映画の感想つれづれ日記

映画の感想つれづれ日記

映画を観て自分なりの感想を綴っています。
ちょっと辛口なコメントもたまにありますが。。素直に感じたままに表現しています。

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もう何度見直してるだろう。。
なーんか気分がイマイチ、モヤモヤしてるときにムショウに見たくなる。

この作品は、「気持ちが落ちててなんだか憂鬱」なときにおすすめです♪

見終わって、こんなに充実感を味わえる作品も稀だ。


フィンランドの風景、
北欧デザインの食器やファッション、
香りまでしてくるような美味しそうなフードたち。。

見所が多々ある作品だけれど、
なんといっても一番の魅力は、主人公のサチエ(小林聡美)さんだと思う。

サチエさんの人との接し方、
他人の気持ちへの寄り添い方が、絶妙な距離感で、
クールなようでいて、ちゃんとそこに温かい愛を感じる。
なかなか実在してる人でこんな人はいない。

思いつきで行動しているようだけど、
芯がしっかりしていて、ちゃんと大事なことが何かわかっている。

サチエさんの姿を見るたび、
ピシっ!と背筋を伸ばされる感じだ。


そしてなんといってもエンディングで流れる曲、
井上陽水の「クレイジー・ラブ」

最初は違和感を感じたこの選曲、
不思議と見るたびに、理由もなくこの作品にぴったりだと思うようになった。

今回なんて、イントロが流れ出すと、
ブワッと鳥肌が。。
何なんだ?この感じ。。

歌詞にある「粋」と、
サチエさんの生き方がリンクする。


やっぱり何度見てもいいもんはいいな~

https://www.youtube.com/watch?v=UFCdvfp1POU




 

これは「グレート・ビューティー」というタイトルにも期待を裏切らない、
稀有な作品だ。。

皮肉、賛美
古いもの、新しいもの
憎しみ、愛しさ
老い、若さ
騒、静
損失、希望

相反するように思えること全てのものを
丁寧に織り交ぜられた絹糸の織物のような。。

そこに広げられる人生のコントラストを
丁寧にすくいあげて
ローマというキャンバスに描かれた映像美に魅せられた。

「老い」を辿らなければ見えない景色が
ここに描かれていた。


愛を語るフランス語というけれど、
イタリア語は、追憶を語る言葉なんだなぁ


パオロ・ソレンティーノ監督、
きっと ここが帰る場所』の監督だったのか・・
この監督の作品は映像に魅せられ、
音楽の使い方にもセンスがあってとってもタイプだ。
 

宮崎駿監督が引退して、
もうジブリも終わったのかぁ。。なんて思ってるアナタ、
もうジブリ作品は観るつもりはない、なんて断言してるアナタ、
この作品を観過ごすなんて、なんてもったいない!

これは、新たなジブリの世界の始まりを確信しました。

「借りぐらしのアリエッティ」で監督デビューした米林宏昌、
こんなに才能がある方だったんだと改め直しました。

相変わらず素晴らしすぎる美術。
今回は夏の夜の海辺と、月明かりがとても印象的でした。

恵まれない生い立ちの主人公の少女、杏奈。
12歳の過敏な少女の複雑な心情が、ひしひしと画面から伝わってきて、
気づくと涙が溢れ出し止りませんでした。。


この不思議な物語の世界観を見事に表現していて、
あっという間に画面の中に引きずり込まれ、
エンドロールが流れる頃には、
この物語の世界にどっぷりと陶酔して、
プリシラ・アーンのエンディング曲とともに、長い余韻を味わえました。。

いやぁ、まいった。。
世間の評判はよかったけど、期待は薄く、
まったく想像もしてなかった感動を味わいました。。

ただ一つ、苦言するなら、
おばちゃん役の声に違和感が。。
ラストでその声が松島奈々子だとわかり納得。
このおばちゃんの声は、もっと苦労感があるほんとのおばちゃんにしてほしかったなぁ。。


