【書名】面白いほど役に立つ 図解人を動かすリーダー力
【著者】新将命
【発行日】2009年1月25日
【出版社等】発行:大和書房
【学んだ所】
・逆境を跳ね返すリーダーになる5つのポイント
①社内での評価が低い感じたら?⇒自分の仕事のやり方や考え方をもう一度見直そう。
- 降格の原因を分析し、ポジティブに行動しよう:降格人事は、ビジネスパーソンにとってまさしく逆境。⇒なぜ失敗したのかを分析し、くさらずにこれまで以上に仕事に取り組めば周囲の評価も変わり、再浮上のチャンスも与えられる。⇒降格人事は、「おまえならもう一度這い上がって来られるはずだ。初心に帰って自分を磨き直して来い」という激励と捉えるべき。⇒今、逆境にあるのなら、元に戻るのではなく、元を超えることを目指す。降格から這い上がる過程で得たものは、きっとレジリエンス(=逆境をはね返して「復元」すること)を超えた「超元」の力を受けてくれる。
- 昇格できないならチームプレイの原則を見直そう:上司が一番注目するのは、部下が出した結果。⇒アピールが上手というだけでは、自ずと馬脚をあらわれてしまう。⇒チームを預かるリーダーは、チームが今、どういう状況にあるかを常につかんでおきたいと思っている。⇒部下からの「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」は、上司にとってものどから手が出るほど欲しい貴重な情報。⇒報告を怠る人は、チームプレイの原理原則をわかっていない。=チームプレイヤ―として、一段劣って見られる。⇒チームプレイの原則を考え、自分のやり方を見直してみる。
- どうすればうまくいくか、自分に何ができるか考える:リーダーには、その立場、役割に応じた結果責任がある。⇒いくらコミュニケーションスキルが高くても、部下の面倒見がよくても、責任を取らないリーダーはだれからも信頼されないし、尊敬もされない。=最後の責任を負うから、リーダーはメンバーに信頼され、尊敬される存在。⇒尊敬と信頼のないリーダーは、リーダーとはいえない。=責任を取らないリーダーはリーダー失格。
- 人間には、「他責人間」と「自責人間」がいる。⇒他責人間とは、自分の失敗はすべて他人のせいだと考える人。自責人間とは、自分に起きていることはすべて自分のせいであると考える人。⇒物事がうまくいかないとき、他責人間は自分以外の原因を探すが、自責人間はどうすればうまくいくか、自分に何ができるかと考える。⇒人間とは弱いもので、物事が自分の思ったとおり進まないと、その責任を自分以外のものに転嫁したがる傾向がある。しかし、他責では何も解決しない。責任転嫁は成長機会の自己否定。⇒リーダーは自責人間でなければならない。=「問題は自分のもの。解決も自分のもの」と考えられるのが真のリーダー。
②上司とうまく付き合いたいのなら?⇒角が立たないやり方で上司をコントロール。
- 上司に疑問を感じたら、素直に意見をぶつけてみる:上司に「異見」を述べることは、その相手がたとえ社長であっても積極的にやるべき。原則は2つある。
- 8つほめて2で異見:話の8割は相手のよいところをほめて、残りの2割で異見を述べる。⇒このとき、建設的な代替案を提示することが大事。代替案には、自社の企業理念などの論理的な裏付けを加え、さらに数字的な裏付けも加える。
- 組織の掟を守る:意見具申を2度行なっても受け入れられなければ、いさぎよく上司にしたがわなければならない。それが組織で働くものの原理原則。⇒どんなに自分の意見の正しさに自信があったとしても、2度、意見具申して、なお受け入れられなければ、いささかの愚痴もこぼすことなく、上司の考えのとおりに「行動」しなければならない。⇒「行動」とは、自分の提案はすっぱりと撤回し、嬉々として積極的に取り組むこと。⇒意に反して上司の意見にしたがうことになったとしても、積極的な行動は必ず報われる。
- ボス・マネジメントで上司をコントロールする:「サラリーマンの幸せは80%以上は上司で決まる」と言われる。マネジメントには、上司から部下という方向だけでなく、「ボス・マネジメント」という部下から上司へのマネジメント方向もある。⇒ボス・マネジメントとは、チームの目標を達成するために上司の力を借りること。いわば、目標のために上司を動かすことが、ボス・マネジメント。⇒ボス・マネジメントで肝心なことは、まず上司の美点を凝視すること。欠点は無視してもよいとさえ言える。なぜなら、ボス・マネジメントをうまく進めるには、上司との人間関係を良好に保っていなければならないから。=ボス・マネジメントは、「美点凝視、欠点無視」が入り口となる。
- ボス・マネジメントの原則
- 8割ほめて2割で異見。8割は上司に賛意を表し、異見や直言は2割の比率で行なう。
