修復ということ
優しい色と時間
底の抜けていたスプリングを
板で一生懸命に止めて
保っていたソファー
と
優しいリネンが
馬毛の自由さを抑えられず
型崩れして
それでも保とうと
健気なアームチェア
どちらも
ベルトは切れて
スプリングは落ちて
いた
あとから張り替えた
生地はまだ
痛みはないのに
いちばん底のベルトを
しっかりと修復しないと
座面は落ちてしまうし
型崩れしていくから
すべてを開けて
しっかりと
触れていく
ずっと昔のヒトが
ひとつひとつ
打ち込んでいた鋲
その下にある鉄の鋲
すべてをひとつひとつ
取り
生地もお返しできるよう
外す
ベルトもしっかりと
貼り直し
ベルトのままでも
座れるくらい
ギュッと張る
もともとの
シルエットと合わせるように
中貼りでカタチをつくり
仕上げを
フランスから取り寄せていただいた
生地で張る
最後に
ずっと昔のヒトと
同じように
鋲を
一個づつ
打ち込んでいく
いつも
ここで
届かない質問をしたりする
フランス語に
変換せず
日本語で
どうやって
鋲を打っていたのか
鋲をグッとさしてから
打ったのか
多分そうだと思うけど
この数を打つには
とても時間がかかる
もしかしたら
ずっと昔
とってもゆっくり時間を使って
少しづつ
打ったのかも
しれない
それともハサミのような
なにか道具で針の部分を
つかんで
玄能で打ったのか
古い鋲を抜いたときに
時々
先の方に
挟んだような金跡が
残ってたりするから
EIMOKUでは
左の人差し指と親指で
サラを持ちながら
打ち込むところで持ち
サラの高いところと
指の端を一緒に打ちながら
刺さるまで
2回打つ
そのあとは自立した鋲を
玄能で打ち込むだけ
指の端を一緒に打たないと
鋲が打てないから
構わず打つ
全部を打ち終わると
最初のころは内出血
今は
皮ができたのか
少しの痛みだけ残る
玄能の使い方も
聞いたりする
どっちで
打っていたのか
平面で打つほうが
同じ位置に当たる
気もするのに
どうしても
曲面の点で打ち込む
打ち込むたびに微妙に繊細に
左右前後に動く鋲に
反応するように
曲面でとなりと寄り添うように
打ち込んでいく
リズムよく
打ち込まれる音は
好き
最後の一つを打ち込むとき
ここまで繋いでくれた時間と
ずっと昔のヒトの想いと
今をとじこめるように
一を打つ
優しさを纏った椅子は
ヒトを優しく包んでくれる
気がするから
アタラシイこれからの時間に
繋ぐシゴト
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