観る予定でない宮崎駿贔屓のアナタ、
最後にもう一度言いますが、
この作品を見逃すのはとんでもなくもったいないです。



photo:01


photo:02



ジリジリとした夏の昼間、
アパートの部屋で絡み合う男と女のシーンで始まる冒頭。

この二人の絡み合うシーンは、この後も何度か登場するけれど、何故か快楽を求めているようには見えない…
何かを覆い隠すかのように体を重ね合う二人…


隣の部屋の息子殺害事件をきっかけに、徐々に明かされていく二人の過去。

「あなたに、私たち夫婦の何がわかるの?」

これは真木よう子の台詞だけれど、
おそらくこの世の夫婦、カップルすべての人たちが思うことではないだろうか。

男と女の関係というのは、他人から理解できるものではないと常々思う。

お互い悪口を言いあっていた会社の同僚が、何年後かに結婚したり…
想像もしなかった二人が電撃結婚したり…
ワイドショーでは妻の浮気が原因で離婚したカップルが、実は知られていない二人だけが知る事実があったり…?

夫婦の関係というものは、家族や親友にも理解できるものではないのだろう。

その男と女の究極の関係というものを、この作品は描こうとしていたように感じた…。


憎しみという感情を消すためには、
それ以上の深い感情が必要だろう…

きっと、こういう道のりを辿らなければ出会えなかった関係もあるのだろう…。


この作品にもし、別のタイトルをつけるのならば、
私は「運命」としたかもしれない…

人は想像もできない出会いをすることがある。

真木よう子の情感ある歌声とともに、
深い余韻が尾を引く見応えある作品でした…。




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この作品のレビューでは、賛否両論分かれている。


実際、私自信も鑑賞し始めて、
予告編のイメージと違う。。と少し戸惑った。


けれど、エンディングでは、
周りのざわめきの中、なかなか席を立てないくらい、
胸を打たれ感動していた。。



 

宮崎駿監督作品への世間の期待は、
政治家へ抱く期待と同じように感じる。


期待を裏切られて落胆し、批判、中傷する。


確かに国の未来を動かしていくのは政治家だけれど、
この国に生きているのは自分自信なのだ。



個人一人一人が豊かで幸せでないのに、
その国は豊かでシアワセな国になるのだろうか?

 

宮崎駿は政治家ではない。
人々に夢を与える作品を創りだす映画監督だ。

 


宮崎駿監督が、震災後の日本で、
何故いま、この作品を創ろうと思ったのか。

いや、何故この作品を創らなければいけないと思ったのか。。



 

時代設定は、今の日本よりももっと貧しく、
不安や様々な矛盾を抱えた、閉塞感激しい時代。


そこに生きる堀越二郎という実在の人物を描いている。


「全体には美しい映画をつくろうと思う。」
と企画書にあるように、
この作品には美しいものたちが描かれてれていた。



空に浮かぶ濁りない真っ白な雲、
澄み切った水、
みどりの多い日本の田園風景。


菜穂子と二郎の真っ直ぐでひたむきな姿。


それらを浮き立たせる久石譲の音楽。


そして、カプローニおじさんが登場する二郎の夢の世界。


最も美しいと感じたのは、
この二郎の夢に対する姿勢だった。



自分の夢に忠実にまっすぐ突き進んむ二郎。



“風立ちぬ、いざ生きめやも”



この作品は、
「零戦」を美化して描きたかったわけでも、
菜穂子と二郎の純愛をテーマとしたものでもない。




ジブリ初の大人へ向けたアニメーション作品となる「風立ちぬ」


何故、頑なに大人向けアニメーションを創ることに反対していた宮崎駿が、
今回初めて大人へ向けた作品を選んだのか。



ジブリの制作室に隣接する社員用の保育園。
そこで遊ぶ子どもたちを眺めながら、
宮崎駿は何を思って決断したのだろう。。


 

コピーは毛筆で力強く描かれた『生きねば。』



たとえどんな時代、どんな苦境の中でも、
自分の夢に真っ直ぐに、前に進み、生きてきた堀越二郎。



これは、いまの時代を生きる大人たちへの
宮崎駿監督からのエールだと感じた。


 

宮崎駿という偉大な映画監督と同じ時代に生き、
リアルタイムで作品を鑑賞できることに、
いま一番シアワセを感じている。。



 

※『風立ちぬ』企画書
http://kazetachinu.jp/message.html




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監督 ラージクマール・ヒラーニ
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今やIT大国となってしまったインドの、
その影に潜む社会的テーマも織り込まれながら、
笑いあり涙ありのハリウッドも顔負けの
見事なエンターテイメント作品だった!


