双極性障害を患う方からの相談があった。

小学生の頃、兄から性的虐待を受けそれから生きるのが辛く学校でイジメにもあい自律神経失調症になり現在は双極性障害を患っていると言う。


患者「もし自分があの時、小学校の保健室の先生にでも相談できていれば私は変わっていたのでしょうか?でも誰にも言えなかった。言えていたらどうなっていましたか?」


私「そうですね、もし言えていたら、間違いなく児童相談所が介入し一時保護され『自宅には帰せない』と判断したされ児童養護施設などに行けていたかもしれないですね」


患者「児童養護施設にいけてたら、こんな風にはなってなかったかもしれない....。今でも、生きている意味がわからないから希死念慮に襲われます。今は休職しているし」


私「死にたくなる のか 消えたくなる のか、どちらですか?」


患者「どちらもです。医師からは散歩や筋トレを勧められたけどそれをやる気力すらなくて」


私「なるほど。兄からの性的虐待は辛かったですね。『もしあの時、ああしてれば』と言う考えになるのは当然です。◯◯さんのした体験はしなくていい体験です。するべきじゃない体験です。


もし、可能ならこう考えてみてください。

今後◯◯さんがいつかお仕事に復帰したとき、同僚に子育て中のお母さんがいてその方が何か(子どもの発達に問題がある、行動に問題がある、虐待問題など)悩みがあるとします。その時に◯◯さんが相談に乗ってあげる。そして、その同僚から『◯◯さんに相談して良かった』と言われると、貴女が抱えているトラウマが100%あるとして【誰かの役に立てた】と言う事実で1〜2%でもトラウマが軽減されたらどうでしょう?『自分と同じ経験をする子を減らしたい』という自己啓発的な思いから他人を◯◯さんの行動や助言をする事でご自分を癒すんです。

そうすると相乗効果で【生きてる意味】も実感できる。希死念慮も減るかもしれません。」


続けて私はこう言いました。


「精神疾患は“心の病”と言われますが、具体的には脳の伝達物質の異常です。今◯◯さんの脳は疲労しています。ドクターから散歩や筋トレを勧められたけどやる気は出ないのは気にしないでください。もっと自分ができる物、ハードルが低い物を取り入れてみましょうか?」


患者「あ、スクワットとダンベルはやってます!」


私「それで充分です!素晴らしいじゃないですか!スクワットもダンベルも『毎日やらなきゃ』と思わず、できる時にやるだけでいいです。

そして『今日一日、生き延びた自分』をたくさん褒めてあげましょう。今は自分に甘く優しくしてあげましょうね」


患者さんは『素敵な言葉をありがとうございました。先生いい事言いますね笑』とちょっと笑顔になりました。


【他人と過去は変えられないけど、自分と未来は変えられる】

私の好きな言葉です。

それを彼女に知って欲しかった。

そのために、これからどういう心持ちで生きていけばいいのかを噛み砕いて伝える必要があった。


次回の面談の約束をして、「先生大好きです」と言い彼女は笑顔で帰るのでした。