ビヨンド・ザ・ワールド~光と影~15 | ジョリリのブログ「秘宝探偵キャリーとか...」

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ビヨンド・ザ・ワールド~光と影~15






【戦場~ゲンナイ再び】





〈迎撃地点近く〉






王国一の武器屋、
ゲンナイが、
戦場にたどり着いた時には、
すでに、
戦いは始まっていた。









押し寄せる不死の軍団、

迎え撃つ連合軍....




ぶつかり合う金属音、

不気味なうめき声、

謎の雄叫び....




それらは、
たいまつの明かりで
微かに照らし出される
戦場から聞こえていた。



ゲンナイは、
その風景に
思わず目をとられた。



ゲンナイ
「こりや、

大変じゃわ。」



そう言って、
ゲンナイは、
本来の目的を思い出し、
辺りを見回した。



ゲンナイ
「さて、

エルか大臣を見つけるには....」


ゲンナイは、
そう口にして、
近くを通った王国の騎士を
みつけ、近づいた。



ゲンナイ
「おい、お前。

司令本部は、どこにあるんじゃ。

このゲンナイ様が、

取って置きの情報を

持ってきてやった。

案内せい。」



騎士
「ゲ、ゲンナイ.....様。」



騎士は、
ゲンナイの迫力に
圧倒された。



ゲンナイ
「はよせい、

一刻を争うぞ。」



騎士
「ゲ、ゲンナイ様、

こちらにどうぞ。」



騎士は、
戸惑いながら、
ゲンナイの案内を始めた。





ゲンナイは、

横目で戦場を眺めながら、

思った。




(魔剣の騎士が出てくる前に、

教えてやらねば.....。

魔剣に対抗できる剣が

あることを....。)










その頃、




戦場では、




すでに、







オウガへと、

魔装転生していた、




ゼロは、




雷帝:マヨエルと共に、

最前線にいた。






連合軍の士気を高める為でもあるが、

雷帝の暴走を抑える為でもあった。













マヨエル
「目標!1万斬り!」



マヨエルは、
そう叫び、
グングニルで敵の首をはねた。




飛んできた首を、避けながら
ゼロは、苦笑いをしていた。



(しかし.....)



不死の兵隊は、
思った以上に手強かった。



ローランを媒体としていた為、
ゼロやマヨエルでも、
そう簡単には、倒せていない。




「うわ~!」


ゼロの近くで、
悲鳴が上がった。



振り替えると、







若い王国の騎士が、
不死の兵隊に囲まれていた。



「チッ!」


ゼロは、
風のように舞い、
不死の兵隊の中に割って入った。



そして、



王国の騎士へと
降り下ろされた斧を腕ごと、
切り落とし、
返す刀で、首をはねた。




ゼロ
「騎士団は、

下がれ!

先行しすぎると死ぬぞ!」



ゼロは、
若い騎士に声をあわらげた。




騎士
「す、すみません!」



その騎士は、仲間のもとへ走った。




ゼロは、
目の前に転がる不死の兵隊に
目をやった。

普通ならば、
致命傷となるべき、
剣の跡が無数にあった。



(良い剣筋をしているが、相手が....)



ゼロは、
騎士が走っていった方向を
目で追ったが、
背後の気配に気づき、
横へ跳んだ。




ドカッ!




今いた場所に、
斧が降り下ろされた。



(油断大敵....)



ゼロは、
再び、
戦闘モードに入った。










【トーレスは語る】



〈異界〉







トーレス
「ワタシが、

あのとき、

神から授かったもの....。

莫大な知識...

そして、

未来の災難....。」






トル
「未来の災難....?」



トルは、
思わず聞き返した。




トーレス
「そうです。

未来に起こる様々な厄難....、

未来に迫る危機....。

しかし、

それは、

断片しか見えず、

かつ、

それを伝えるためには、

『預言の石板』としてのみ、

というルールも神から授かりました。」



トーレスは、
さらに、
言葉を続けた。



トーレス
「現世界は、

神が定めたルールに

のっとっているのです。」




トル
「神が定めたルール....?

ルール....?

ルールって、

現世界、

我々の世界は、

神が操っているというのか?」



トルは、
戸惑っていた。




そして、



トルは、
静かな憤りを覚えていた。



トーレス
「そうです....。

現世界は、

いわば、

神の持ち物....

いや、

正確には、

神と魔の遊びの場....。」





「!」

トルは、

驚きで

言葉が出なかった。




そして、

視線を外したトルの目には

異界のモノクロの風景が、

どこか歪んで見えた。












つづく♪