人生の希望や絶望を、
喜怒哀楽すべてがたっぷり濃厚に詰め込んで描かれているこの作品。


オーバーな演出にちょっと極端なストーリー展開、
時にミュージカルになったりで、
本来なら引いてしまいそうな展開に、
気づけばどっぷりハマってしまってた。。


何なんだ?この吸引パワーは?!

 

この作品の最大の魅力となっているのが、
破天荒な大学生ランチョー


成績が全ての競争社会の中、
「きっと、うまくいく」の一言で
すべての壁を超えていくランチョー


まるで坂本龍馬を思わせる、
理不尽な現代社会の仕組みに、
バッサリと叩きつける刀裁きに、爽快感!


インド映画って、こんなに笑いのセンスがあったんだ?
と意外な驚きの連続。



悪役が何故かみんなしゃくれで、
アゴをガクガクしながらしゃべる姿が妙に滑稽だったり。笑



主役の現役大学生を演じている
ボリウッドのスーパースター、アール・カーン、
なんと実年齢は48歳だとか。。
これにもびっくり!


恐るべしボリウッド!


辛いことや苦しみが多いように思われるこの世の中、
ランチョーのような男が、
「きっと、うまくいく!」と後押ししてくれたら、
ほんとにすべてのことがうまく運んでいく気がする。。


ちょっと元気がほしいときに必要な、
まるでカンフル剤のような作品だった。




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【監督】
 ポール・トーマス・アンダーソン
【キャスト】
ホアキン・フェニックス
フィリップ・シーモア・ホフマン
エイミー・アダムス
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鑑賞中ずっと、眉間に皺寄せて観てたという感じだった。。


フィリップシーモアホフマンのいかがわしく怪しさ全開の演技に、
すっかり騙された。。


というか、
勝手な思い込みをして鑑賞に臨んだのが悪かったのだけれど。。



てっきりこの作品は、
信頼していたマスターに、巧妙に騙される男の話かと思っていた。


実際は全く違って、
騙すとか騙されたとか下心などは一切なく、
二人の男が真っ向から向き合った人間ドラマだったのだ。



これは観ていてかなり疲れる作品だった。。


第2次世界大戦直後のアメリカが舞台というのもあるかもしれないが。。


ホアキン・フェニックス演じるフレディは、
精神障害のある帰還兵


一方のフィリップ・シーモア・ホフマンが演じるのは
新興宗教の教祖、マスター


このある種壊れた二人の人間、
その壊れ様を延々と、お互い進化することなく繰り返される。


 

“海にさまよい浮かぶ一隻の船、
操縦するのは、壊れたドライバー


行き着く先は、誰にもわからない。。”

 


