【ありがとうジャスミンローズ】 | 中舘英二オフィシャルブログ「“逃”稿日記」Powered by Ameba

【ありがとうジャスミンローズ】


土曜、日曜と僕は勝てなかった。
抜け出して完全に勝ちパターンに持ち込めたレースも、切れる馬に脚元をすくわれてしまったり…。
勝ちたいという気持ちが、少し強すぎたのかもしれない。


迎えた月曜、8レースで僕は戸田厩舎のチャイニーズフレアに乗ることになっていた。
そしてレース直前、僕の耳に入ってきた知らせ。

『ジャスミンローズが亡くなった…』

信じられない。
ショックだった。
ジャスミンローズはチャイニーズフレアと同じ戸田厩舎の所属の牝馬で、ここ3戦僕とコンビを組んで、2度逃げ切って勝っている。
血統的にも期待が大きかったし、精神面でもコントロールが利くようになってきていた矢先…。


アストンマーチャンのときもそうだったけど、まだこれからという馬がお母さんになれぬまま他界してしまう。
こういうことはつきものの世界だけど、何度遭遇してもやり切れない気持ちだ。

「ジャスミン、天国で新しい相棒を見つけるんだぞ!」


8レースの僕は、それまでのレースとは違った。
ジャスミンの悲報を聞いたからか、開き直ることができていた。
4コーナーまで内でジッと我慢して「届かなくてもいいや」ぐらいの気持ちで追い出した。
そしたら、矢のようにチャイニーズが弾けてくれた。
戸田先生も前日に京成杯AHを勝っていたけど、この勝利を同じくらいに喜んでくれて僕も嬉しかったよ。
「ジャスミン、ありがとうな!」


続くUHB賞のアキノパンチでも、僕は勝つことができた。
8Rの勝利で、精神的な余裕ができたのも大きかったかもしれない。
その力をよく知っているデビルズコーナーを前に見ながら、理想的なレースができたと思う。
最後に並ばれてからも、渋太い根性を見せてくれたし、この馬とは結構相性がいいね。


この2つの勝利は、ジャスミンが僕に与えてくれたようなもの。
「ジャスミン、心からありがとう。そして、いつかまた会うことができたら、一緒に大逃げしような!」