日曜日は2010年度オリンピック閉会式の放送を見て、驚いた事がありました。
オリンピック閉会式の言葉が、ASL手話により耳の不自由な人のために訳されました。
これはオリンピックが始まって以来の事だそうです。
私は高校時代に手話に興味を持ち、勉強した経験があります。思っていたより簡単で覚えやすいものでした。
調べたところ、手話には2種類あるようです。1つはASL手話(American Sign Language)というもので、これはアメリカ国内における標準語です。もう1つはSEE手話(Signed Exact English)というものです。SEEの方が国際的な役割を果たしています。
この2つの手話には違いがあります。
まず、ASLの方法。ASLは言葉を抽象的に伝えるのに使用します。大まかな意味を伝え、感動の伝達を重視します。一方SEEは、言われたことをそのまま直接伝えるという手段です。どちらの手話が良いかはしばしば争われる事があるようです。
ASLしか使えない人はSEEを使う人から人種差別を受けるケースもあり、
耳の聞こえない人は最近行われた劇で手話訳のお手伝いをしました。
これはかなり興味深い仕事です。
最初は耳の聞こえる手話訳者が役者の言ってことを聞いて、SEE (Signed Exact English)に直訳しました。そして、となりに立っている手話訳者が彼の手振りでASLに訳します。
例としてシェークスピアからのスピーチの一部:
"Friends, Romans, countrymen. Lend me your ears...."
SEEの訳は殆どそのまま:
「みなさん、私に諸君の耳を貸してください。」
その一方、ASLはもっと簡単で:
「今私を聞いてください。」
テープ起こしと映像字幕の仕事をやるたびに、直訳の不自然さにはよく気づいてしまう僕としては、やっぱりASLのほうに傾いちゃうかな。
この機会に、ASLが始めて世界舞台に認知され、偏見のない社会が少しでも早く実現されればなと思います。
http://www.timescolonist.com/life/Signing+Olympics/2621913/story.html
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