今日の深夜に奴が姿を現した。
まさに神出鬼没いつどこから現れるか分かったものじゃない。
奴は突如現れ人間にトラウマを植え付ける。まさに害虫だ。
僕は奴を見つけてすぐさまゴキジェットを取りに向かった。
ゴキジェットは僕の部屋の隣の隣の部屋にある。
ゴキジェットを取り部屋に戻ると、もう奴の姿は無かった。
たったの1分の間に奴は姿を消した。
僕は奴が隠れそうなところをしらみ潰しに探していった。
本棚の裏、箪笥の下、カーペットの下などありとあらゆるところを探した。
だが依然として奴は姿を現さなかった。
奴は人間が敵わないほどの隠れるスキルを持っている。
だからこちらから探すのは諦め、誘きだす作戦を実行した。
ただ部屋を暗くし、その場で僕が息を殺し奴が出てくるのを待つだけだ。
この作戦は簡単で単純、しかし確実だ。
僕はこの作戦に自信を持ち、奴が姿を現すのを待った。
作戦自体は簡単だが、この時間はとても暇で苦しいものだ。目を離せば奴が現れたかどうか分からない。
目線だけを動かし静かに待つ。
まるで世界でこの空間だけ時間が止まっているかのような錯覚に陥った。
だがそんな時間の止まったかと思える静寂の空間で、1つだけ動いているものがあった。
奴の触覚だ。
遂に姿を現した。
静寂はその瞬間壊され、僕とGとの戦いが始まる。
まずゴキジェットを撃ったとしても一撃で仕留めなければ逃げられる。
なら撃ちやすい場所に誘導するのが先だ。
俺は棚を揺らすなどをして奴をどうにかゴキジェットを当てやすい位置まで誘導した。
そして当てやすい位置に奴がたどり着いたその刹那、俺はゴキジェットを噴射した。
確実に命中し、致命傷を与えただろう。
その後奴は棚の後ろに落ちていった。
勝った。
深夜にも関わらず俺ははしゃぎ、奴の死体を確認した。
しかし、奴の死体は無かった。
あの一瞬で逃げれる訳がない。
なら一体何処に。
神隠しの如く奴は消え、この勝負に決着がつくことはなかった。