こんばんわ。
1月8日
ティッシュを買ってきた。
部屋に入る前に新しいティッシュを一度廊下に置いた。
部屋にティッシュが無い事はわかっている。
でも僕はそうしたかった。
ティッシュケースから、空になった箱を取り出した。
えりえーるキュートって書いてあった。
新しいティッシュは普通のえりえーる。
心がチクっとした。
ケースに入ったえりえーるは、キュートと変わらなかった。
僕はいつも代わりを求める卑怯者だ。
そうして目を背けるのだ。ホントは知っているのに。
僕はきっと何かしたかった。
だから鼻をかんだ。
最初の一枚には二枚のティッシュが付いてきた。
まただ。僕はいつもそうなのだ。
同じ過ちを繰り返す自分に少し皮肉な笑いを浮かべた。
親の仇のように激しく鼻を鳴らした。
ホントはこんな事したくはなかった。
ゴミ箱にポイと投げ入れると、なんだか優越感を覚えた。
今、他人から見た僕はどう映っているのだろう。
辺りを見回すと、予備のティッシュが佇んでいた。
皆僕を見ていた。
残りの4人をクローゼットに押し込んだ。
僕が扉を閉めると、光の筋がだんだん細くなっていく。
一度大きく開けて、「またね」と言ってみた。
何か聞こえた気がした。
そう言えば、昨日から左ひじが痛い。
何故か僕の左ひじだけ違う世界のように乾燥している。
ひび割れた隙間から花が咲くように血がにじむ。
僕はおろないんを塗ってみた。
塗りながら絶大な効果を自覚していた。
おろないんを塗っていた僕の右手はべとべとしていた。
僕は無意識にティッシュに手をのばしていた。
指の間でくるくる回るティッシュを見ると、
きっと僕にとってそういう存在なんだと思った。
指のべとべとはティッシュにすいこまれていった。
僕はティッシュを失ったことで色々成長したかもしれない。
当然と必然の違いも、愛と恋の意味も知った。
適当に書きすぎると皆にけちょんけちょんに突っ込まれることも。
いつか大切な人に伝えようと思った。
かもしれなかった(´・ω・`)
バルバソです。