何の話かというと幽霊を捉えたといって心霊写真が広がったのはおおよそ130年くらい前になるでしょうか。英国で鮮明な女性の幽霊を捉えた「心霊写真」を思い出します。話はうんと進めるけどここ数年、地上波テレビで心霊番組が無くなって寂しいと感じる人も多いかも。私もその口だけどそれには大変な、そして静かな理由があるんです。

 

 1988年のロンハワード監督のファンタジー映画「ウィロー」と言うのを覚えている方はいでしょうか?特撮シーンでラストの有名な虎や怪物に次々と変化するモーフィングCGを初めて使用して驚いた方は多いと思います。じつはそうではなくもうひとつ大変優れた特撮技術が開発されています。カメラの移動にあわせて、後からその動きにぴったりと合わせる合成技術「マッチムーブ」と言うのも開発されてます。絵と実景の合成で描かれた農村のハシゴの裏側をトロルが移動したりする場面などがあります。カメラは右から左へ移動するけどその動きに合わせて後からぶら下がったトロルが違和感なく合成されているわけです。

 

 この一連の特殊撮影技術と「心霊」に何の関係があるのかと言うと、大手動画サイトに色々アップロードされている幽霊を捉えた映像と言うのは99.9パーセントこの「マッチムーブ」という合成技術で作られていると言ってもほぼ間違いありません。コンビニで売っているホラーDVD「心霊映像240分」とかは殆どこの技術で作られたイタズラといって良いです。「天井からぶら下がってきた不気味な幽霊とか、わきの下や人物の後ろにチラッとみえるとか、カメラが激しく動いてるにもかかわらず、それにあわせてずれることなく合成できるので合成撮影技術に詳しくない方はマジで本物の幽霊では?と驚くはず。 「生徒さんたちが勉強している学校の教室内を捉えて、カメラをふと窓のほうにやると窓外に女生徒が立っている。そして教室内にカメラを戻し、再び窓ガラスのほうにカメラを移動させると女生徒が消えていた」....とかもです。

 

 映画「ウィロー」当時は高価な合成技術だったけど今はかなりお手ごろに一般の人にも触れるソフトなので、あとはアフターイフェクツとかの映像ソフトがあればかなり迫真でリアルな心霊映像が作れると思います。地上波で心霊番組が実質なくなったのもこういった技術の詳しい方がかなりいて、もう白けてやらなくなったのではと私はこっそり思うのです。