鑑賞後、暑さもあってかぐったり疲れて劇場を後にしたのだれど。。


後で振り返ってみると、
不思議と残像がくっきり残っている、そんな作品でした。



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photo:01



辰巳さんの食に対する考え方に共感して、よくレシピや本は見ていたけれど、
このドキュメンタリーでは、
その食への向き合い方の真髄を深く掘り下げ、見せてくれていた。


辰巳さんは食に関わるもの全て、
野菜、土、その生産者さんたちに対して、常に感謝の気持ちを持って、
その野菜たちを調理していた。

相手の気持ちを考えて、とはよく言うが、
辰巳さんの場合は、
野菜たちの気持ちを考えて調理しているのだ…

なるほど、
だから人に訴える料理を作り出せるのかぁ…


食を考えるということは、
農、生産者、
そしてそれらが育つ土を見つめることに繋がっている。


辰巳さんの作るスープは「いのちのスープ」と言われているけれど、
それは決して大袈裟なことではなく、
実際に、誰かの命のスープとなっている。


辰巳さんのスープレシピを取り入れた病院の院長が言っていた、
昆布、梅の味を味わって、
その味覚の記憶を思い出すんです。

一杯のスープから、
その人たちの記憶の物語が広がっていくのだ。


食は人のいのちを養っているもの。

食にこだわるということは、
人のいのちに対しての尊厳にも値するのだろうと思う。


今の世の中、
簡単に、手軽に、という食べ物が支持され、そういう類のものが広く出回っているけれど…

辰巳さんの作り出す料理は、
それらとは真逆のものだ。
手間をかけて丁寧丁寧に作り出される。

どちらを選ぶかは、
これからの生き方を選ぶことに繋がっていくのだろう。




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【監督】バズ・ラーマン

【キャスト】
レオナルド・ディカプリオ
トビー・マグワイア
キャリー・マリガン
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オープニングタイトルを見て思った、
これは“おとぎ話”の始まりだな。。

まさにそこから先は、
ギャツビーの創り上げた世界の始まりだ。


シンデレラ城のような豪邸で
夜毎繰り広げられるパーティーシーン。
バブル期のジュリアナのようだ。。苦笑

お立ち台で踊るセレブな客人たち、
おもわずレディー・ガガが混じっているんじゃないかと探した。。

このど派手な演出はなるほど、
『ムーラン・ルージュ』の監督かぁ。

しかし、ラップ音はなんだか耳に痛いだけだったなぁ・・



この作品で一番印象的だったシーン、
それはギャツビーの登場シーン!

高原の涼しいさわやかな風が吹いたかのような、
涼しげな眼差しと笑顔で登場するディカプリオ。

これほどまでに涼しい眼差しと、
同時に怪演をやりこなせる俳優は、
レオ様以外に頭に浮かばない。。

それほど、
このギャツビーの役は適役だったと思う。



“男のロマン”とはよく言うが、
男と女では、
圧倒的に男の方がロマンティックだと思う。


男は自分の理想、夢に生きている生き物、
女は現実に生きる生き物だ。


それをマジマジと見せつけられた感じだった。

これを観て、
社会人になって間もなく、若くして結婚した友人の事を思い出した。


彼女は元彼との関係が切れないまま、
新しい彼の銀行マンと付き合いだし、
しばらく二人の男の間で気持ちは揺れながらも、
結局は、その銀行マンとの結婚を決めた。


その理由は、
彼女曰く、「経済的な安定」だった。

その当時、流行歌のような恋愛をしていた自分にとって、
彼女の割り切った大人の決断に、
とても驚いたのを覚えている。。

今思い返せば、
それは大人の決断ではなく、
女の決断だったんだなぁ。。



キャリー・マリガンはとってもキュートだった♪
『17歳の肖像』から、そのキュートさは変わっていないな。



ギャツビーの登場シーン、
誰かYouTubeにアップしてくれないかなぁ~
それだけでこの一年を生きていける気がするんだけど。。苦笑




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両脚を失い絶望した女性が、
ひとりの男性との出会いを経て再び人生に希望を見出していく姿を描いた人間ドラマ。
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他の作品と迷って劇場へ足を運んだのだけれど・・
これはいい意味で予想外の作品だった。

ポスターやあらすじのイメージからでは、
両脚を事故で失った女性の再生への物語のように見える。

確かに、それもあるのだけれど・・

基本はアリ(男性)とステファニーのラブストーリーだ。


男女の関係では、
優しいから、思いやりがあるから、頼りがいがあるから・・
等もろもろの理由で惹かれあい、付き合っていくのが一般的だけれど。。


その人の“存在”自体が、
自分の生きていく意味となる場合もある。

アリという男は、
本能そのままに生きているような男で、
まぁいわゆる子供がそのまま身体だけ大きくなったというか、、
動物的というか、、

中身のないバカ男のようだけど、、

このワイルドさ、
妙に女心を惹きつける。。


この俳優さん、渋川 清彦に似てるなぁ・・



人生に絶望し、
明日へ向かっていく気力もないときに、
その人の存在によって、
自分の中で明日への生きる意味がまた芽生え出す。

人と人との関係は様々だ。

相手の存在によって、
自分がより確立される関係もある。


人と人との出会いが、
ほんとは奇跡的なもので、
こんなに素晴らしいことなんだと、
じんわりと沁みました。。


ありきたりな再生物語やラブストーリーになっていないところが、
フランスらしい!



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