病院ライブの実現が色濃くなった頃に
我が子へライブの計画を伝えた。
「あのさ、
あのさ、
Sちゃん。
ザッハさんが、
ザッハトルテがだよ。
…ここの小児科まで来てくれるって!」
パチクリ…
「…えー!!すごーい!!!」
そうなのだ、すごいのだ、
こんなすごいことは
お母さんの人生でもなかったぞ!
※※※※※
ザッハトルテさんと我が子の出会いは
このブログを始めてから
いつか絶対書こうと思っていた。
我が子が3歳の初夏。
青空マーケットのメイン企画で
お御堂ライブが開かれた。
音楽好きな我が子が楽しめそう、と
その頃3人家族だった私達は
ふらりと足を向けた。
県内出身のデュオが前座?で歌う。
さすがプロだね、うまいね〜
ところでこのザッハトルテ、って
どんなんだろうね〜
と、楽に構えていた私達だが
その直後
我が子の人生を変える出会いがあるなんて
思ってもいなかった。
ギターとチェロとアコーディオン
世界でも珍しい取り合わせ、らしい。
『僕の左手、君の右手』
という曲で始まったのだが、
いきなり引き込まれる演奏に
夫婦目を合わせた。
ふと、我が子に目をやると
雷に打たれたみたいになっていた⚡️
瞬きをするのも忘れ
最後まで微動だにせず演奏に聞き入っており
アンコールではとうとう踊り出す始末。
私達は大笑いで
とても幸せな気持ちだったのを覚えている。
もちろん帰りにCDを購入し
車の中で余韻に浸りながら帰路に着いた。
家では早速YouTubeで動画を検索。
その日から
冗談抜きで
起きてから寝るまで
ザッハさんの動画を見まくり
菜箸2本でチェロの真似をしながら
何かが取り憑いたみたいに曲を聴きまくった。
なんなんだろう
この子をここまで突き動かすものは。
私達夫婦はお互い
アイドルにもジャニーズにもはまった事がなく、いわゆる追っかけというヤツをしたことがない。
しかし、我が子の情熱を感じ、
人生初、親子で追っかけを始めたのだ。
初めて神戸のライブに行った時はひどい雨で
開催するかどうかを
事前に問い合わせたのだが
わざわざ遠くから、とライブ後に
メンバーに会わせてもらい
益々私達はザッハトルテさんが
大好きになった。
我が子はおもちゃのバイオリンに
サインをしてもらって大満足!
ワンドリンク制で、時間も遅かった。
3歳の子ってダメですかねぇ…
全然騒がず、じっと見てられるんですが…
と、また問い合わせ。
本当は子供さんの出入りは「?」だけど
親御さんが良ければ良いですよ〜と。
お酒を飲む大人に交じって
オレンジジュースを飲みながら
スウィングやアイリッシュを聞く3歳児。
そんな珍しい、青いメガネの男の子は
すぐに皆さんに覚えてもらえて
それからはライブで、お客さんにも
声を掛けてもらえるようになった。
ライブ毎に一枚一枚増えていくCD。
宝物が増えていくたびに
キラキラ目を輝かす我が子。
曲を聴き込むほど募る愛と情熱(笑)
我が子を語るのに
ザッハトルテさん無しには語れない
そんな存在になっていった。