“私に花は咲くのだろうか”
そう、少女は呟き
彼女は彷徨っていた。
何も見えない暗闇でずっと彷徨っていた。
「どうすれば…どうすれば…」
すると、誰かにぶつかった。
暗闇で何も見えない。だが、何か見えそうだ。
「にひひっ」
その人が笑うと周りが明るくなった。
そして、ささやかな心地いい風が吹いた。
「あなたは…?」
「さぁーな」
不思議な人だ。
無愛想なのだろうか、だが最初にみた笑顔が脳裏に焼き付いている。
「花ってどうやって咲かせるんですか。私、花を探していて。」
突然、問いただした。
彼は困るような素ぶりも見せずそっと答えた。
「雨が降らないと花は咲かないから。」
少女にはわからなかった。
「ふふ、いつか分かる」
そういい。彼は去った。
それは何年も前の話。
今なら分かる気がする。
今なら…?