「みなさん、明けましておめでとうございます。
僕は今日から2カ月間、育休をいただきます」
1月1日から、念願だった育児休業に入ったタレント、
つるの剛士さん(34)。
元日に贈るメッセージを、晴れやかな笑顔で宣言してみせた。
つるのさんが「育休取得」を世間に発表したところ、
思いがけない反響が返ってきた。
「僕自身、そんなに大げさなことだと思っていなかったんです。
できれば1人目の子どもから取りたかったぐらいで、
当たり前という感覚だった。
世の中からこれだけのリアクションが来たことで、育休に対して人それぞれの考えがまだあることが分かった」
反響の多くは、浮き沈みの激しい芸能界での仕事への影響を心配する声だった。
国の調査では女性の育休取得率は08年度、9割を超えたが、男性は1・23%にとどまる。
「親や友達はむちゃくちゃ心配していました。
全く、大きなお世話です」とつるのさんは冗談めかしてみせるが、仕事にもマイナスではないという確信がある。
「むしろ、休み明けで仕事に戻った時、
持ち帰れるものが大きいと思う」
昨年11月、第4子、いろちゃんが誕生した。
出産に立ち会い、ビデオを構えながら生まれてくる様子を実況した。
妻の美紀さん(35)もリラックスし、「2人で笑いながら産んだような感覚です」と喜びを語る。
誕生からわずか53分後。自らのブログには、生まれたばかりのいろちゃんを抱き上げた父子の写真を載せた。
6月にベストファーザー賞に輝いたことが、育休を取る決断を後押しした。
授賞式の壇上、4人目の子どもを授かったことを報告し、「子育て休暇を取りたい」とサプライズ発言。
「せっかくすてきな賞をいただいたので、父親代表として一度経験してみよう」と思い立った。
さらに、03年に婚姻届を出してから挙げていなかった結婚式もしようと決意した。「子連れ婚」として、親類30人でグアム島に渡り、ウエディングベルを鳴らした。
クイズ番組の解答者として人気に火が付き、
3人グループ「羞恥心(しゅうちしん)」でブレーク。
以来、1日に番組8本をはしごするなど、年間2日しか休めない生活が続いた。
一方、家庭では妻が3人の子育てで、手いっぱいになっている。
「子ども2人までは両手で抱っこできたが、3人目からはどうしても手が足りない。
2年間、仕事で突っ走りすぎたところもあり、自分自身の整理もしたかった。
育休を取るべきタイミングだと思った」と振り返る。
◇おまえはパパとママの子どもだから間違いない
詠斗(えいと)君(5)、うたちゃん(3)、おとちゃん(2)、そして、いろちゃん。
子どもは4人とも、つるのさんの好きな音楽や絵にちなんで名付けた。
「日本語のまろやかさが伝わる名前を付けたかった。
頭文字の『いうえお』がそろったので、次の子どもに『あ』の付く名前を付けたい」と思っている。
つるのさん自身の育った環境も、4人の兄弟姉妹。
さらに、長男と妹3人という順番まで同じなだけに、偶然とは思えない。
「子どものころから仲がいい母ちゃん父ちゃんが自慢だったし、両親の背中を見て結婚っていいなと思っていた。
すごくシンプルですが、僕自身、いつも奥さんと一緒にいて、いい夫婦だなと思う。
だから子どもができるんだなと思って、必然性を感じています」
「おまえはパパとママの子どもだから間違いない」。
父親として子どもに伝えられる、最も自信のある言葉という。
「子どもたちに確固たる自信を付けてあげられるのは、親しかいない。
僕らの子どもがエリートになるなんて期待してないけど、好きな仕事に就いてほしい。
その可能性を見つけてあげるのも、親の仕事だと思っています」
いよいよ、家庭に入る。
「今までも手伝っているという感覚ではないんです。
気付いたら晩飯作ろうかとか、おむつを替えるとか。
それが一番自然だと思うんです。
これからはずっと家にいるので、
邪魔だと言われないように気を付けないと」
子育てに専念する2カ月は仕事の糧になり、
何より子どものためになる。
「子どもが大きくなった時、パパが育児に携わったというだけで威厳が保てる。
僕は、仕事と家庭を両立できていない人は社会人として認められません」
◇つるの・たけし
本名は鶴野剛士(読みは同じ)。タレント、俳優、歌手。
1975年、北九州市生まれ。
95年にデビューし、
97年「ウルトラマンダイナ」のヒーロー役に抜てきされる。
クイズ番組「ヘキサゴン2 クイズパレード!!」で結成したグループ「羞恥心」でリーダーを務め、活動休止後の09年、カバーアルバム「つるのうた」でソロ活動を始める。
著書にエッセー集「つるっつるの脳みそ」「つるのひと声」、読み聞かせ絵本「ぴっぴっぴー!」など。
育児生活はオフィシャルブログ「つるたけ日記」で更新していく。