青のオーケストラ SeasonⅡ 十七話
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前回の続きより。
敦美君「おはよう!青野君」
一「おはようございます。敦美先輩はいつも元気ですね」

昴君「おはよう、佐伯君」
佐伯君「おはようございます」



昴君「案外タフだね。
俺の予想では初日で三人位辞めると思ったけど」

巌虎さん「次、チェロだけ、もっと意識して、地に足を付けて・・・次ラッパ」

巌虎さん「もう一度、呼吸を意識しろ。いいか?呼吸だ」

巌虎さん「俺の目を見ろ。いくぞ」



巌虎さん「そう、そのまま、突き抜ける様に、そのまま頭から」



〈この子にはもっと相応しい場所がある筈だ〉

マリー〈ナオは勿体ないわ〉

須間さん〈オケの奏者と指揮者と言えど・・・出会って間もない。
つい先日顔を合わせたばかりの、言ってしまえば『他人』だ。
未だ互いの事も良く知らない。それでもあの人を曲を通すと・・・
知らない自分に出会わせてくれる・・・〉



一「何話してたんだ?」
佐伯君「昨日の事。失礼な事を言っちゃったから一応謝りに」

佐伯君〈未だ青野君の座席順については納得出来ていません〉
巌虎さん〈勘違いするなよ。俺達は全員で曲を創り上げるが・・・
慣れ合う為仲良し集団じゃねぇんだ。
人の事より自分も心配をしろ〉

次の練習日。
一〈楽しそうだな。怖そうだな。でもやっぱり羨ましい〉
昴君「いいなぁ、練習見て貰えるなんて」
一「昴先輩」

昴君「よっぽと天塩にかけたいのか、もしくはよっぽとの問題児か」
一〈問題児だからだな〉
昴君「まぁ俺は青野君も羨ましいけどね。
だってお父さんに教わってたんでしょ?」

昴君「青野龍二、俺達みたいに音楽の世界で生きていきたい人間で
知らない人は居ない。天才の父親を持つってどんな気持ち?」

昴君「青野君、又後で聞かせてね」

一〈どんな気持ちって・・・こんな気持ちだよ〉

一〈芥川也寸志・・・もしかして、曲の事を知ろうとしてた?〉

昴君「佐伯君も居残り組?」

一「あの・・・朝の質問の答えですけど・・・」

一「俺にとって父親は・・・二人居る様な間隔です」
昴君「二人?」
一「俺を有名ヴァイオリストの息子として苦しめる人と・・・
尊敬させてくれた人です」

昴君「意外・・・尊敬していたと素直に認めているんだね」
一「本当は認めたくないですけど」

昴君「人生の悲劇の第一幕は、親子となった事始まっている。
これ、父親の芥川龍之介の言葉なんだけど、色々な意味で捉えられるよね?
お陰で又違った視点からこの曲を見られそうだよ」

昴君「最後にもう一つだけ・・・青野君はお父さんを超えたいと思ってる?」
一「わかりません」

次の練習日。
ハルちゃん「良かったね。青野君。座席順入れ替えあるって。
オーディションするみたい」

巌虎さん「と言っても簡易的だ。本番まで時間が無い。
この短期間でどれだけ成長出来たかを見極める」

巌虎さん「自分は大丈夫だと思うな。その慢心で誰かが笑うぞ」

敦美君〈これでより青野君の実力を皆に知らしめる事が・・・〉


一〈ありがとうございます。お陰で目を背けていた自分に気付けた。
俺は、青野龍二の息子だ。どう足掻いたってそれを変える事は出来ない。


だったら、過去の記憶を利用してでも、俺はあいつを超えてやる」

学校で。

佐伯君「ロングトーンだよ。必ず毎日やれって」

一「俺にも教えろ」

佐伯君「心配してくれてたんだ」
一「うん、だから巌虎さんに教わった事を全部吐け」

律ちゃん「あっ」


律ちゃん「悔しい」
一「はっ?」

律ちゃん「さっきの青野と佐伯の二人の演奏。
もっと自分も頑張らないと駄目だなって・・・
そう思わせてくれる演奏だったって言うか・・・」
一「大袈裟だな」

律ちゃん「やっぱり青野は凄いよ」
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