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読むカウンセリング 生きやすいために

リラックスして心を安定させましょう

若い方のカウンセリングをしていると将来的な展望の問題が必ず上がってきます。自分は、どんな仕事に就き、どうゆう生き方をしているのか気になるところですね。また若い方に限らず男女共、中年以降に生き方を問われる時期もあります。何しろ今は皆さん長寿命の時代ですから。私は10年前程に高校の同窓会に行って来た事を思い出しました。その時の様子なのですが20年ぶりに会った友人のみんなには、とても懐かしさを感じました。それと同時に思ったのは、周りにいる友人も自分も、時代と共には、あまり変化しないものだということです。これは、表現方法に語弊があるかもしれませんが、人間は10~20年スパン単位では変わらないのでは、ないかということです。いや自分は、ここ数年で劇的に変化した、といわれる方が、いらっしゃるかもしれませんが、それは生活環境が変わっただけで、自分自身の中身までは変わってないでしょう。そんな事が起きれば病気で人格変容ということになります。何か環境に変化が起きた時に上手く状況に合わせる自分がいたということになります。これが出来なければ、結果自分を苦しめてしまうことになるのです。同窓会の話に戻りますが、○○大卒で○○会社に就職し○○と結婚し○○という子供が出来・・・こうゆう会話が限りなく続きます。皆がそれぞれの個人にそれぞれの大人になっていました。私は、「なりたい自分になる」というのは、どうゆうことなのか?これは考えると、非常に難しい作業だという事がわかります。心理学でいうところの「自己実現」ですね。この言葉はマスコミやセミナーなんかでも、よく取り上げられていますので皆さん、よくご存知でしょう。では、何が自己実現なのか?という詰問が、自問自答として自分自身に突きつけられます。ある人の中には、出世してお金持ちになり名声を得る事が、自己実現だと考える方もおられるようです。それはそれでも自己実現といえるでしょう。しかし私が思いますに、そんなものは墓場に持っていけないし人生はあっという間に終わってしまいます。死んでしまえば全て無くなってしまいます。亡くなられた方の友人たちは彼は資産家だったという評価が残るでしょう。そのような思い出だけで果たしていいのでしょうか。それよりも、「自分はどう生きたか」が最も重要な人生項目であると思います。例え平凡な人生でも、各々が目標や夢を持ち続けること、また自分自身の運命に翻弄されることなく、それを乗り越え自分の道を突き進むこと。そして人様にそうした自分の生き様を見せる、自分の歩いて来た道を後世に伝える事が、その人としての役割だと思います。では自己実現というところの、なりたい自分になるには、どうすればいいのでしょうか?と皆さんは思うでしょう。一つは自分の中に宿るイマジネーションの力を借りる事でしょう。念ずれば花開くという言葉があります。一途に自分の思いを持ち続ける事が大事なのです。私は、カウンセリングでは、いつも相談に来られるクライエントさんに、こう言っています。「なりたい自分を想像してごらん」「なりたい自分は自分の中にいる」「なりたい自分は、なりたい自分を連れてくる」皆様も、もう一度、自己実現そして、なりたい自分について、深く洞察されてみてはいかがでしょう。
今、私の手元に中学校の道徳の時間に使われる、心のノートという教科書があります。これは元文化庁長官、故 河合隼雄氏が率先して制作された教科書です。ゆとり教育の影響かとても薄い教科書です。それでも中身は多岐に渡る内容です。ただこの教科書が近年十分活用されているか疑問です。何故なら河合氏が亡くなられてから随分と時間が経ち、最近では、全国的に学校でのいじめが目立ちはじめ増加しているからです。道徳の時間は限られていますし、この薄い教科書では生徒のこころをつかむのは難しいことでしょう。例えば日本には歴史上、豪傑な偉人が沢山おられ、その方の生き様を伝えるのも道徳としては必要不可欠な事でしょう。そうゆう意味で、それを書かれた渡辺毅先生の道徳の教科書は良い教材に成り得ます。あと心の教育という意味では宗教教育も必要でしょう。諸外国では宗教教育のない国は日本ぐらいです。西洋はキリスト教をベースにした価値観を持っていますし、イスラム教やその他の宗教も多々あります。日本が今つまづいている最大の原因は明治政府の廃仏毀釈にあります。そもそも日本は神仏習合の国でありベースとなるのは神道仏教です。戦時中の国家神道の強制やオウム事件で宗教アレルギーの人々が増えたことが戦後、日本人の生き方を変えてしまいました。人間には精神的支柱になるものが必要です。宗教はそれを助けます。現代のような無信仰な人々があふれ、根無し草のような生き方をしていては人間らしい人生を歩むことは難しいのです。いじめの問題にしても宗教心を持ち、相手を思いやるこころというものを持てば自然と解決するはずです。