- 常に上司サイドに立っていることを表明せよ。利害の一致(目的の共有)をアピールし、敵ではなく同志であることを伝える。
- コミュニケーションの機会をつくり、自ら上司に近づけ。相談は相手を認めてるという意志表示。相談からコミュニケーションを築く方法も1つだ。
- 直言するときは4つのツボを心得よ。⇒感情(エモーション)に走らず、論理(ロジック)と数字を武器に。⇒反対するだけではなく、代替案を用意する。⇒「会社のため」という大義を持って話す。⇒同じ直言は2度まで。2度目に受け入れられなかったら潔く上司の意向にしたがう。
③苦手な相手と向き合うときは?⇒こちらから動いて相手の懐に飛び込もう。
- 自分から動いて相手の懐に飛び込もう:人には相性がある。相性の悪い人が、ビジネス以外の関係であれば、距離を置けば済むが、取引関係のある相手となると、距離を置くわけにもいかない。⇒人は論理で説得され、感情で動くと言われる。ビジネスは論理と数字で相手と仕事をするのが基本だが、相手も生身の人間、感情が拒否すればなかなかYESとはなれない。そこで自分に暗示をかけて、相手の懐(感情の世界)に一歩入り込む=相手にできるだけしゃべらせる。⇒話題も、事前に相手の好みを調べておき、相手の知っている話に関心を示すこと。人は自分の話を傾聴する人を気に入る。⇒相手に関心を持つことで「好意と尊敬」を伝える。コミュニケーションの極意は「自分から動く」
④未経験の分野を任されたときは?⇒自分を変化させる大きなチャンスと考えよう。
- 未経験部署への異動は大きく成功するチャンス:未経験の仕事を経験するということは、そこに不安はあったとしても、経験という財産の幅を大きく広げるまたとないチャンス。
- 異なる部門、それもラインとスタッフという両部門を経験するというのは、自分の幅を広げて組織の階段を上がるために有効かつ必須のルート。
- 人は、慣れた仕事を同じ環境でやりたがる。それが快適だから。⇒しかし、真のリーダーを目指すなら、快適ゾーンから飛び出す勇気を持たなければならない。⇒変化(CHANGE)には、恐れ(THREAT)が伴う。しかし、CHANGEのGからTを除けば、チャンス(CHANCE)になる。
⑤転職を成功させるには?⇒冷静に自己査定をして「太る」転職を心がけよう。
- 転職を成功させたいなら、太る転職をしよう:転職には、「やせる転職」と「太る転職」がある。⇒「やせる転職」の特徴は、目先のポジションや収入に目を奪われ移ったものの、結局、長期的に見たら収入は増えず、期待はずれでまた次の職場を探すというもの。⇒新しい会社の仕事にやりがいがある、今よりも重要な仕事を任される、会社に将来性がある、さらに収入も増えるというものが「太る転職」と言える。太る転職をするには、転職先が自分にとって良い会社か見分けなくてはならない。⇒キーワードは3C・2D・1E
- 3Cとは、クレードCredo(企業理念)、コミットメントCommitment(入社する社員に対する誓約)、ケミストリーChemistry(理性)⇒とりわけクレード(企業理念)は最も重要。会社の理念に共感できるかどうかで、その会社の一員として誇りが持てるか、使命感を持って仕事ができるかが大方決まる。
- 2Dとは、デリゲーションDelegation(権限移譲)と、デレクションDirection(方向性)
- 1Eとは、エクスペクテイションExpectation(期待)のこと。
- 辞めたい部下は引き留める前に冷静な自己査定を:優秀な部下が辞めることは、上司にとって痛いこと。しかし、辞めたいと言う部下を引き留めたほうがよいケースは、むしろ少ないもの。⇒辞める理由が、明確ならば「グッドラック!」と送り出してやるべき。むしろ理由によっては、辞めてもらった方が会社のためにも、本人のためにも、良いというケースもある。
- お金とポジションの不満が辞める理由という人は、お金とポジションを与えて引き留めても、早ければ数カ月、遅くても1年以内には、また同じ理由で辞めたいと言ってくるもの。⇒速やかにお引取り願うこと。残しておけば結局、渦根を残すことになりかねない。
- ただし、辞める理由が、漠然と今の仕事に物足りない、もっと自分に向いている仕事があるのではないかなどと、あいまいなものであるならば、まず、本人に自分自身の査定をさせてみる。⇒どこへ移っても通用する自分のスキルは何か、他人に劣らないと確信できるスキルは何か、信頼できる人脈はどれだけあるかなどを自己査定させる。=自分自身の能力という名の「資産」の棚卸をさせる。⇒冷静に自己査定してみれば、たいていの人間は、自分は「転職」よりも「手に職」が先だということがわかるはず。⇒これは、引き留めるためではなく、部下自身の将来のためにやらせる。
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