ネイティブが日本人英語の誤りを指摘する本のなかには、実にくだらない指摘があります。「ヤクザでもこんな難癖はつけてこないだろう」と思うような指摘もあって、唖然とすることがあります。


キャサリン・A・クラフトの「日本人の9割が知らない英語の常識181」には、非常に不愉快な指摘があります。「082 何か質問はありませんか?」では、

日本人英語
× Don't you have any questions?
ネイティブの英語
Do you have any questions?

 

「何か質問はありませんか?」や「ここまでで質問のある人?」などは、学校の英語の授業や職場ミーティングでもよく聞く言葉です。それに対する日本人英語がDon't you have any questions?

 

そんなことを言う人に、私は出会ったことがありません。中学生でもDo you have any questions?ぐらい知っているでしょう。と思って調べてみたら、「夢をかなえる英単語 新ユメタン0 中学修了~高校基礎レベル」の085でDo you have any questions?(何か質問はありますか)が掲載されています。この程度の英文を日本人の9割が知らないと思っているのでしょうか。

 

 

同じく、「101 申し込み用紙に記入してください」では
日本人英語
× Please write the application.
ネイティブの英語
Please fill out the application.

 

「神崎正哉の新TOEIC TEST ぜったい英単語: 毎回出る頻出単語とスコアアップの急所」によると、


句動詞のfill out「記入する」はTOEICで頻出です。
Please fill out / complete the following questionnaire.

 

でしょうね。わたしもそう思います。この程度の表現を「日本人の9割が知らない英語」として取り上げるのはおかしいです。