朝4時におこし
朝食を作り送りだした

朝になって、泥の跳ねたあとが沢山ついたドロドロのウエアをバケツに入れて私をみた。



兄も強豪校のサッカー部に中学から入った。
毎朝4時に起き、暗い中走り、シュート練習、リフティングの練習をした。
5年生でリフティングは1000回以上できた。

『将来の夢はサッカー選手』
夢と希望を持って入学したはずなのに、高校ではサッカー部に入らず、フットサル部に…。
サッカーは楽しんでやりたいと言っていた。

それなのに
私は、何度もサッカー部に戻ることを勧めていた。子供の成長を見守れないダメ母だった。

下の子は、兄とは違い自主練はほとんどしなかったが、負けたくない気持ちが兄の数倍強かったので外部のクラブチームで、一つ上の学年の試合にスタメンで出ていた。

それでも学校選びの時
『関東大会に出るような強い学校より、サッカーを楽しんでやれる学校が良いんじゃない?』
と兄の時とは違うアドバイスをしていた。


全国から推薦で入学してきた子ばかり。
『楽しんでサッカーしたい』と昨晩。
兄と同じ言葉…。

私は兄の時、楽しんでやるサッカーは遊びのサッカーの事を言っているのかと思っていた。
そうではなかった。

コーチは、俺たちの練習をするのが面倒だと思ってる。だから、ちょっとした雨でも中止にするし、体力をつける為と言って走りばかり。
一年の時と一緒。

どうせ練習試合位しかないのに、体力ばかりつけてどうなる?
少しはボールを蹴らしてほしい。

一軍、二軍、何軍まであるのだろうか?


コーチは
上の方の練習に頭がいっぱいで下の方なんてどうだって良いと、思ってる。
その気持ちが伝わってくるのに、体力つけるために走れって。
お前たちの練習は面倒だから走っておけとはっきり言えば良いじゃないか。

お前たちも頑張ろうぜ!
と真剣に言ってくれれば、本当に頑張るし楽しくなる…と。

それでも、毎日、朝4時起きで頑張ってる。
今だって真面目に頑張ってるよって、心が痛む。



昨日はお天気のはずなのに、
白いサッカーウエアに、泥跳ねがいっぱい。
前日の雨でグランドコンディションが悪かったのだろう。
走っただけ…
あと引退まで、そんなに時間がないのに。


コロナで沢山の練習が無くなった。

今親として出来る事は、
明るく送り出してあげる事。

心の中で、『頑張って』の言葉を繰り返しながら、笑顔で行ってらっしゃいと送りだした。