今日は曇り。気温は少し低め。このところ気温の乱高下が大きいです。春近しです。

今回のレビューはこれにしました。
 
sora tob sakana ~ World Fragment Tour
 
です。
 
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2019年3月13日。先週発売されたばかりのメジャー1stフルアルバム。初回生産限定盤は昨年の4周年記念ライブのBDが付属。その他、同ライブのDVD付盤とCDのみのバージョンがあります。
 

1.whale song

2.knock!knock!
 
3.FASHION
 
4.タイムトラベルして
 
5.燃えない呪文
 
6.嘘つき達に暇はない
 
7.暇
 
8.ありふれた群青
 
9.シューティングスター・ランデブー
 
10.World Fragment
 
11.WALK
 
まずはプロフィールから。2014年に結成。メンバーは、神﨑風花、風間玲マライカ、寺口夏花、山崎愛の4人。サウンドプロデューサーは、ハイスイノナサの照井則政。2015年にシングル「夜空を全部」をリリース。2016年インディーズから1stフルアルバム「sora tob sakana」をリリース。楽曲の完成度の高さから高評価を得ます。
 
2017年、ミニアルバム「cocoon EP」をリリース。2018年、「alight EP」でワーナーよりメジャーデビュー。同年7月にシングル「NewStranger」がアニメ・ハイスコアガールのOPテーマに起用され、一気に知名度が上がります。同年11月には配信シングル「アルファルド」をリリース。そして満を持してのフルアルバム「World Fragment Tour」をリリースしました。
 
ライブ活動も多く、定期公演「月面の遊覧船」や各イベントやフェスにも参加。また2018年には初の主催フェス「天空の音楽会」を開催。今年2月にはVol.2を開催しました。
 
ということで、昨年のハイスコアガールのOPで度肝を抜かれたしまい、その後のLightpoolのCMで更に興味を惹かれ現在に至った自分ですが(笑)、今回のアルバムもかなり期待していました。
 
第一印象は正直少し物足りないなと感じました。というのも、プロデューサーの照井さんの楽曲は、変拍子を多様し、かなりマニアックなサウンドながらもメジャー感を失わない絶妙なバランスが特徴で、それを今回も期待していました。
 
確かに変拍子もあるのですが、以前よりも全面に出していない感じで、サウンド的にも全体的にクリアな印象を受けるような感じで、今までよりはインパクト少し弱めかなと思いました。
 
で、これは聞き込みしたほうがいいアルバムだなと思い、何周か聴いてみると、最初とは違った印象に変わってきました。これは実質3rdアルバムとして聴いたほうがいいなというふうに変わりました。
 
そうやって聞くと、各楽曲の作りやアルバム全体の作り方、照井則政さん以外の作詞作曲陣の起用や、このアルバムがオール新曲のみで構成されている理由が理解できましたね。

今までのような変拍子を多様したポストロック主体の楽曲を主流にする必要は無く、むしろこれからの活動の幅を広げるには必要な作品を揃えたように思いました。
 
先行トラックの「knock!knock!」は今までの楽曲のスタイルを継承しつつ、新しいサウンドも織り込んでいて、このアルバムはこういうスタイルですというのを表しているように思いました。
 
3曲目はエレクトロニカ強め、4曲目はJYOCHOの中川大二朗さん作詞作曲の作品ということで、今までとは違う印象、5曲目は君島大空さん作詞作曲の作品で、トロンボーンの音色がゆったりとした世界観を出しています。
 
6曲目は楽しい印象の楽曲。7曲目は各メンバーの暇という言葉をランダムに張り合わせた幕間のような曲。
 
8曲目の「ありふれた群青」は各メンバーのボーカルの魅力的。9曲目はシティポップの要素も見える楽曲。10曲目はアルバムタイトルになっている楽曲で、勢いのある楽曲。そしてラストの「WALK」のエンディング感がものすごい名曲ですね。
 
という感じで、各楽曲とも今までの楽曲の印象も残しつつ、次のステップに進むような作品になっていると思います。これはプロデューサーの照井則政さんが今までの活動とこれからの活動を踏まえて、よく考えて作ったのだと思いましたね。

 

聞き込み要素が強く、何度聴いても飽きないのも素晴らしいと思いました。
 
ただ、一つ注文するならば、ボーカルをもう少しうまく聞かせてほしかったなと。ライブに行ってわかりましたが、個々のボーカルはしっかりしているし、歌えます。それがスタジオアルバムではどうにも生かしきれてない感じがしますね。特に5月にグループ卒業する、風間玲マライカさんのボーカルは良いですね。変なビブラートやシャクリもなく、ストレートに伸びるボーカルは楽曲によく合っていると思いました。
 
卒業は残念ですが、この魅力を是非違う形で表現してもらいたいなと思いました。
 
ポストロックやマスロックと呼ばれるジャンルは、とっつきにくい印象がありますが、sora tob sakanaを入り口にして聞いてみてもいいのかなと思います。
 
 
プロデューサー照井則政さんのインタビュー記事です。