである。私はおとなしく、糠味噌にのみ使う事にする。