何年ぶりかは忘れましたが、歌舞伎を観て来ました。

　たまたま優待券を入手できたので、行ってきました。私は、歌舞伎を小さい頃NHKテレビでよく見てました。父親が大好きで、とくに新年は京都南座の「顔見世」を見るのが楽しみだったのです（小さい私はいつも留守番でした）。親戚の叔父さんが京都の南座で「＊＊屋！」とか大声で掛け声を美声で発していたこともあり、家族・親戚でNHKテレビの歌舞伎をよく見ていたのです。

　やはり十八番の「勧進帳」は強く記憶に残ってます。白紙の巻物を勧進帳として適当に弁慶が読む緊張感、義経が危うく富樫に見咎められて、弁慶が苦悶の思いで主君義経を叩きのめす悲壮感、そして最後に「飛び六方」で大盛り上がりで拍手喝采の大定番劇を覚えています。

　今回も、おおまかには同じですが、60年近く前とは、なにか違いました。

　まず、勧進帳を読む場面が意外と淡々としてました。昔は、もっともっと、もったいぶって、冨樫も、もっとしつこく疑っていたと記憶してますが、今回は、それなりに弁慶は苦しんで、冨樫も迫ってはいたのですが、昔ほどではなかった気がします。

　また弁慶の義経叩きも、こづいた程度で終わりました。昔はもっと粘って、泣きながら罵倒しながら叩きのめしていた気がします。

　一方、「飛び六方」は、変わらなかったです。本当に60年前の記憶がスパッと蘇ってきて、感動しました。

　また役者さんの名前も同じですが、歌舞伎に足繁く通ったわけでないので、何代目の方かよくわからなくなってました。

　松本幸四郎（弁慶）さんは、私のなかでは市川染五郎（松たか子のお兄さん）さんのままでした。私のなかの松本幸四郎さんは松本白鸚さんなのです。（「吉野川」の尾上松緑さんは私のなかでは尾上辰之助さんでした。）でも、なぜか尾上菊之助さんは、父親（尾上菊五郎：藤（いまは富司）純子の旦那さん）そっくりなので、まったく違和感を感じませんでした。

　何を書いているのか、自分でもわからなくなりましたが、とにかく、私は冨樫（尾上菊之助さん）に感動しました。本当に昔の歌舞伎らしい、こぶしというか抑揚というか、甲高い粘り声に対して、60年前にタイムスリップした感動を味わえました。もちろん、弁慶（松本幸四郎さんの声ではなくて、舞いと「飛び六方」ですが）も昔と同じです。

　政治の世界では、世襲はそろそろメッキが剥がれてきたようですが、歌舞伎は、まだまだ役者の世襲が伝統として、いや芸の伝承として続いているようです。

　そして今日はひとつも「＊＊屋！」という掛け声がありませんでした。実は、私はひそかに「高麗屋！」（弁慶の松本幸四郎さんへ）、「音羽屋！」（尾上菊之助さんへ）といった掛け声を出す機会を狙っていたのですが、流石に誰も掛け声を出さないので、できませんでした。そういえば、となりのオバサンは有名な場面以外では寝てましたし、前は若いカップルでイアホンガイドを聴きながら観てました。時代（お客さんも）は確実に変わったのかもしれません。

PS)

「吉野川」は余りに残酷なお話で書くのはやめましたが、久しぶりに坂東玉三郎さんを拝見しました。74歳ですので、あの大昔の華やかさは影をひそめて、本当に本物の女性が歳を重ねたように演じてました。50年前しか私は覚えていなかったので、まったくの別人でしたね。

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　いよいよ、明日は正念場かもしれません。株が暴落して２番底になってくれるかどうかで、今月、来月の株価が決まりそうなのです！？

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