人生には様々な逆境や困難、障害が襲いかかってきます。それに対してどう自分は向き合って生きていくか?これはカウンセリングの重大なテーマです。具体的には病気、人間関係、経済的問題、生き方に関わることなど、エピソードは様々です。つまり個々の人生においては、様々なエピソードが起承転結で起こり各個人的なストーリーとなっていくのです。ですから人が100人いれば100の物語(ストーリー)が出来るのです。あなたは、そのような人生の転機において、どう対処されますか。ある人の中にはアルコールに逃げる方、物質的欲求で満たそうとする方、あるいは性的欲求で満たそうなど、いろいろな依存で対処する方法が行われています。しかしそれは最終的には何の解決にもなりません。ではどうすれば人生の困難や障害に対処できるのか。これまでの過去の経験や研究データから考えられるのは、まず素直に障害や困難を受け入れ、その次にそれを乗り越えてゆく力をつけるという事です。現実問題は過去に起こった出来事ですから変えることは出来ません。しかし未来は変える事が出来ます。つまりそれは、しなやかに問題を受け入れて自分自身を変えていきながら生きていくことなのです。そうは言われても出来ないと云われる方も多いでしょう。なぜなら現代は便利で快適すぎるからです。現代生活をここまで快適に便利にしたのは人間です。人間は便利になればなるほど心が萎えてしまうのです。ジムで肉体を鍛えるように心も鍛える必要があるのです。ですから今の特に若い人たちは過酷な状況に耐えうる免疫力が無くなっているのです。つまり少しのトラブルや障害で、すぐに心が折れてしまいます。私が前から唱えているように「原始的心性の回復」がポイントなのです。あえて障害や困難が来たときに受容してみる。最初は心の器が小さ過ぎて、それに耐えうる力が無いかもしれません。しかし受容を踏ん張って続けて行くと心の器が大きくなって、困難に立ち向かえるだけの大きな心の器が出来てくるのです。世の中に最初からオレはどんなストレスにも大丈夫という方はいません。大なり小なり、皆さんはストレスを感じているのです。そうやっていくうちに階段を一段ずつ上がるように対ストレス能力が上がってゆくのです。そしてもう一つの対処法がもう一人の自分を作ることです。それは自分のアンドロイドです。そのアンドロイドから自分の心を見つめた時、意外とストレスを過大評価していた事、感情がコントロール出来ていなかったことに気づくはずです。
日本人の大半は、うつや不安を体験しています。これは諸外国と比べても多いのは事実です。なぜ大半の外国人がとてもポジティブで明るいのか以前から私は関心がありました。ただし個人差は確かにあります。それは性格の違いや生育環境の違いなど考慮に入れてもです。よくラテン系の民族は明るくて活発だと言われます。クルマのフェラーリなどに見られる赤色のスポーツカーやブラジルのF1レーサー、アイルトンセナ(故人)など元気なイメージがあります。またハワイや南太平洋など太陽が燦々と輝く南国のイメージには暗いものはありません。例えば身につけている服装を見てみれば原色に近い明るい色です。これは気分を服に投影しているからで派手な服装はこころが元気だという証拠です。かと言って現地人に、うつの方がいないかといえば、そうではありません。しかしながら総じて諸外国には日本人より自殺率が低かったり、物の考え方がとても前向きなのです。以前、強迫神経症、不安神経症やうつは日本国民の民族病だと言われた事がありました。これは現在もそのような状態が続いてるのは事実ですし未来もそのような状況が続くことはありえるでしょう。その原因の一つに日本は地震国だということです。地震というのはいつやってくるのかわかりません。日本人は無意識にいつも地震におびえているのです。明日死ぬかもしれないという恐怖感が不安やうつの状態を加速させます。その反面、自分は地震が来ても助かるだろうという脳科学でいうジェネラリーバイアスが働いています。災害は地震だけではありません。台風や水害もあります。古来から日本人はこうゆう災害に悩まされ続けていました。その恐怖感が私たち日本人のDNAに刻み込まれているのです。日本人がこうゆう災害に対してやってきた事は、ただ祈ることだったのです。ただひたすら命が助かるように祈ってきたのです。日本に多くの神様や仏様がおられるのは、こういった訳なのです。そしてもう一つの原因が日本には四季があるということです。冬はマイナス0度近く、夏はプラス40度近くと1年を通じて最低でも20度以上の温度変化があります。これでは自律神経がものすごく乱れても当たり前なのです。自律神経の乱れはうつや不安を引き起こします。つまり温度湿度の変化はこころに変調をもたらします。最近、地球温暖化で1年を通じて快適に過ごせる日々が少なくなってきました。これは、気候変動がそれだけ心身に負担がかかるということなのです。つまり、うつや不安を助走させるということなのです。日本はベンゾジアズピン系の抗不安剤が世界で一番処方されている国です。これは欧米で処方されている量の二倍近くになります。それだけ日本人は不安な人が多いという事実を物語っています。抗不安剤の代表格であるデパス(商品名)という薬剤がありますが、これは欧米では全く評価されていません。つまり日本人には効くが外国人には効かないのです。これと逆のことも言えます。外国で治験された薬が日本に入ってきても日本人には効かない事があります。特にSSRIなど抗うつ剤などその効果疑問が顕著な例があります。そもそも外人と日本人のDNAや酵素の違いもあって効かない薬が増えているのも事実です。ここまで不安になる環境的変化について述べてみました。
この表題はあの有名なサン・テグジュベリの星の王子様からの一節です。私はこの言葉が大好きでいつも心の中で、事あるごとに繰り返し復唱しています。世の中にはキラキラと宝石のように輝き、実物が目に止まる物が美しいと思われがちですね。でも目に見えないものも考えてみてください。愛情、友情、感謝、思いやり、優しさなど人間にとって唯一無二、目には見えないけれども美しいものがあります。私は職業柄、こころというものを取り扱う仕事をしています。それは目に見えないものです。だから大切に大事に取り扱わないといけません。人間の心は壊れやすい、そうとてもデリケートなのです。私がいつも願っているのは、皆さんが心身とも元気で安らかである様、そして皆さんの願いがかなうよう。これまでよく生きるということは、どうゆうことなのか考えて参りました。それは目に見えないものを大事にするということだと思いました。