時事通信社では7月14日付けで以下のような記事を掲載していました↓
政府は新型コロナウイルス感染予防のワクチン開発が本格化したことを踏まえ、ワクチン接種の優先順位を定めた計画の策定作業に週内にも入る。医療関係者や高齢者らを優先させる案が浮上。これを軸に有識者による「新型コロナウイルス感染症対策分科会」(会長・尾身茂地域医療機能推進機構理事長)で議論し、秋までに取りまとめる方針だ。

こんな仕事に2ヵ月も費やすなんて、いかにもお役所仕事だなーと思いました。私なら1日で完了できますよ。といっても私は感染症専門医でもなければ、公衆衛生の専門家でもありません。人気の無いブログを書いている、ただの暇な一市民です(笑)。

World Health Organizationでは、先月18日に以下の文書を公開しています。このPDFがあるウェブのURLを分科会メンバーにメールすれば済むことでしょう。1ヵ月前にWHOが作った内容の文書を一から策定する必要は無いのです。

A GLOBAL FRAMEWORK TO ENSURE EQUITABLE AND FAIR ALLOCATION OF COVID-19 PRODUCTS
And potential implications for COVID-19 Vaccines
WHO Member States briefing




新型コロナウイルスに対するワクチン開発で世界最先端にいるのは、たぶんModerna社だと思います。7月14日に「An mRNA Vaccine against SARS-CoV-2―Preliminary Report」という論文がNew England Journal Medicine誌に発表されており、良好な結果が得られているようです。さらに、今月末から第3相臨床試験を始める予定らしいです。一方、日本では6月30日に第1相試験が始まったばかりです。

アメリカ、ヨーロッパ、中国のいずれが最初にワクチン開発に成功するか分かりませんが、彼らの優先順位をマネすれば良いのです。WHOでも優先順位に関するガイダンス文書を必要に応じて改訂するでしょう。それを読んで、マネすれば良いでしょう。今、分科会を開いて日本独自の指針を作るヒマがあったら、他の問題を議論して欲しいです。



話は変わりますが、2011年のアメリカの医療スリラー映画「Contagion」を見ました。香港で発生した謎のウイルスMEV-1が米国で感染拡大する様子を描いた映画で、今世界中で広がっている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に似ているので話題になりました。

MEV-1がSARS-CoV-2と違う点は、SARS-CoV-2感染の主症状は肺炎・呼吸困難ですが、MEV-1感染では脳炎と痙攣が起こります。映画の中では患者が白目を向いて痙攣する様子が描かれています。これは、人工呼吸下で静かに死ぬより恐怖感を煽れるという演出でしょうね。

映画「Contagion」の最後にはワクチンが開発され、市民のワクチン接種順番はlottery(くじによる抽選)で決めていました。ちょっと笑えました。日本の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」でも「くじ引き抽選」で順番を決めるのかな?


《後記》
映画「Contagion」は「英会話イートレック ☆ 世界を歩く」というブログでも紹介されていました。そのブログは、6月15日「ブログサービス終了のお知らせ」を最後に更新を止めています。株式会社イートレックには「いろいろな部門」があるそうですが、ブログサービスは提供していません。ブログサービスを終了するのではなく、単に自分のブログ更新を止めるという意味です。「我々社員の方でも楽しみながらブログ記事を書き」と主張していますが、社長(通称 田村康治さん、本当は田村貢治さん)が一人で書いていました。最後の最後までそんなに見栄を張らなくてもいいと思うのですが。英語で我々(We)は複数です。ブログをひとりで書いている場合は「(I)、単数」です。

私達: We, plural

私: I, singular