――不器用に愛した二人がたどり着いた“優しい別れ”
竹内涼真×夏帆コンビが本当にハマっていて、毎週楽しみに見ていたこのドラマ。
最終回を見終えたあと、なんとも言えない切なさと温かさがじんわり残りました。
笑って泣けて、でも最後はちょっと胸がきゅっとする…そんな“大人の恋物語”でしたね。
■ 勝男の変化が温かくてたまらない
勝男は、まさに“昔ながらの男像”で育ってきた人。
「男はこうあるべき」「料理は女の仕事」なんて価値観を疑いもしなかったのに、
鮎美と向き合う中で、少しずつ、でも確実に変わっていきました。
慣れない手つきでキッチンに立ち、焦げたフライパンと格闘していた頃の勝男が、
最終話ではちゃんと相手の気持ちを考えられる人になっていました。
優しさの根っこは最初からあったんだ、と分かる瞬間がたくさんあって、
「勝男、よくがんばったな…」と自然に応援したくなる存在でした。
■ 鮎美の“自分を取り戻す旅”に共感しかない
鮎美もまた、自分を抑えて生きてきた人。
勝男に嫌われたくない一心で、
自分の気持ちを飲み込み続けていた姿には、心がチクッとしました。
別れて、戻って、また別れるまでの流れは辛かったけれど、
その過程で鮎美が“本来の自分”を少しずつ取り戻していくのが丁寧に描かれていましたね。
■ 復縁→破局の流れがリアルすぎて胸が痛い
最終回、一度は復縁した二人。
でも、そこで終わらなかった。
「ありがとう。終わりにしよう。」
この言葉の重さと優しさに、思わず沈黙してしまった視聴者も多かったのでは?
ストーリーとしては納得できるし、美しくもある。
だけど…ちょっと寂しい。
まるで自分の恋の記憶を刺激されるような、そんな“ずしん”とくる別れでした。
■ 最後の90秒が本当に切ない
犬と遊ぶ勝男。
そのすぐそばを通る鮎美。
でも、出会わない。
ずっと偶然に導かれてきた二人が、
最後の最後で出会わないという演出に、胸がぎゅっとつかまれました。
「この二人は、運命じゃなかったんだよ」という、
監督の静かなメッセージのようで、とても印象的でしたね。
■ 続編がもしあるなら…
二人の恋が再び動く形ではなく、
それぞれの“次のステップ”の物語を見てみたいなと思いました。
たとえば――
・勝男×南川ちゃんの優しい関係
・鮎美が仕事で成長していく姿
・椿やミナトのスピンオフ
こんな方向なら、きっと今作の雰囲気を壊さず、さらに面白くなるはず。
■ まとめ:この別れは“悲しい”けど“間違いなく成長”
お互いを好きだからこそ、無理に続けない選択をした二人。
それは不幸ではなく、むしろ“優しい結末”だったのかもしれません。
不器用だった二人が、不器用なまま変化し、
ちゃんと自分の足で立つ未来を選んだ――
その姿は、どこか前向きで、希望すら感じました。
『じゃあ、あんたが作ってみろよ』は、
ただの恋愛ドラマではなく、
“価値観のアップデート”を描いた大人向けの名作だったと思います。
もし続編があるなら、もちろん絶対観ます。
そして続きがなくても、この余韻はしばらく心に残り続けそうです。