先日、全世界的にアラガン社のナトレル133ティッシュエキスパンダー/ナトレル410ブレスト・インプラント(表面がざらざらでしずく型のもの)製品の自主回収が行われると発表がありました。

この発表を受け、日本でも該当製品が使用できなくなります。

 

これは、BIA-ALCL(ブレストインプラント関連未分化大細胞リンパ腫)の発症報告を受けて、FDAの指示により、アラガン社がグローバルに指示を出したことによります。

 

日本で乳房再建において保険適応となっているインプラントとエキスパンダ―はアラガン社のものだけになっていますので、2013年に人工物による乳房再建が保険適応になってからほとんどの患者様が、今回自主回収となった人工物を使用しています。

 

今回の発表を受けて、これからインプラントやエキスパンダーで乳房再建を行う予定の手術は中止になっています。

 

ただ、現在、手術を終えて、該当製品が挿入されている患者さんに対して、製品の抜去手術を推奨はしていません。それは、BIA-ALCLに発症リスクが低く、全身麻酔をかけて再手術を行うリスクの方が、BIA-ALCL発症リスクを上回るからです。

 

詳細は以下をご参照ください(アラガン・ジャパン株式会社ホームページより)。

 

ブレスト・インプラントおよび組織拡張器自主回収につきまして

ブレスト・インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫(BIA-ALCL) 患者様向けQ&A

 

エキスパンダーは今後、異なる製品を使用することになりそうです。

 

インプラントはスムース・ラウンドタイプ(表面がつるつるで円形のもの)が9月以降使用できるようになりそうですが、被膜拘縮が必発なので注意が必要です。

 

患者様にはご迷惑とご不便をおかけして申し訳ありません。

ご質問などありましたら、ご連絡ください。

 

廣川の外来復帰予定は以下ご参照ください。

https://ameblo.jp/eiko112636