修復ということ
包みこまれた包み込む時間
ウイングバックのソファー
修復
水色の濃淡ストライプソファー
その色もとても優しく
空にあるはずの優しい水色が
そばにいて
ヒトを包んで
きてくれていたソファー
EIMOKUも時々
包んでもらって
いました
水色
ウイングバック1人掛けソファー
@leyenda_antique さんの
ソファーです
長い時間ここに預けて
くださり
繋がりました
ウイングが
ほんの少しかもしれませんが
でも心の置き方によっては
とても包まれた時間になり
本を読むときに
ウイングが安心した
時間をくれるとも
聞いたことがあります
修復は
見た目とはちがい
迷路のようでした
生地を外していくと
幾つにもの迷路に誘われるような
張り方
順番を間違えると
張替ができなくなるような
何度も手が止まって
考えさせれる
ここを外すと
ここが外れない
ここを外しておかないと
ここも外せない
きっも
工程や順番はある
けど
その通りに修復を決めてするのではなく
このソファーなりの順番を
探しながらすることが
好き
フレームだけになった
ソファー
ウイングバックという構造と
アールを素敵に使った曲線を
合わせてあるため
負荷が偏る部分が出る
そこで繋ぐから
そこが弱くなるけど
そこがあるから
強くもできる
一本で製作したアームは
強さもあるが
木目によって弱さもでるから
それでも
素敵なフォルムのために
そこで繋ぐ必要があって
そこを補強し直すと
強くもなり
素敵なフォルムとデザインが
また変わらずに
ヒトを包んでくれる
全てをバラして
組み直しして
とてもしっかりとした
ホゾとホゾ穴は
ちょうど良いバランスで
当て木で小突くと
ほんの少しキツイくらいで
ゆっくりとどの部分も
外れていく
組み直しするとき
緩いところは足し木をし
キツくて割れてるところは
コンマいくつくらいづつ
広くして調整する
ただ入れる時は
ボンドの水分で
木材が膨らむのを考えて
おかないと
ちょうどよくピッタリならない
バラすときは
その調整をひとつひとうの
場所でそれぞれを確認しながら
外して
組み直しのときに
微調整しながら
組み上げて接着する
今回は
それがとても
ちょうどよく
調整はほぼしないで
組み上げれました
ボンドの水分を
待っていたかのように
ちょうど良くなり
キッチリとハマり組み上がりました
次の張替は
座面の底が広いく
本来補強の木を渡したいが
あえていれない
ベルトをキツく張り
そのあと生地張りその上に
古いリネンを重ねて
ベルトとセットで支えるように
しました
それには
意味があり
元々の座面が
すごく下に下がる状況でした
少し硬めのクッションと
その緩みのバランスが
とてもとても
ちょうどよく
レエンダ アンティークさんから
引き渡されるときも
みんなで座って
すごく座り心地いいねと
話したのを覚えています
そのバランスを
少し時間の先に
生まれるようにしたくて
あえて
ベルトと生地だけで支える
座面下の構造にしました
そして
クッションは変えることは
できましたが
最初被せられていた
お花柄の生地を外すと
ソファーと同じ水色
素敵な生地で包まれた
クッションが出てきてくれたした
それに
張替に使う
古いフランスのリネンで
包んで
またこのクッションに
支えてもらうことにしました
長い時間支えてくれた
クッションが
一緒にまた行ってくれるの
とても安心できます
その水色を
いつでも
思い出せるので
古いリネンが雲のように自由で
時々中の水色の空を見て
またいつかを
思い出してもらえたら
いいなと
思い繋ぎました
シルエットに合う厚みと
クッション材を合わせながら
古いフランスリネンで
張替をして
最後に
ひとつひとつの鋲を
打ち込む
いくつ打ったかは
わからなくなるけど
ずっと昔のヒトも
同じ数
打ったんだなぁと
感じながら
一つ一つ
丁寧に打ち込み
完成
今回
時々での
イベントの日に来て
初めて出逢ったのに
その場で選んでくださって
ソファーもなんだか照れていて
お届けにいくと
皆さんに快く
受け入れてくれてもらえて
また
ソファーも照れていたけど
でも
とても嬉しそうでした
ここから
日を重ねるごとに
ちょうどいい座り心地に
なっていくソファーに
なってくれたら
嬉しいです
包み込んでくれているようで
ヒトの想いに包み込んで
もらえてる
ソファーのようでした
お選びいただき
ありがとうございました
そして
預けてくださっていた
レエンダ アンティークさま
ありがとうございました
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お届けに行く朝
行くよと
ソファーに声をかけると
今まで
ありがとう
って
光のなかに混ぜて
言ってくれた
気がした
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