これはおススメというよりかは、記録用にと思って書いています。
というのも、映画としてそこまで面白い作品ではなかった。。(笑)
ただこの分野に興味のある人には興味深い内容かと思います。
世界一有名な社会心理実験であるアイヒマン実験についての作品。
第二次世界大戦後の世界で、アイヒマンという男が戦争裁判にかけられます。
彼はあのアウシュビッツでの大量虐殺を含むホロコーストを指揮した人物で
虐殺への責任を問われ「命令に従っただけだ」と主張しますが
1961年に死刑判決が出て絞首刑で人生を終えます。
そのアイヒマン裁判の1年後
アメリカのイエール大学で「アイヒマンは本当に命令に従っただけなのか」を確かめるべく行われたのがミルグラム博士によるアイヒマン実験でした。
その結果は世界中に大きな衝撃を与え大論争となり
また実験倫理の面で一石を投じたために、後世に名を残しています。
私も心理学の講義で聞いたことがあって今でも教科書には必ず載っているので、本作を観ました。
実験内容としては、被験者に電気ショックのボタンが並んだところに座らせ
壁一枚隔てた部屋にいる男に対して指定したクイズを出してもらいます。
間違えたら電気ショックのボタンを押し、徐々にそのショックの強さをあげていくというルール。ボタンを押すたびに向こうの部屋の男は雄たけびをあげ、もうやめてくれと懇願します。
途中で被験者が「やめた方が良いのではないか」と聞いた場合には、静かに実験者が「続けてください」と言い続けます。最後にはまったく音がしなくなるなか、果たして何人の人が最大まで電気ショックのボタンを押すのか、という実験です。
(向こうの部屋の男は被験者には知らされていませんが実験者サイド。声の演技をしているだけで、電気ショックは流れていない)
そして、、、、
実に60%以上の人が、最大までボタンを押すという結果に。
イエール大学という名門校の実験である事を隠して行ったり、国を変えて行ったりとその後何度も再現がなされますが、全て同じ結果となったそう。
この実験のミソは、被験者はやめようと思えば自分の一存でやめられた、という部分です。実験者の指示に背いて何か罰があるわけではありません。
それでも人は、指示をされれば人に残酷なことを行う
殺したかもしれないと分かっていてもなおボタンを押し続ける
という事を実証してしまったわけです。
裁判で戦争犯罪人として裁いたあの人も、あの人も
立場が同じなら6割の人が同じことをしたのではないか
これは重要な問いだし、我々が戦争から学ばねばならない教訓である と結論づけた。
ここまでが教科書に載っている知識です。
この実験の全貌と、そもそもミルグラム博士ってどんな人だったのかという部分を描いたのが本作でした。面白さはないですが、博士の人となりと実験の余波について知るにはこれ以上ない作品だと思います。ご興味おありの方は是非。