人生は驚きと幸せのワンダーランド!


『ワンダーストラック』
1977年のミネソタ。母を事故で亡くした少年ベン(オークス・フェグリー)は、おばに引き取られて暮らしていた。
ベンは父の顔を知らず、おばに聞いてもいつもはぐらかされてばかり。
ある日、母の遺品から父の手掛かりをみつけたベンは、おばに内緒で出かけることを決意。
その50年前、聴覚障害を持つローズ(ミリセント・シモンズ)は、厳しい父と二人暮らし。
ある日ローズは、ひそかに憧れていた女優に会うため、一人で旅に出ることに‥‥。

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「キャロル」などのトッド・ヘインズが監督です。
「ヒューゴの不思議な発明」などのブライアン・セルズニックの小説が原作だそうな。

50年前の、聴覚障害を持つ少女ローズと
その50年後に生きる、事故により突然聴覚を失ってしまったベン。

50年の隔たりがあるこの二人の行動を交互に見せながら
少しずつ道程が重なっていく見せ方に、必然的にワクワク感を煽られました。

映像が良いんですよ。
同じアングルを、違う時代で見せる楽しさ。
おしゃれ~。

またこの二人がどこか似てるんですよね。
冒険心が強いのに、どこかオドオドしてて。
背伸びしてるけど全然子供で。
そして募らせる、顔を知らぬ親への想い。

こういう系の映画は、2本の道筋がどこでどうやってぶつかるのか。
種明かし的なその瞬間の心地良さが肝なんですが。
奇跡のようなタイミングで交わった二人の人生。
薄曇りの空模様が、徐々に晴れてきて
陽射しが全体に広がるような、暖かみが待ち受けておりました。

でも正直、そこからは説明くさくなっちゃってて
そこが少し残念でした。
上がってきたテンションが、落ち着いてしまったように感じたので。

とは言え
運命に引かれるように歩んだ、短くも大きなベンの冒険。
子供の頃、見知らぬ隣町まで自転車で行ってみたような。
そんなワクワクとドキドキを思い出させてくれる映画でした。

余談ですけど「ワンダーストラック」というタイトルなので
AC/DCの「Thunderstruck」がどっかで流れるんかなと思ったら
全くなかったです。笑


☆個人的見どころ
 ・ベンとローズの奇妙な交点
 ・父と母の秘密
 ・ナイトミュージアムの博物館!?